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辺野古の米軍基地建設で“前例ない難工事”始まる「マヨネーズ並み軟弱地盤」に打ち込む7万本の杭【サンデーモーニング】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月25日 15時15分

TBS NEWS DIG

沖縄・辺野古の海を埋め立てて造られる新たな米軍基地。「マヨネーズ並み」とも言われる軟弱基盤が広がる海域で、埋め立て工事が始まりました。

こうした軟弱基盤に7万本の杭を打ち込んで行われる“前例のない難工事”とは?増え続ける予算がさらに膨張する懸念とは?そして、いつになったら完成するのか?手作り解説でお伝えします。

“前例のない難工事”

沖縄県で名護市・辺野古の海を埋め立てて建設するアメリカ軍の基地ですが、V字形の滑走路を作るため、東京ディズニーリゾートの約1.5倍の広さの海を埋め立てます。

面積が小さく水深も浅い南側は、ほぼ埋め立てが終わっていて、今回は北側で埋め立て工事が着手されました。

しかし、これが「前例のない難工事だ」と言われているのです。どういうことなのでしょうか。

問題は“マヨネーズ並み”の「軟弱地盤」

問題となっているのは、海底に広がっている「軟弱地盤」です。

そのまま土砂を投入しても埋立地が安定しないため、防衛省は軟弱地盤にパイプを刺して、内部に砂を入れ、引き抜いて固めるという作業を繰り返し、砂の杭を作ります。

こうした工事で地盤を改良する方針で、これは空港建設などで利用されている方法でもあります。

ただ、「マヨネーズ並み」とも言われるほど軟らかい地盤が、水面下77メートルまで続いているとされます。

ただし国内では、この工法で水面下70メートルを超えて地盤改良した前例はありません。

実際、防衛省の計画でも杭の長さは最長70メートルですが、軟弱地盤の最も深いところは、約90メートルに達すると指摘する専門家もいます。

防衛省は「下の層まで十分に達しなくても安定性を確保できる」とする一方、沖縄県は「防衛省は最も重要な地点の調査をしていない」と反発。

このまま埋め立てして完成したとしても、地盤が不均衡に沈下する可能性があると指摘します。

なぜ辺野古に基地建設?

そもそも、この辺野古に基地を建設することになったのは、普天間基地を移設するという計画のためです。

住宅街の真ん中にあり、「世界一危険な飛行場」とも言われる普天間基地については、1996年に日本側に返還されることが決まりました。

その後、2013年に代替施設として辺野古での基地建設が動き出したのです。そして、2018年から埋め立て工事が進められてきました。

最終的な総工費"2.6兆"の試算も コストも"底なし"?膨張の懸念

総工費は、2014年の時点では「3500億円以上」とされていましたが、“マヨネーズ並み”軟弱地盤が発覚したことを受けて、2019年には一挙に9300億円に増額されていました。

そして今、これでも足りないことが懸念されているのです。

これまでに埋め立てたのは、軟弱地盤のない南側だけ。全体の16%でしかないにもかかわらず、2022年度末の時点で、すでに半分近くの4312億円が使われていたことが判明。

沖縄県は、最終的に総工費は2.6兆円まで膨らむと試算していて、玉城知事は「国民の税金を無駄に投入することなく直ちに建設を中止し、県外、国外移設に向けて県との対話に向き合ってほしい」と訴えています。

辺野古基地建設はいつまで?

今後、辺野古の基地建設は、地盤改良に約7万本もの砂の杭を打つ予定です。

国の計画では、埋め立て工事に約9年余り、米軍に提供するまでに12年かかることになっています。

(「サンデーモーニング」2024年8月25日放送より)

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