1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

憲法改正アピールの総裁選「選択的夫婦別姓」で争点化も “キングメーカー”たちは困っている?【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月3日 13時30分

TBS NEWS DIG

今月、自民党と立憲民主党のトップを決める選挙が相次いで行われますが、自民党では候補者の多くから憲法改正に意欲を示す発言が出ています。こうした「政策論争」と同時に結果を左右しそうなのが、“キングメーカー”たちの動向です。「政策」か「派閥の力学」か。総裁選のカギはどちらにあるのでしょうか。

「ポスト岸田」候補が憲法改正アピール

河野太郎デジタル大臣は政策を訴えるYouTubeの撮影をし、小泉進次郎元環境大臣は、子育て世帯との座談会など精力的に活動。

告示まで10日(2日時点)に迫った自民党の総裁選挙に向け、ポスト岸田を狙う議員が続々と出馬を表明する見通しです。

こうした中、2日憲法改正実現本部に出席した岸田総理。

岸田総理
「衆参で3分の2の賛成を得て国民投票にかけ、そして憲法改正を実現する。この段階に入ったと」

自民党は憲法9条への自衛隊の明記について、“従来の条文を維持した上で自衛隊について新たに付け加える形を前提とする”などとした論点をまとめました。

その上で岸田総理は、“これまでの取り組みを新総裁も引き継いでもらいたい”と強調しました。

ポスト岸田候補の多くが優先度の高い政策に挙げている憲法改正。

石破茂元幹事長
「党の総裁として(憲法改正の)議論をリードするということの姿勢というものは、それは誰が総裁になったにしても、踏襲すべきものだと思っております」

小林鷹之 前経済安保担当大臣
「これまでの経緯を全て知っているからこそ、人一倍(憲法改正への)思いが強いんです」

しかし、自民党の幹部からは「憲法改正についてはおそらく全員賛成でしょう?みんなだいたい同じニュアンスだから、争点にはならないよね」という声も聞かれます。

立憲代表戦 若手「推薦人20人はハードル高すぎる」

一方、告示まであと5日に迫った立憲民主党の代表選挙。

立候補を表明している枝野前代表や野田元総理が、選挙に向けた動きを活発化させる中、有志の議員らが2日、立憲民主党の国会議員が136人という現状で、推薦人を20人集めるのはハードルが高すぎるなどとして、ルールを見直すよう求めました。

投開票まで1か月を切った自民党と立憲民主党の“ダブル党首選”。次期衆院選をにらんだ戦いが始まっています。

「選択的夫婦別姓」異なるスタンス

小川彩佳キャスター:
自民党の総裁選を巡っては、候補者の出馬会見が相次いで予定されていますが、6日に会見予定の小泉元環境大臣が2日、このような発言をしました。

小泉進次郎元環境大臣
「(選択的夫婦別姓について)私個人としては賛成。6日(出馬会見時)にしっかり話をしていきたい」

この選択的夫婦別姓については各候補者の立場がわかれています。

TBSスペシャルコメンテーター  星浩さん:
結局、岸田政権のときは動きませんでしたが、今度の総裁選挙では比較的各候補の違いがはっきり出るテーマになると思います。

「選択的夫婦別姓」について小泉さん、石破さん、河野さん、野田さんは推進する立場を取っています。林さんや上川さんも宏池会という比較的リベラルなグループのため、どちらかというと賛成。茂木さんは中立というスタンスです。

一方で小林さんと高市さんは慎重論ということです。その他の議員はこれから表明するということですが、そろそろ選択的夫婦別姓を議論から実行に移す段階だと思うので、具体的にどこまで実行に移すのかということも議論してもらいたいと思います。

小川キャスター:
夫婦別姓はドイツでは根付いているのでしょうか。

ドイツ公共放送東京支局 プロデューサー マライ・メントラインさん:
私の家族は父の姓がメントラインというのですが、母はダブルネームです。元々の姓で電話に出るので、そこで少し混乱が生じることはありますが、特に困ったことはありません。夫婦で姓は完全に別々でも、ダブルネームでもいい。伝統的に夫の名前にする人もいる。ルールは割と柔軟です。それで困ったという話は聞きません。

憲法改正は争点に?“キングメーカー”の決断は?

藤森祥平キャスター:
自民党総裁選で「憲法改正」以上に議論すべき争点はあると思うかアンケートをとったところ、「そう思う」という結果が68.0%となりました。

星さん:
この反応は非常に健全な反応だと思います。2つ理由があり、一つは、これだけ裏金問題が出て政治への信頼が地に落ちているときに、憲法改正を議論するなら信頼を回復してからじゃないかと国民が思っているから当然のことですよね。

もう一つは、テーマとしても憲法改正にエネルギーを注ぐよりは、経済、社会保障や少子化対策などにエネルギーを注いでほしいと思うのは国民としては当然の反応だと思います。総裁選挙も国民の本当の意見を吸い上げて議論してもらいたいと思います。

小川キャスター:
そうした政策論争というのを期待するところですが、現時点でどの候補が有力視されているのでしょうか。今後の総裁選の流れになります。総裁選は、国会議員票と自民党員票の合計で争われますが、自民党内では今後どういう流れになるのでしょうか。

星さん:
候補者が多いので国会議員票でダントツに得票する人はあまり現れないと思います。

一方で党員票は一人でごっそり票を集める人が出てくるかもしれません。それでも、1回目の投票では過半数を取る人が現れず、上位2人の決選投票になる可能性が高いというのが多くの議員の見方です。

仮に人気の高い小泉さんと石破さんの決選投票になった場合、この“キングメーカー”を狙っている麻生さんや岸田さんからは少し困った事態になるでしょう。麻生さんは自分の政権のときに足を引っ張ったという石破さんを完全に嫌っています。

一方で麻生さんは最近菅さんとの確執が非常に強くなっており、菅さんが推している小泉さんも嫌だという心境です。

岸田さんも政権末期に菅さんが政権批判をして足を引っ張ったとして、非常に菅さんに対して反発がありますし、石破さんに対してもあまり信頼がない。麻生さんも岸田さんも同じ派閥は一体となって動こうとしているので、どちらにつくかで今思案をめぐらしているところです。

岸田さんが打ち出したはずの派閥解散ですが、やはり派閥単位で動くんじゃないかという、非常に皮肉な巡り合わせになってるという現状です。

小川キャスター:
それこそ派閥の論理ではないかと感じてしまいますね。マライさんは総裁選をどうご覧になっていますか。

マライ・メントラインさん
日本の総裁選はドイツのテレビでも取り上げることになっており、注目されています。結局どういう人がどういう政策でどういうプロセスで総裁に選ばれるのか、場合によって総理になっていくのかは外国からも見ていきたいです。有権者も同じで、そこをちゃんと見て、自分の投票行動の判断材料にしていきたいと思います。

「みんなの声」は

NEWS DIGアプリでは『自民党総裁選』について「みんなの声」を募集しました。

Q.自民党総裁選 「憲法改正」以上に議論すべき争点 あると思う?
「そう思う」…68.0%
「どちらかというとそう思う」…11.6%
「どちらかというとそう思わない」…4.5%
「そう思わない」…13.4%
「その他・わからない」…2.5%

※9月2日午後11時00分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは3日午前8時で終了しました。

========
<プロフィール>

星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年

マライ・メントラインさん
ドイツ出身 2008年から日本在住
ドイツ公共放送東京支局 プロデューサー

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください