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自民党総裁選 独自調査で自民議員票「8割超」が判明 立憲民主党代表選の結果が影響も?【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月16日 21時38分

TBS NEWS DIG

自民党総裁選は、各候補者が能登半島地震の被災地で震災対応などをめぐって主張を戦わせました。
こうした中、投票総数の半数を占める国会議員票では小泉進次郎元環境大臣がトップに立っていることがJNNの取材で分かりました。

総裁選 小泉氏がトップ 小林氏が追う 自民議員票「8割超」が判明

自民党の青年局・女性局が主催した討論会で、各候補からは若者や女性の活躍に関する訴えが多く聞かれました。

小林鷹之 前経済安保担当大臣
当選4回、40代、サラリーマン家庭で生まれ育った私が総理総裁になることが、この自民党を本気で本気で変えることの象徴になる

河野太郎 デジタル大臣
地方議会から女性議員の割合を増やしていく。必要なら、公認推薦の中で割り当てを決めるそれぐらいの覚悟でやっていかなければならないのではないかと思います」

上川陽子 外務大臣
「鍵は女性と地方です。女性と、そして地方が主人公になる政策のパッケージ、これが私が皆さんと一緒に取り組んでいきたいことです」

林芳正 官房長官
働き方改革をこの政治の世界にも入れてリモートなど男の人でも女の人でも十分に仕事ができる。この体制を作ってまいりたいと思います」

また、能登半島地震の被災地・石川県での討論会ということで、震災復興について訴える候補も。

小泉進次郎 元環境大臣
「なかなか石川県能登半島の復興が進まないんじゃないか。この多くの皆さんの思いにしっかりと決着をつけて、復興の加速をしていきたいと思います」

石破茂 元幹事長
「震災は日を選びません。場所を選びません。マグニチュード6以上の地震の2割は日本に集中している。防災省は必要です」

総裁選の決選投票では国会議員票に比べ、地方票の比重が軽くなってしまうことを受け、オンライン投票導入の是非も話題となりました。

加藤勝信 元官房長官
オンラインで投票できるようにしていく。そうすれば、葉書を出すこともしなくて済みます。オンライン投票を通じて、地方の声はその決選投票を前提として答えが出るし、我々もそれを踏まえて答えを出して結果的に決選投票ができる」

高市早苗 経済安保担当大臣
「全党員を対象に決選投票をデジタルでやるということになると、これには反対です。懸念国からのサイバーアタック、要は結果の変更といった懸念がございます。将来の検討課題だと思っております」

茂木敏充 幹事長
「オンラインであれば、もっと地方の票が声が反映できるような状況を作れると思います。決選投票においても、私はデジタルでも工夫ができると思います」

こうした中、投票総数の半分を占める国会議員票について、小泉進次郎元環境大臣が50人以上の票を固めトップに立っていることがJNNの取材で分かりました。小林鷹之前経済安保担当大臣が、これを追う展開です。

また、林官房長官と茂木幹事長は40人前後の票を、石破元幹事長、高市経済安保担当大臣は30人以上の票を固めました。河野デジタル大臣がこれに続いています。

残る上川外務大臣、加藤元官房長官は推薦人20人からほとんど支持が広がっていません。

ただ、まだ40人以上の議員が投票行動を明らかにしておらず、地方票の動向を見て支持を変えたりする議員も一定数いることから、情勢は変わる可能性があります。

現状では、地方票を含めていずれの候補も1回目の投票では過半数を獲得できないことから、上位2人による決選投票にもつれこむのが確実な情勢です。

自民党総裁選 勝敗を分けるのは

山内あゆキャスター:
過去最多の9人が立候補した自民党総裁選。国会議員票の動向がわかってきました。

まずは自民党総裁選の制度から確認していきます。

▼9月27日投開票
▼第1回目の投票:国会議員票367票、党員・党友票367票、計734票

1回目で過半数を獲得した人がいた場合、その人が総裁に。一方、過半数に届いた人がいない場合、上位2人での決選投票に。

【現在の国会議員票の動向】(JNN調査より)

小泉進次郎氏:50人以上
小林鷹之氏:50人程度
林芳正氏:40人前後
石破茂氏:40人前後
高市早苗氏:30人台
河野太郎氏:30人前後
上川陽子氏:20人台
加藤勝信氏:20人台

ただ、まだ「態度不明」が40人以上いるので、これで決まるわけではありません。

さらに、態度不明の40人が一人に集まったとしても、どの候補も議員票の半分以上を集めるのは不可能のため、決選投票が確実ではないかということです。

井上貴博キャスター:
印象としては小林鷹之氏が伸びて、石破茂氏、高市早苗氏が伸び悩んでいるなと感じたのですが、どうご覧になっていますか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
態度を明らかにしていない人が40人ぐらいいるため、どう上積みしてくるかが鍵ですが、一番票を得た人でも80票はいかないぐらいの“どんぐりの背比べ”のようになるでしょう。党員投票が決定的な影響を持つことになると思います。

ホラン千秋キャスター:
まだ態度を示していない方々は、何をもって投票する人を決めるのでしょうか。

星浩さん:
これからの論戦、政策的な中身についても「この人が本当に総理・総裁で大丈夫か」と吟味をするものと思われます。おそらくベテランの人で態度を表明している人が多いので、その人たちがどう判断するかです。

「カギ」を握るのは…麻生副総裁と岸田総理?

山内キャスター:
決選投票になった場合、少しシステムが変わります。決選投票は、上位2人で再び争われることになります。

国会議員票は1人1票で367票。そして党員票が都道府県票に数え直され一県1票なので47票に。

つまり比重としては国会議員票の方が多いということになります。ここで勝った人が総裁になります。

総裁選のカギを握るのは何か。星さんによると、「麻生副総裁と岸田総理がどの候補を決選投票で選ぶのかで勝敗に大きく影響する」ということです。

現在の世論調査などを見て、仮に決選投票が石破氏対小泉氏になった場合、石破氏対高市氏になった場合、それぞれどう動くのかが注目です。

星浩さんによると「麻生派と旧岸田派は決選投票になると“派閥単位”で動くことで一致し、2人の動向が勝敗を決めることになる可能性が高い」ということです。

井上キャスター:
「脱派閥」と言われますが、民間企業でも派閥のようなものというものがあり、出世に向けて駆け引きしている。それが政治の世界でなくなるはずがない、と個人的に思っています。その中でも派閥に抗う方は誰なのだろうか、推薦人に裏金議員がいて大丈夫なのだろうかと感じるところは多々あると思います。

プロ経営者 ハロルド・ジョージ・メイさん:
今回の討論会を聞いていても、かなり皆さんの考え方が違います。正反対のことを仰っている方もいるので、誰が総裁になったとしても党がまとまるのか疑問に思います。

星浩さん:
これまで自民党は野党に対して「バラバラだ」と言っていましたが、実は自民党の中も政策や理念で相当開きがあることがよくわかりました。

ホランキャスター:
純粋に政策を聞いて総裁を選ぶ方、解散総選挙があるから政策よりも国民向けが良いかで見る方もいると思います。純粋な政策論争は本当に成立しているのかという疑問も感じます。

星浩さん:
多くの議員の心理は、「誰が総裁になったら自分の得票が1票でも増えるか」ということだけです。「この人なら受けが良い」とか、「この人なら何となくばら撒きをやってくるのではないか」といった話なので、まともな政策論争になっているとは到底思えません。

岸田総理が派閥の解散を言っていたのに、派閥の論理で動いている。非常に皮肉な結果になっています。

立憲・代表選まで残り1週間 エネルギー・農政めぐり論戦 札幌で討論会

山内キャスター:
そしてこの自民党総裁選より先に行われるのが、立憲民主党の代表選です。この結果が自民党の総裁選に影響を与えるのでしょうか?

16日、候補者4人は札幌市で討論会を行い、農業などをテーマに議論を交わしました。枝野前代表と泉代表は農業政策を“安全保障問題”としてとらえるべきだと主張しました。

枝野幸男 前代表
「農政などの一次産業もそうだが、経済政策という側面があるのは否定しない。これらの営みの一つの大事な柱は、安全保障そのものであるということ。(農政は)金勘定だけではできない世界」

泉健太 代表
「有事などで食料の貿易ができなくなれば、日本で生産して海外に売っている分は国内消費に回すことができる。いざというときの食料安全保障にも影響するので、しっかり輸出も伸ばしていきたい」

野田元総理は、農業の担い手を増やすため「国立農業公社」の設立を主張。吉田晴美衆院議員は農業に科学技術を導入すべきだと訴えました。

野田佳彦 元総理
「令和版の『国立農業公社』を作ろうと。担い手を5年間、研修をしながら給料も出る。そして社会保険も面倒を見る。5年間中山間地で働いてもらうという公社をつくる」

吉田晴美 衆院議員
「農業の担い手が足りないのではないかと思う。そのときに必要なのが、効率化を進めていくことで、ここにはAIやDXの力も必要になると思います。こういったスマート農業をするときには、しっかり国が支えていく

代表選まで1週間。候補者たちの必死のアピールが続きます。

立憲代表選の結果が影響も?

山内キャスター:
立憲代表選挙が、自民党の総裁選にも影響を与えるのではないかということです。

星浩さんは「仮に野田元総理が代表になった場合、自民党内で野田元総理の論戦に対抗できる候補者が選ばれるのではないか」と見ています。

この立憲民主党の代表選は23日、それから4日後が自民党総裁選なので、ここでも何らかの票の動きがあるのではないかということです。

井上キャスター:
今回我々が行った情勢調査で「今はこの人に投票する」と答えた人でもギリギリで変えることも多分にあるわけですよね。

星浩さん:
極端な場合、推薦したがその人に投票しないという人も出てくるかもしれません。投票は無記名なので誰が投票したかわかりません。

今回は立憲の代表選挙が先にあるため、野田氏、枝野氏などの経験豊富な人に対抗できる人を選べるかどうか、という配慮は当然出てくるでしょう。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
全体的に見ると、かなり健全な政治かなと思っています。アメリカやヨーロッパではこういったことは当たり前で、直接国民が選ぶ人ではないにしろ、どのような考えを持っているのか、まず党内で議論し合い政策などが出てくると、国民としても納得感も少しはあるので、当たり前の政治をやっているのかなという印象はあります。

井上キャスター:
例えば、立憲民主党の代表選挙で保守を標榜している野田氏が選ばれた場合、どのように党々の整合性をつけてまとめていくのかも問われますね。

星浩さん:
よく立憲民主党で必要なのはリーダーシップではなくフォロワーシップだと言われます。

代表選挙を行うとその後にいろいろしこりが残ったり、党内が分裂したりという繰り返しがありました。今回は決まったら従って党一丸となってやっていけるかどうかという点では、立憲の方も相当これから試練が待ち構えていることはあると思います。

==========
<プロフィール>

星 浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年

ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者
1963年オランダ生まれ
現パナソニック・アース製薬の社外取締役など

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