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米大統領選「ガラスの天井」を打ち破るには?“初の女性大統領”誕生を阻むもの―【風をよむ】サンデーモーニング

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月15日 15時15分

TBS NEWS DIG

注目のテレビ討論が行われた、アメリカ大統領選挙。アメリカ建国以来、初の女性大統領は誕生するのか。「ガラスの天井」という言葉が改めて、ささやかれ始めています。

女性大統領は生まれるか?

1970年代、黒人女性として初めてアメリカ大統領選挙に出馬したシャーリー・チザム下院議員。黒人を中心に支援運動が広がり、民主党予備選に出馬白人男性候補を相手に選挙戦を展開しますが、大差で敗北を喫します。

それから半世紀あまり…

ハリス副大統領(10日)
「自分を優先せず、他者を気遣う。そういう、全アメリカ国民のための大統領になります」

トランプ氏とのテレビ討論を終えたハリス氏によって、注目されているのが、「初の女性大統領」誕生です。有権者は…

「彼女はとてもエキサイティングな候補者。間違いなく、この国の新たな道を示しくれると思う」

ガラスの天井…女性大統領は

これまで最もその地位に近づいたのは、2016年、民主党の大統領候補に選ばれたヒラリー・クリントン氏でした。

ヒラリー・クリントン氏(2016年7月)
『ガラスの天井』に大きなヒビを入れられたことが、信じられない」

「ガラスの天井」

女性の活躍を妨げる見えない障壁の喩えとして、しばしば使われてきたこの言葉。その天井を打ち破ることを訴えたヒラリー氏の支持は、選挙戦を通じて、トランプ氏を上回っていました。しかし…

クリントン氏(2016年11月)
「私たちはいまだ、あの高いガラスの天井を打ち砕くことができていません」

僅差でクリントン氏は敗北。女性がトップに立つことの難しさ、「ガラスの天井」の厚さを、改めて思い知らされたのです。

その一方で、世界に目を転じると、一国のリーダーとして国を率いる女性は、これまで数多く生まれてきました。

イギリス ・サッチャー首相(当時/1980年)
「後戻りしたければしなさい。私は戻らない」

「鉄の女」と称されたイギリスのサッチャー首相。

ドイツ・メルケル首相(当時/2019年)
「自由を制限する壁は、いかに高くとも壊せることを示しています」

ドイツで16年に渡る長期政権を率いたメルケル首相。

ヨーロッパだけではありません。古くはインドのインディラ・ガンジー首相。フィリピンのアキノ大統領。2024年はメキシコでシェインバウム大統領が誕生しました。

シェインバウム次期大統領(2024年6月)
女性全員で、ここに行き着いたのです」

ところが、自由と民主主義のリーダーを標榜するアメリカでは、建国以来250年近く、いまだ一人の女性大統領も誕生していません。なぜなのか、アメリカ政治に詳しい三牧教授は…

同志社大学大学院 米政治 三牧聖子准教授
「まだまだジェンダーの視点から見ると敵対的な人も多い。とりわけ権力に近づこうとする女性に対する風当たりは厳しい。民主党支持者ですら、女性大統領を是非という風に思っている人たちばかりではない状況が最近まで続いた」

女性への差別的言動が問題となったトランプ氏の勝利に、アメリカ政治専門紙「ザ・ヒル」は『アメリカは女性大統領を迎える準備ができていなかったのか』(2016年11月)と指摘しました。

そして誕生したトランプ政権。ところが、アメリカ社会はそれ以降、大きく動き出したのです。

デモ参加女性(2017年1月21日)
私たちがアメリカなのです

“ガラスの天井” 女性たちは…

トランプ政権誕生以降、アメリカ社会が迎えた大きな変化…。

デモ参加女性(2017年1月21日)
大統領がアメリカではありません。私たちがアメリカなのです

トランプ氏の大統領就任式翌日に行われた、女性によるデモ行進。世界各地で100万人以上が参加し、トランプ大統領誕生に抗議。女性の権利向上などを訴えました。さらに…

デモ参加女性(2017年11月)
「私たちはもう沈黙しません

この年、全米で大きな盛り上がりを見せたのが、MeToo運動

セクハラや、性的暴行の被害者が自身の経験を告白するなど、女性たちが自ら立ち上がったのです。

女性の政治参加の気運も高まり、2018年の中間選挙に立候補した女性の数は過去最多に。また世界を混乱させたコロナ禍で、力強いリーダーシップや、国民に寄り添う姿勢は、改めて女性リーダーの価値を高めました。そして…

ハリス副大統領(8月)
「私たちは後戻りしない!」

2024年8月の世論調査で「アメリカ社会は黒人女性の大統領を選ぶ準備ができている」と答えた人が68%に上り、共和党支持者でも半数近くに達しました。こうした変化を踏まえながらも、三牧さんは…

同志社大学大学院 米政治 三牧聖子准教授
ジェンダー平等が当然の目標として、2016年の時よりは社会の認識も成熟してきている。だけど、『ガラスの天井』というと、すごい分厚い。『ひとつのガラスの天井』をイメージしてしまうが、実は女性であることだけでなく、黒人であることの壁だったり、かなり『複雑なガラスの天井』がある。その点で、ハリス氏も非常に難しい立場にある」

2か月後に投票を迎える大統領選。その行方に注目が集まります。

(「サンデーモーニング」2024年9月15日放送より)

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