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“観測史上最も暑い夏” 気温がこれ以上あがったら、どうなる?猛暑日増で複合災害や健康被害の可能性も…【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月3日 12時4分

TBS NEWS DIG

今年の夏は去年と並んで「観測史上最も暑かった」ことがわかりました。このまま日本の気温が上がり続ければどうなるのでしょうか?

“史上最も暑い夏”将来どこまで? 猛暑日の日数増加で複合災害も

2024年も9月。暦の上では秋ですが、台風が過ぎた2日は全国17地点で猛暑日に。各地で厳しい暑さとなりました。

そんな中、気象庁から発表が…

気象庁 気候情報課 吉松和義 課長
「6月~8月の夏平均も昨年と並び、歴代1位の高温となっております」

2024年の夏は福岡県の太宰府で40日連続で猛暑日に。7月には栃木県の佐野で41.0℃を観測するなど、危険な暑さが続出し、2024年6月から8月までの平均気温は平年と比較してプラス1.76℃と、2023年に並び、観測史上最も暑い夏となりました。

日本は将来、どこまで暑くなってしまうのでしょうか?

IPCC=気候変動に関する政府間パネルの研究にも参加する専門家に最悪のシナリオを聞いてみると…

東京大学 小坂優 准教授
「(今世紀末の)年平均気温は20世紀末と比べて+4.5℃ということが予想されています」

これまでの研究で、地球温暖化に拍車がかかれば、今世紀末には4.5℃の上昇が予測されているといいます。

その4℃を超える上昇とはどれほどなのか。

東京大学 小坂優 准教授
「(Q.4℃上がったら)ものすごく暑いですね。たとえば7月の気温があれだけ暑くて、(月の)平均気温は(平年より)2℃高いぐらい。4℃上がるというのは、ものすごいことですね」

仮に、日本の気温が約4.5℃上昇した場合、20世紀末よりも猛暑日は約19日も増えるといいます。

2024年、東京都心で猛暑日を観測したのは19日。将来、この日数がさらに増加することが見込まれます。

東京大学 小坂優 准教授
「極端な暑さの確率が上がってくると、他の自然災害と一緒に起こる確率がすごく高くなる。極端に強い台風が来たすぐ後に熱波が来るとか」

地震や台風で停電や断水が起きているところに猛暑が襲えば、熱中症など暑さの災害で被害が拡大することが予想されます。

“熱疲労”で熱中症の10倍の死者 気温上昇で感染症流行も

さらに、危険な暑さはある健康被害を引き起こし、熱中症の10倍もの死者を出していると指摘する専門家もいます。

東京大学 井原智彦 准教授
「熱中症の死者は30年を平均して300人ぐらい。“熱疲労”で亡くなっている方は3000人ぐらい」

この“熱疲労”とはどんな症状なのか。

東京大学 井原智彦 准教授
「暑くなって体温が上がる以前に、他の臓器に影響が出て亡くなってしまうことがあります。例えば、呼吸器とか循環器です。気温と疾患の関係をとると、明らかに気温が上昇したらそういう疾患の死亡が増えている」

急激な体温上昇が原因となる熱中症とは異なり、暑さがじわじわと臓器にダメージを与え、心不全などの疾患が引き起こされるというのです。

さらに、気温や水温が高くなることでウイルスや菌が蔓延しやすくなり、2024年に大流行した手足口病など、様々な感染症も流行しやすくなるといいます。

東京大学 井原智彦 准教授
「どういう方が(暑さの)被害が遭っているかを突き詰めて、彼らが導入可能な対策を社会全体で後押しすべき」

気候変動で最大風速7.5%増か 台風10号英研究チーム

藤森祥平キャスター:
イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンの分析が発表されました。

今回の台風10号について、気候変動によって最大風速が7.5%も増した可能性があるということです。

この分析はコンピューターシミュレーションを使って、人為的な気候変動の影響がないと仮定した地球での台風の強度と比較したものだそうです。

また、今回の台風10号クラスの台風の発生頻度は、気候変動がなかった地球での場合は10年間で4.5回ですが、気候変動の影響があると5.7回に増えるという可能性を指摘しています。

研究チームによると、「温暖化が続けば、さらに大きな被害をもたらす」ということです。

小川彩佳キャスター:
実際に気候変動の影響をじかに感じるような出来事が一気に増えてきた感覚はありますか?

ドイツ公共放送東京支局プロデューサー マライ・メントラインさん:
あります。今回は例えば屋久島の弥生杉。あんなに素敵な自然遺産が被害に遭うのは私はすごく悲しいです。

でも、日本だけではなく、母国のドイツでも災害が増えています。例えば、2021年に歴史的な洪水があって、それを機に不安が広がり始めました。その後、選挙がありましたが、選挙にも影響が出ました。

ドイツには昔、経済エネルギー省がありましたが、編成して、今は経済気候保護省になっています。なので、何か経済的なことをやろうとすると、必ず1回は気候のことも考えないといけないという新しいルールになっているので、最初の一歩かなという感じです。

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<プロフィール>

マライ・メントラインさん
ドイツ出身 2008年から日本在住
ドイツ公共放送東京支局 プロデューサー

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