「軍隊は住民を守らない」教訓として心に刻まれた言葉 重なる沖縄戦の記憶と自衛隊の今
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月24日 18時17分
シリーズ「現場から、」。防衛力の“南西シフト”が進む中、その最前線とされる沖縄の県民は何を思うのか。沖縄戦の「記憶」から沖縄と自衛隊について考えます。
本土復帰とともに、沖縄に発足した自衛隊。県民の自衛隊への反発が強かった当時、隊員の大学通学阻止や成人式への参加拒否など、県民の反自衛隊感情の高まりはあらゆる面に広がっていました。
こうした県民感情の背景にあるのが沖縄戦の記憶です。凄惨な地上戦の経験から戦争に繋がる全てのものを拒否し、平和を望んだ沖縄。日本兵による壕の追い出しや、地元住民をスパイ視した虐殺などを経験した県民は、自衛隊に旧日本軍の姿を重ね合わせていました。
発足してから半世紀あまり。その間、沖縄の自衛隊は不発弾処理や離島における救急搬送などの任務を通じ、少しずつ県民の信頼を得てきました。
しかし、今、政府が推し進める“防衛力強化”のための南西シフトによって進む、なし崩し的な自衛隊基地増強。
沖縄戦を体験した男性は警鐘を鳴らします。
沖縄戦体験者 大城勇一さん(91)
「軍隊は一般住民を守らない、私は沖縄戦でじっくりと悟った。軍事基地は人殺しと破壊のための訓練場にしかすぎない」
「軍隊は住民を守らない」この言葉は沖縄戦の教訓として心に刻まれてきました。
沖縄の自衛隊がホームページにのせている旧日本軍の牛島司令官の辞世の句。こうした姿にもまた、県民感情は揺さぶられています。
(戦後79年目 沖縄「慰霊の日」 平和祈念公園 沖縄・糸満市)
「沖縄を戦場にするな。沖縄の人は怒っているぞ」
玉城 沖縄県知事
「自衛隊の急激な配備拡張が進められ、悲惨な沖縄戦の記憶と相まって、沖縄県民は強い不安を抱いている。今の沖縄の現状は、無念の思いを残して犠牲になった御霊を慰めているか」
沖縄戦の記憶が重なる今。自衛隊の沖縄への向き合い方が問われています。
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