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「全て失った」アメリカ・ハリケーンで160人以上が死亡 被害対応が大統領選の行方を左右か トランプ・ハリス両陣営が応酬も【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年10月3日 1時26分

TBS NEWS DIG

ハリケーン「へリーン」がアメリカ南東部を縦断。160人以上が死亡し、600人以上の安否が分かっていません。大統領選を控え、被害への対応をめぐって両陣営が応酬を繰り広げる事態にもなっています。

アメリカ・ハリケーン被害拡大 車も家も全て流され…

目の前で全てが飲み込まれていきました。

街に押し寄せた濁流は、あらゆるものを押し流していきます。自動車や家までも。

水没した街で、街灯が照らし出すのは水面だけ。

被害にあった男性
「本当にひどい。こんなことはもう二度とないだろう」

9月26日、フロリダ州に上陸したハリケーン「へリーン」は、5段階中2番目に強い「カテゴリー4」という勢力でした。

動画撮影者
「なんてことだ。友よ、祈ろう。地上に戻らなきゃ。母の家に行くつもりだったけど…首まで浸かっている。これ以上進めない」 

火災も発生する中、ボートでの救助活動が行われます。

水が引いた後に残ったのは、瓦礫の山と化した家々や、破壊された建物。

これまでに6つの州で160人以上が死亡。犠牲者はさらに増える恐れもあります。

ノースカロライナ州・アッシュビルでは、1つの町だけで約600人の安否がわかっていませんが、橋や道路がいたるところで寸断されていて、行方不明者の捜索も難航しています。

路上で途方にくれていた家族は…

自宅が被害にあった男性
「戻る場所なんてない。車も置いてきたし、スーツケース1つしかないよ。4人と犬1匹でどうやって生きていけばいいのか」

停電や断水も広い範囲で続いていて、復旧には数年かかる見込みです。

トランプ・ハリス両陣営が応酬も

そんな中、いち早く現地に足を運んだのは、トランプ前大統領です。

共和党 トランプ前大統領
「イーロン(・マスク氏)と先ほど話した。通信が途絶えているのでスターリンクを配備するつもりだ」

被災地支援をアピールするのには訳が。

ノースカロライナ州やジョージア州は、大統領選の勝敗を左右する激戦州なのです。トランプ氏はバイデン政権の対応の遅さも批判しました。

トランプ前大統領
「知事が(大統領に)電話をかけているが、つながらないらしい」

ハリケーンの被害が次々と伝えられた週末、バイデン大統領とハリス氏はホワイトハウスを離れていたのです。

週明け、記者から理由をただされたバイデン大統領は…

バイデン大統領
「指揮していましたよ。昨日もおとといも、少なくとも2時間は電話で話してました」

ハリス氏は選挙活動の予定を変更して、緊急事態に対応する機関を訪問。ハリケーン被害の対応にあたる様子を繰り返し発信しています。

民主党 ハリス副大統領
「できるだけ早く、救助活動を妨げないように現地入りするつもりだ」

激戦州が被災でハリケーン対応が大統領選を左右か

23ジャーナリスト 宮本晴代 記者:
今回のアメリカのハリケーンの話ですが、世界中が注目しています。まさに災害対応が大統領選の行方を左右しかねないからです。

最新の世論調査による支持率を確認すると、トランプ前大統領が今47.3%。これに対してハリス副大統領が49.3%と、本当に拮抗しています。

今回のハリケーンで大きな被害に遭ったところはアメリカの南部中心ですが、その中でも被害が大きかったジョージア州とノースカロライナ州は、大統領選の行方を最終的に左右する「激戦州」と言われるところです。勝敗の行方を握るので、トランプ氏もハリス氏もここの訪問をしたいと力を入れて、絶対に落とせないというところです。

藤森祥平キャスター:
アメリカでは、過去にも大統領選とハリケーン被害が重なることがありました。

2005年のカトリーナの時、当時ブッシュ大統領は上空から現場を視察しただけで評判を下げてしまうという結果になりました。

2012年のサンディ(ニューヨークを含めて東部を襲ったハリケーン)の時には、大統領選直前の当時オバマ大統領が積極的に災害対応にあたったことで評価され、再選の後押しにも繋がったということです。

リーダーが災害対応するのは当たり前ですが、選挙に大きく影響すると。

宮本晴代 記者:
まさにこういった災害のような危機のときこそ、リーダーシップが問われてくるわけです。

トランプ氏が大統領だった2017年、ハリケーンで被害を受けたアメリカの自治領プエルトリコを訪れたとき、支援物資のペーパータオルを被災者に向けて放り投げて非常に話題になりました。当たり前ですが、かなり人の心が分からないなどと批判を受けたということです。

今回、トランプ氏は逆にいち早く被災地に入りました。バイデン氏、ハリス氏もこの後訪問する予定だということです。

政治家としては、災害対応を1つでも間違えてしまうと命取りになりかねません。選挙は11月5日なので、1か月に迫っています。接戦州なだけに、トランプ氏もハリス氏も「寄り添っているんだよ」という姿勢をアピールしたいということですね。

小川彩佳キャスター:
災害対応がアピール合戦になってしまっていますね。

プチ鹿島さん:
2012年のオバマさんの対応は僕も覚えています。
やはり現職の対応がクローズアップされるのは当たり前だと思いますが、あれから年数が経って、その対立陣営が今どうなんだと政局に持ち込んでいるようにも感じてしまいます。また、激戦州だから注目されるというのもなんかざわざわします。

トラウデン直美さん:
もちろん、危機のときにリーダーシップを取れるという意味では非常に大事な部分だとは思いますが、選挙に利用されているようにも感じてしまいます。

激戦州以外にも、被害を受けているところが多くあるということも覚えておかなければいけません。ただ、「選挙中」「激戦州」というところでより注目され、支援が厚くなるという矛盾も少しもやっとするところではあります。

宮本晴代 記者:
本当におっしゃる通り、当たり前ですがジョージア州やノースカロライナ州以外も被害を受けています。日本もそうですが、選挙が近いからという理由で被災地支援アピールをすることは、有権者に見透かされてしまいますよね。

小川キャスター:
日本と重なるところがありますね。

オクトーバーサプライズがあるのかどうかというところも注目ではありますが、それ以前にハリケーンの被害がこれ以上進行しないことを祈るばかりです。

==========
<プロフィール>

宮本晴代 記者
元NY支局記者
2016年、2020年の米大統領選を取材

プチ鹿島さん
時事芸人
新聞14紙を毎日読み比べニュースを読み解く
時事ネタを得意とする芸風

トラウデン直美さん
慶応大学法学部卒
環境問題やSDGsについて積極的に発信

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