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“世界最恐”ギャング刑務所めぐり中米・エルサルバドルで抗議デモ 「息子を返してほしい」 強権的な治安対策 国民も分断【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月17日 12時13分

TBS NEWS DIG

中米・エルサルバドルの巨大刑務所「テロリスト監禁センター」。この刑務所が象徴する強権的な治安対策をめぐって、いま政府への抗議デモが広がっています。

“世界最恐”ギャング刑務所 枕や布団ないベッド…過酷な実態

人口約650万人、面積は九州の半分ほどの中米の小国「エルサルバドル」が今、混乱しています。2019年に発足したブケレ政権による、強権的な治安対策への不満が高まっているのです。

かつて、ギャングの縄張り争いが絶えず「世界で最も治安が悪い国」と呼ばれたエルサルバドル。

2015年、殺人事件の件数は直近の日本の約150倍。そこで政府が乗り出したのが“ギャング撲滅作戦”でした。

記者
「軍による治安維持のオペレーションが始まりました。一軒一軒、家を回って不審者がいないか確認するということです」

軍隊や武装した警察官を取り締まりに投入。さらに、ギャングと関係するタトゥーが体に見つかるだけで逮捕が可能となる「超法規的措置」も導入しています。

そして、政府による治安対策の最大の“象徴”が、ギャングの元メンバーが所狭しと収監される巨大刑務所、「テロリスト監禁センター」です。

記者
「(受刑者たちから)声をかけられました。一斉にこちらを見ていて異様な雰囲気です」

その生活は過酷です。

記者
「すごい人口密度。1つの小部屋に大体100人が収容されているということです。受刑者たちが乗っているのがベッドだそうです。枕や布団はありません」

就寝時間も安全確保のため、部屋の電気が消されることはありません。

記者
「受刑者たちが体操をしています。基本的には複数の殺人などを犯した容疑者ばかりだということで、近づくのが躊躇われます」

「社会復帰をさせない」ことが前提で、家族を含め外部との接触は一切認められません。

「息子を返して」強権的な治安対策 国民も分断

こうした厳しい措置が功を奏したのか、エルサルバドルの治安は劇的に改善し、国民の多くは政府を支持しています。

街の人
「国の治安対策をしたブケレ大統領を誇りに思う。彼はエルサルバドル人みんなから愛されている」

「私たちの元に生きて返してほしい」

一方で、国民からは不満も噴出。15日、首都サンサルバドルでは1000人以上が家族などの釈放を求め、声を上げました。

母親
「嘘の理由で息子は職場から連れ去られた。息子を返してほしい。大統領にお願いすることはそれだけです」

人権団体の主張では、拘束された人のうち30%は無実だといいます。

こうした状況の中、政府は「700日間にわたり殺人事件が起きなかった」と実績を強調し、「ギャング撲滅作戦に変更はない」とする方針を掲げています。

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