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人気脱毛エステが突然休業、客とトラブル 社長を直撃取材「無理やり社長に…」、支払った金はどうなる?【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月3日 22時7分

TBS NEWS DIG

全国に5店舗を展開する男性専用の人気脱毛エステが突然の休業。客とトラブルになっていることが分かりました。
Nスタはエステの社長を直撃取材。店側の主張とは?

“契約期間8か月間が残ったまま” 人気脱毛エステが突然営業を停止

メンズメディカ HP
「医療レベルの脱毛を、エステ価格で」
「夕方には目立つ青髭が、薄くなって驚きました」

東京や大阪など全国5店舗を展開する男性の脱毛エステ「メンズメディカ」。

SNSの広告動画
「今なら全身脱毛6か月分、タダで通い放題の上、アマギフ50000円まで付いてきて全身ツルスベになれちゃうんです!」

TikTokやインスタグラムなどで広く宣伝。“医療レベル”だという威力が強いレーザーと手頃な価格を売りにした人気脱毛エステです。

ところが…

送られてきたメッセージ
「新宿店スタッフ全員がコロナウイルス感染により、営業を一時停止致します」
「設備の不具合によりサロンの営業が難しい状況となりました」

2024年6月末ごろ、突然、営業を停止したのです。

トラブルに遭った男性(40代)
「約50万弱は払っています。音信不通になること自体がありえない。半分怒りと半分どうにかしてほしい」

大阪府内に住む40代の男性は、「1年間通い放題」のコースを選びましたが、契約期間は8か月間も残ったまま脱毛の途中でヒゲも、まだらな状態だといいます。

トラブルに遭った男性(40代)
「ある部分とない部分があるんですけど、わかります?」

アゴをよく見てみると、脱毛した部分とまだの部分が混在していて、なんとも中途半端な状態になっています。

トラブルに遭った男性(40代)
「特に夜になるとすごくはっきりわかって、みっともない。恥ずかしい思いを今しています」

心斎橋店は何もない状態に、支払った金はどうなる?

国民生活センターによると、店が突然倒産したり、施術でやけどをしたりといった脱毛エステに関する相談が急増していて、2022年度には約2万件。

男性からの相談も増加傾向にあるといいます。

メンズメディカの各店舗の状況について、顧客に営業停止が伝えられた1か月後の7月29日に関係者が撮影した映像があります。

映像によると、新宿店ではベッドや脱毛機器がまだ残されていました。

一方、大阪の心斎橋店では、何もない状態に。

このエステの利用料金は前払いが多く、突然の営業停止に利用者からは困惑の声が相次いでいます。

社長を直撃「スタッフにもお給料を払えていないような状態」「無理やり社長に」

客が支払ったお金はどうなるのか、Nスタが運営会社の社長を直撃しました。

Q.顧客は何人くらい?

メンズメディカ運営会社 社長
「全店で多分500人くらいいる。お客様たちに対しては、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。スタッフにもお給料を払えていないような状態で」

社長は「従業員への給料を払えず、営業を停止せざるを得なくなった」と説明しました。

店を再開できる目処はなく、「顧客への補償を進めていきたい」ということですが…

メンズメディカ運営会社 社長
「4月25日に(社長に)就任したんですけど、何の引き継ぎもなく、どういった負債があるとか何も知らされることなく」

Q.そんな中で引き受けたのはなぜ?

メンズメディカ運営会社 社長
「引き受けたっていうよりも、半ば強制的にっていうのが正しいですね」

「会社の実態を把握できないまま、以前の経営陣から、無理やり社長に就任させられた」と今の社長は主張。

今後については、経営破綻の手続きを進める方針だということです。

脱毛トラブル増加…無料体験後、強引に契約を迫られることも

南波雅俊キャスター:
脱毛トラブルが増えてきています。

<脱毛トラブル相談件数> ※国民生活センター調べ
2019年度:2885件
2020年度:2859件
2021年度:4117件
2022年度:1万9127件
2023年度:1万1921件

国民生活センター調べでは、相談件数は2020年度から2021年度にかけて1000件以上増えました。ここからまた一気に増え、2022年度は1万9127件。2023年度は前年度から減ったとはいえ、1万2000件近い相談が寄せられていたのです。

脱毛がブームになるとともに、トラブルも増えてきています。国民生活センターによると、具体的な例では▼広告掲載の施術を希望するも高額プランを勧められたり、▼無料体験後、強引に契約を迫られ契約してしまったりといったこともあるようです。

ホラン千秋キャスター:
突然サロンが休業してしまうケースや、契約でのトラブルなど、さまざまなトラブルが上がってきているのでしょうか?

消費者トラブルなどに詳しい牧野和夫 弁護士:
最近は男性の方からのご相談が多く、美意識が強くなっているのだと思います。若い方だけではなく、40代や50代の方からご相談を受けることもあります。

井上貴博キャスター:
私自身も脱毛エステに行っていますが、自由診療になると、店によって価格が変わることが当たり前ですよね。自分で比較しなければいけないわけですが、妥当な金額は何で、妥当な施術内容は何かという基準がありません。インターネットで探したところで比較もできませんし、判断を迷うところは正直あります。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
ブームになって脱毛する人が増えてきていますが、相場観が自分たちの中にないので、いくらが妥当なのか、スタンダードな施術がどういうものかなのかは僕自身もわかりません。それで強引な契約や、思っていたものと違う契約を結んでしまう方が増えているような気はします。

通っていたエステが倒産・閉鎖したら返金は?

南波キャスター:
実際に、2023年1月から9月にかけて9件の脱毛サロンが倒産しています。これは過去最多です(帝国データバンク調べ)。

2023年12月には美容脱毛エステ大手の「銀座カラー」が破産し、返金トラブルが相次いだという例もありました。

ここから牧野先生に、脱毛トラブルで気になる疑問を伺っていきます。たとえば、通っていた脱毛エステが突然倒産、あるいは閉鎖した場合、返金は可能なのでしょうか?

牧野和夫 弁護士:
そもそも、お金がなくて倒産しているため、可能性は非常に低いと思います。

ホランキャスター:
そのなかで「この脱毛サロンは大丈夫そうだな」「ここはちょっと危なそうだな」というのを、消費者として見分けるポイントはあるのでしょうか?

牧野和夫 弁護士:
やはり大手の系列などであれば、ある程度は安心できるかもしれません。

ホランキャスター:
しかし銀座カラーのように、100%安全ということはないわけですものね。

牧野和夫 弁護士:
会社を見分けることは一般の方にはできませんが、どれだけ資産があるかや、上場会社の子会社ということであれば、ある程度は信用できるかもしれません。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
そうなると、すべて前金で一括で払ってしまうこと自体にリスクがあると考えてもよいのでしょうか?

牧野和夫 弁護士:
どうしてもエステだと長期間の契約になりますが、1回払いで、現金でその都度払っていくこともできます。また、分割払いでこまめに払っていくやり方もあり、そのほうがリスクは少ないと思います。

南波キャスター:
牧野先生も今おっしゃいましたが、脱毛トラブルを防ぐには▼一括払いではなく、分割払いや都度払いできる店を検討することも肝心です。

あとは▼「お試し施術」など低価格の広告を鵜呑みにしないことや、▼強引に契約を迫られてもきっぱり断る、契約は慎重に検討することも大事なポイントになってきます。

施術でやけどをしたら治療費は請求できる?

南波キャスター:
続いての疑問ですが、施術で痕が残るようなやけどをした場合、治療費の請求は可能なのでしょうか?

牧野和夫 弁護士:
法律的に申しますと、債務不履行ということで契約違反になるので、契約を解除して損害賠償請求できます。施術料の返金と治療費の請求は、当然できると思います。

井上キャスター:
最初の契約書にそういう項目がなかったとしても、できうるのでしょうか?

牧野和夫 弁護士:
もし契約上はだめでも不法行為ということで、過失でけがをさせたわけですので、治療費は請求できます。たとえば交通事故は、契約が関係なくても治療費を請求できますよね。それと同じような理由です。

南波キャスター:
また、施術内容に満足いかない永久脱毛コースに申し込んでしまったとき、途中解約は可能なのでしょうか?

牧野和夫 弁護士:
これは継続的役務提供といいまして、途中解約は可能です。要するに、サービスを受けていない部分について解約することはできます。

井上キャスター:
あまり自分でできないと考え込まずに、場合によってはクーリングオフもできることがあると思うので、相談してみることが一番なのかもしれません。

==========
<プロフィール>
牧野和夫 弁護士
企業法務や民事事件を主に担当
美容エステサロンの顧問弁護士を務める

松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父

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