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“飛び石詐欺” 因縁つけ免許証情報を悪用…巧妙手口で「ネット銀行開設」 他人名義のクレカ使用した詐欺容疑などで夫婦ら3人逮捕 被害総額4000万円か 警視庁

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月4日 17時2分

TBS NEWS DIG

高速道路を走っていた別の車に「飛び石で車に傷がついた」と因縁をつけ、手に入れた個人情報を悪用する“飛び石詐欺”。その結果、身に覚えのないクレジットカードが作られ、アパートまで契約されていました。巧妙な手口とは?

見ず知らずの運転手に対し、3人は突然、こう因縁をつけたといいます。

「飛び石が当たって、車に傷がついた」

きのう、詐欺と窃盗の疑いで逮捕された、斎藤貴聡容疑者(32)。妻の智華容疑者(33)と不正に得たクレジットカードを使い、衣類などおよそ10万円分を盗むなどした疑いです。

さらに、野村祐貴容疑者(30)と家電量販店でスマホ2台をだまし取った疑いももたれています。

この際に悪用したのは、勝手に作った他人名義のクレジットカード。手口はこうです。まず、高速道路を高級外車フェラーリなどで走行。ターゲットを見つけると後をつけ、「飛び石が当たった」などと警察に通報します。

相手の運転手と、警察官から事情を聴かれるものの…。

駆けつけた警察官
「飛び石の証拠もありませんし、事故扱いは出来ないので、あとは当事者同士でお願いします」

警察官がその場を離れた途端に語気を強め、相手に免許証を撮影させるよう執拗に迫ります。そして手に入れた免許証情報でネット銀行に口座を開設すると、相手名義のクレジットカードを勝手に作っていたのです。

免許証は他にも悪用されていました。相手名義で都内十数か所にアパートを契約し、カードを受け取るために使っていたとみられます。

さらに、免許証を偽造し、受け取りの際の本人確認書類として提示していたということです。

その後、不正利用に気付いたのはカード会社で、いずれの名義人も「飛び石で因縁をつけられた」と話したということです。

取り調べに斎藤容疑者は黙秘し、妻の智華容疑者は容疑を否認。

斎藤智華 容疑者
「身に覚えがない」

専門家は事件の背景について、金融機関側が他人の免許証だと見破れなかった点を指摘します。

ITジャーナリスト 三上洋さん
「本人確認、ここが甘いことが原因です。今後は運転免許証やマイナンバーカード等のチップを読み込む形の、より安全な方法にするべきです」

斎藤容疑者らは同様の手口で、おととし12月からの1年半の間に9人の名義で34枚ものクレジットカードを不正に作っていたとみられ、被害総額は4000万円にのぼるということです。

警視庁は他にも偽造免許証を複数枚押収していて、余罪を詳しく調べています。

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