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鹿児島で「線状降水帯」が発生 “最強クラス”台風10号 車が横転…“竜巻”か【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月29日 2時36分

TBS NEWS DIG

数十年に一度の勢力で九州に接近している台風10号。上陸前から猛威を振るっています。種子島・屋久島地方では28日夜、線状降水帯が発生。非常に激しい雨にうちつけました。

報告
「鹿児島中央駅前に来ています。今ですね、雨・風ともにかなり強くなってきました」

台風が近づく鹿児島県。

町の人
「店も全部しまっとうから、無理やから帰ります。お兄さんらも早く帰った方がいいですよ」

28日夜、屋久島では…

屋久島に約20年住む人
「記憶にある限りでは一番強いかな」

気象庁は28日午後7時37分、種子島・屋久島地方に「線状降水帯発生情報」を発表。この情報が発表された地域では、非常に激しい雨が降り続き、土砂災害など災害の発生する危険度が急激に高まっています。

屋久島では停電も発生。

撮影者
「ロウソクで明かりをとっています。スマホはモバイルバッテリーで充電しています」

数十年に一度、過去最強クラスとされる台風10号。非常に強い勢力で九州南部に近づいていて、29日に上陸するおそれがあります。

気象庁は28日午後、台風に伴う特別警報として、暴風と波浪、高潮の特別警報を鹿児島県に発表しました。

気象庁予報課 杉本悟史 課長
「暴風が吹き始める前に避難することが重要です。直ちに避難の判断を」

九州南部では、29日も最大瞬間風速70メートルの猛烈な風が予想されています。24時間雨量は多いところで、29日午後6時までに600ミリ、30日午後6時までに400ミリと記録的な大雨が降り続く予想となっています。

線状降水帯が発生した屋久島では1日中、雨が降り続きました。猛烈な風に雨が叩きつけられているのが分かります。屋久島では28日午後1時ごろ、観測史上最大となる44.4メートルの最大瞬間風速を観測。停電するホテルでは…

サンカラ ホテル&スパ屋久島 担当者
「自家発電でホテルの本館のみ稼働。お客様は部屋から出ないようにしていただいてます」

撮影者
「うわー、何が舞ってるのあれ」

宮崎市内では28日午後2時ごろ、“竜巻とみられる突風”が発生。別の映像では、屋根とみられるものを巻き上げながら、風の渦が移動しているのが分かります。

記者
「こちらの神社は、幹周りが3メートルはあろうかという大きな木が根元から折れてしまいまして、看板に直撃してしまっています」

この突風で車が横転するなど、少なくとも4人がけがをしたとみられています。

住民
「ごみみたいなものがいっぱい舞って、くるくる回っている状態だった。どんどん速くなっていって回転が。めちゃくちゃ怖かった」

鹿児島県では、霧島市の果樹園で台風への備えが急ピッチで進んでいました。ハウスの屋根にのぼり、ビニールを取り外します。風にあおられて倒壊するのを防ぐためです。

従業員
「こんな大きなハウスだったら2時間くらいはかかりますね」

ハウスの中では、ブドウが旬を迎えていました。急きょ1トンものブドウを収穫したそうですが、残りが被害を受けないよう祈るばかりです。さらに…

報告
「こちらでは果物に落下防止のネットを付けて台風対策を施しています」

作業は、27日から30人がかりで進めているといいますが…

従業員
「大体1万個以上つけました。もう落ちないでくれっていう、ただ一心ですね」

台風10号は遠く離れた地域にも大雨を降らせています。レーダーを見ると、台風周辺の湿った空気の影響で、四国から東海の広い範囲で激しい雨が降っていることが分かります。

JR高知駅では台風の接近に備え、高さ5.4メートル、重さ400キロの坂本龍馬像などが一時的に撤去されました。台風接近前の関西地方でも一時的に激しい雷雨が。大阪府内では道路が冠水するなど被害が相次ぎました。

愛知県蒲郡市では27日夜、土砂崩れが発生。

報告
「自衛隊、消防による捜索活動が行われています」

巻き込まれたのは2階建ての木造住宅。当時、住宅には70代の夫婦と40代の娘2人、30代の息子の家族5人がいました。現場では、消防や警察など110人態勢で捜索が行われていますが、住宅の上を覆う大木などが行く手を阻みます。40代の女性2人と70代の女性が救出されましたが、70代の女性は病院で死亡が確認されました。

記者
「午後9時です。がれきの中から男性1人が見つかりました。消防などががれきを撤去し、救出作業を続けています」

また、28日夜になって新たに30代とみられる男性が救出されましたが、意識はないということです。降り始めから、27日午後10時までの雨の量が138.5ミリと、平年の8月1か月分を上回った蒲郡市。現場では、残る1人の捜索が続けられています。

台風による交通への影響も出ています。 

報告
「午後9時すぎの鹿児島中央駅ですが、人通りはありません」

JR各社によりますと、九州新幹線は熊本-鹿児島中央駅間で、28日夜から運休しているほか、29日も始発から終日運転を見合わせるということです。また、博多-熊本駅間についても、29日午前の一部の列車を除き、運休となります。

東海道新幹線は30日から来月1日にかけての一定期間、全線もしくは一部区間で計画運休などの可能性があります。

空の便では、九州や関西を発着する便を中心に欠航が広がっています。全日空は29日、国内線173便を欠航。日本航空は29日、国内線265便を欠航にするということです。

小川彩佳キャスター:
國本さん、今後の九州への上陸の可能性というのが高くなっているわけですよね?

國本未華 気象予報士:
29日にもおそらく上陸という形になりそうなんですが、28日午後10時50分時点で見ると、台風中心付近のすぐ近くの雨雲が次々にかかり始めて、夜遅くなって宮崎県内で一段と雨が激しくなっているという状況がわかります。

この台風、動きが遅いですね。28日はほとんど動いていないんですが、じわじわ北上を続けて、今は発達のピークとは見られるんですが、多少勢力が若干落ちたところで九州北部の方に向かっていくという予想になっています。

小川キャスター:
伊沢さん、警戒が続きますね。

Quiz Knock CEO 伊沢拓司さん:
日本に近づいてきたら、これだけ強くなるというのはなかなか見たことがないというか、普通は弱まっていくものですよね?

國本 気象予報士:
異例なところが海面水温が非常に高いということなんですけど、表面だけではなくて水深50メートルぐらいまで海面水温が30度ぐらいあるんです。それだけ勢力を維持しやすいという状況が続いています。これに伴って雨雲が次々にかかるんですけれども、動きが遅くて非常に発達した雨雲が九州一帯にかかってきそうです。

29日の夕方以降、夜になってもまだ九州北部を通過中というような状況で、雨の時間が長くなります。30日金曜日の朝でも、まだ西日本を直撃しているという状況になりそうです。

トラウデン直美さん:
大雨が長引きそうですけれども、どのくらいの雨が降りそうですか?

國本 気象予報士:
大規模な災害が起こりうる、そんな雨の量になるおそれが出てきています。予想雨量で見ると、中でも多いのが九州南部・北部です。29日夕方まで、さらにその先もあわせると1000ミリ前後という雨量になります。ここまでになりますと、土砂災害が多発的に起きたりだとか、大きな川が氾濫するそういう危険性が極めて高くなってきそうです。

小川キャスター:
暴風域に入っている鹿児島県の枕崎市からです。

MBC 岩﨑弘志アナウンサー:
ますます雨・風が激しさを増している枕崎市です。非常に強い台風10号は屋久島の北西にあって、北にゆっくり進んでいます。

これまでに、屋久島町尾之間で観測史上最大の44.4メートル、枕崎市でも35.4メートルの最大瞬間風速を観測しました。雨も強く、屋久島では今月26日からのわずか3日間で、総雨量が900ミリを超え、種子島・屋久島地方に線状降水帯発生情報が発表されました。

また鹿児島県内では、奄美市で60代男性が転倒し足の骨を折るなど、あわせて4人がけがをしました。交通では、九州新幹線が28日夜から計画運休したほか、29日に鹿児島空港を発着する84便が欠航を決めています。

台風の速度が遅く、県内は長時間、強い雨と風に見舞われています。

小川キャスター:
続いて、宮崎県からです。

MRT 田尻怜也記者:
宮崎県日南市にあるホテルよりお伝えします。宮崎県は全域が強風域に入っていて、こちらから見える木も大きく揺れているのがわかります。

宮崎市佐土原町では28日午後2時ごろ、竜巻とみられる突風が発生しました。この突風で複数の住宅や車に被害があり、10代から80代までの男女あわせて4人がけがをしました。また、宮崎市のほかの場所では、大きな看板が倒れる被害も発生しています。

宮崎県は、29日明け方にも風速25メートル以上の暴風域に入る見込みです。気象庁は、宮崎県と鹿児島県に大雨特別警報を発表する可能性があるとして最大級の警戒を呼びかけています。

小川キャスター:
不安な夜となりますけれども、住んでいる場所など状況は人によって違いますよね。どういったタイミングで避難するのか、どう判断すればいいんでしょうか?

國本 気象予報士:
避難のタイミングは非常に難しいと思うんですけれども、すでにもう警戒レベル4にあたる紫色の土砂災害の危険度が極めて高いという状況になっている地域が出てきているんですね。今後さらに九州南部には大雨特別警報が発表される可能性もあります。

ただ、これ以上に気をつけたいのが、この情報を待っての避難ですと手遅れという場合があります。この情報を待たずに、警戒レベル4までに安全な場所に移動するという、安全を確保するというのが非常に重要です。

トラウデン直美さん:
夜に注意したい避難のときのポイントはありますか?

國本 気象予報士:
夜暗い時間にかえって外に出ると危険な場合があります。そういった場合は、垂直避難ということで2階以上、斜面や崖から離れた場所というのが有効になります。ただ実は、竜巻や突風などの場合はかえって2階が危険なこともありますので、とにかく窓ガラスからは離れるというのも重要です。

しかも今回、非常に風も強いので、停電も起きえますね。停電に備えておくというのを、今からすぐにでもスマホの充電を満タンにしておく、懐中電灯をすぐに取り出せるようにしておくだったり、代用品なども考えておくようにお願いします。

小川キャスター:
ここ数年、数十年に一度クラスの台風だったり、大雨というのが頻繁に起きていますから、住んでる場所によって状況は違いますけれども、私達も避難のタイミングなど過去にとらわれずに変えていく必要が伊沢さん出てきていますよね?

伊沢拓司さん:
本当ですね。昔を参照して平年とかっていうとね、30年のデータとってみたいなことになりますけど、昔と今では状況が違いすぎるので、実例がない、データがない状況なわけですよね。過去にこういうことがあったから同じぐらいですよってことが言えたらいいですけども、そんな予想もつかない領域まできているので、今求められていることは、危ないと思ったらとりあえず避難する、という前もっての行動なのかなというのは思いましたね。

小川キャスター:
災害が起きるたびに、まさかという言葉を地元の方から伺うことが本当に多いですから、とにかく過去の常識にとらわれない対策というのをお願いいたします。

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