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プールや海は大丈夫? 川遊びで体調不良120人超…滝つぼからノロウイルス検出 専門家「川の上流で嘔吐」など可能性指摘【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月28日 22時14分

TBS NEWS DIG

滝の周辺で川遊びをしていた100人以上が体調不良を起こした問題。川の水から検出されたのは、「ノロウイルス」でした。

川遊びで体調不良124人に 滝つぼからノロウイルス検出

熊崎風斗キャスター:
熊本県天草市の「轟の滝」で8月13日以降、滝つぼや周辺の川で川遊びをした人に嘔吐や下痢などの症状が相次ぎ、体調不良を訴えた人が124人となりました。

熊本県が水質検査を行うと、「滝つぼ」と「滝のすぐ上」からノロウイルスが検出されました。

「轟の滝」は観光名所でもあり、高さ約10mの滝や、絶景のつり橋もあります。夏場は川遊びなどで多くの人が訪れている人気スポットでもあります。

なぜ、ここでノロウイルスが検出されたのでしょうか。

国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は、「下水が入り込んだ川などに存在することはあるが、これだけ感染させる事例は聞いたことがない」としています。

▼感染者が川に入ってそこから広がっていった、▼川の上流で嘔吐などをした人がいた、という2つの可能性が考えられるということです。

井上貴博キャスター:
川でノロウイルスが検出され、患者の便からもノロウイルスが検出されましたが、遺伝子型を見ると異なるという結果だということです。

遺伝子型が異なるということは「別物」ということですか?

国際医療福祉大学 感染症学講座 松本哲哉 主任教授:
遺伝子型が異なれば同じノロウイルスでも別物です。

ただ、川の水自体は後でサンプリングしているはずなので、(体調不良を訴えた)みんなが遊んでいたその時の水があれば、同じものが出た可能性があります。後で取ってきたものには、また別のものが入り込んでいる可能性もあります。

「通常の川に普段ノロウイルスがいることはあまりない」

井上キャスター:
川はそんなにノロウイルスがあるんですか?

松本主任教授:
通常はありません。ただ、人が遊んでいる状況では、そこの水は汚染されている可能性はあるということです。

ホラン千秋キャスター:
2種類の違ったノロウイルスが元々川にあって、人が遊びに入って、また違う遺伝子型が残るというような、ノロウイルスが頻繁に出入りすることはあるんですか?

松本主任教授:
普通の川では水が流れているので起こらないですが、滝があって水の溜まりがあるようなところは、ある程度ウイルスが留まる可能性があるわけです。流れがどこまで滞っているかということも大事だと思います。

萩谷麻衣子 弁護士:
例えば、河原でバーベキューやピクニックなどをしたとき、川で手を洗ったりするのはやめた方がいいんでしょうか?

松本主任教授:
通常の川に普段ノロウイルスがいることはあんまりないです。なので、川の水で手を洗って、それで病気を起こすことはまずありません。

今回はある意味、特殊な事例です。流れが滞っている中で、たくさんの人が川に入って汚染したかもしれないということです。

ホランキャスター:
何かしらの外的要因でここにノロウイルスが持ち込まれた可能性があるということですか?

松本主任教授:
それなりの汚染をさせるような状況が起こらないと、普通の自然の河川でノロウイルスの感染は起こらないと思います。

熊崎キャスター:
8月20日の段階で、雨がほとんど降ってなかったということです。

2023年9月と比較すると、水の流れが全く違っていました。例年に比べても水が流れて行きにくい状況であったということです。

プール・海・お風呂での感染リスクは?

熊崎キャスター:
他の水場ではどのくらい感染リスクがあるのでしょうか。

プールは感染リスクが「低い」ということです。

松本主任教授:
通常、プールは塩素消毒がされているので、感染例はほとんどないと思います。ただ、海外ではプールで感染する事例がありましたが、そのときは管理ができてなかったということです。

熊崎キャスター:
海水浴も感染リスクが「低い」ということですね。

松本主任教授:
もし症状がある人が海で遊んでいたとしても、大量の水がそこにあって流れていますので、ウイルスが出たとしても、他の人に感染させるだけのものは入ってこないと思います。

熊崎キャスター:
お風呂や銭湯での感染リスクは「高い」ということですね。

松本主任教授:
感染した人がお風呂を使った場合は、ある程度水は汚染されるかもしれないですが、その後、普通に入浴するだけであれば大丈夫だと思います。口に入らなければ問題ないと思います。

「川の水、綺麗ではない」川遊びでの注意点は?

熊崎キャスター:
川遊びの際に注意する点について、松本主任教授は「動物のフンなどによる感染症のリスクもあるため、川で遊ぶ際は注意が必要」だとしています。

川で遊ぶ際の対策として、▼なるべく水は飲まない、▼肌の露出は控える。

川から出たあとは、▼流水で体を洗う、▼うがいをする、ということが大事だということです。

井上キャスター:
体調不良者が発生したときの水がないと、断定することは難しいのでしょうか?

松本主任教授:
こういう事例は、そのタイミングの検体がないと、うまく見つからないことはよくあります。

ホランキャスター:
まだ暑い日が続くので、川や海などでのレジャーを楽しむ方もいると思いますが、「自然界に当たり前にノロウイルスがたくさんいて危険」と思わなくても良いですよね?

松本主任教授:
今回は特殊な例だと思ってください。ただし、川の水が綺麗というわけでもなく他の病原体はいろいろいますので、飲むこと自体はあまりおすすめしません。

==========
<プロフィール>
松本哲哉さん
国際医療福祉大学 感染症学講座 主任教授
専門は感染症学など
日本化学療法学会 理事

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