1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「涙しか出ない」被災者が一票に込めた思いとは?能登の衆議院選投票日 地震・豪雨の影響大きく輪島市の投票率は前回から11.95ポイント減【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年10月29日 14時8分

TBS NEWS DIG

“選挙どころではない”。被災地・能登でたびたび聞かれた言葉です。地震と豪雨災害に見舞われた被災者は、どんな思いで一票を投じたのでしょうか。現地で聞いてきました。

地震と豪雨 能登の衆院選投票日 一票に投じた思いは?

9月の豪雨で甚大な被害を受けた能登半島。住宅被害は1567棟にのぼり、15人が亡くなりました。

地震と豪雨の二重災害の中で迎えた、今回の衆院選の投票日。

藤森祥平キャスター
「どんな思いをこめて一票を投じるのか?」

輪島市の有権者
「能登は家、大変のことになって、涙しか出ません。(投票に)行ってくるわ、すみません」

輪島市の有権者
「正直(投票の)棄権も考えたんですけど、それはあれだと思って投票には来たんですけども。この現状見ると、いくらなんでも今の政治はどっちを向いているんだろうかという気がします」

この選挙区は“自民王国”とも呼ばれていましたが、立憲民主党の近藤和也氏が15年ぶりに選挙区での当選を果たしました。

立憲民主党 近藤和也氏
「今回選挙をしてしまったという事に対しては、石破内閣に強く抗議を申し上げたいと思います」

豪雨被害に遭ったスーパーを『復興の拠点』に 「安心して暮らしたい」

藤森キャスター
「このあたりの地区で唯一のスーパー『もとや』さんです。泥だらけになった店の中の棚をまずは外に出して、これから作業という段階ですね」

9月、『もとやスーパー』を襲った豪雨。濁流は店の中にも押し寄せました。

もとやスーパー 本谷一知 社長
「流された大木や、什器で、ここから先(店の奥に)に行けなかった」

藤森キャスター
「木が入ってきた?」

もとやスーパー 本谷 社長
「正面を突き破って木が入ってきて、そこから水がズワーッといって、ここら辺(店の真ん中)から黒い壁がぎっしり」

店内は2mほどの高さまで浸水し、見慣れた風景は一変しました。

もとやスーパー 本谷 社長
「床は泥水で思うように歩けません。本当に津波の状況と一緒です」

絶望的な状況から、少しずつ店の片付けを続けて来ました。

藤森キャスター
「営業スタートの目処は?」

もとやスーパー 本谷 社長
「一応、復活オープンが12月2日くらい。品揃えは完璧じゃないけど、『早く再開して』っていうこと(声)が多いですね」

本谷さんは、この店を「復興の拠点」にしたいといいます。

もとやスーパー 本谷 社長
「ボランティアが、ここ(町野町)に入ってきて泊まるところがない。3分の1がスーパーマーケットで、あとは全部(ボランティアの)宿泊にする。理想・希望を持ってやるということが活気になる。暗い顔は一切しないです」

どういった思いで一票を投じたのか。

もとやスーパー 本谷 社長
「自然の災害を受けたところをとりあえず直してほしい。安心して暮らしたい、この場所で」

輪島市の投票率11.95ポイント減 地震・豪雨の影響が大きく

藤森キャスター:
本谷社長の地域は断水・停電が続いており、自家発電でなんとか希望を繋いでいるということです。

1月から毎回お話を伺っている、輪島市の和食店「のと吉」の店主・坂口竜吉さんも自宅とお店が全壊してしまっているのですが、「何も見えない状況が続いているから、不安と焦りでごちゃごちゃなんです」と。

NPO団体の助けを借りて毎日炊き出しを行っている。でも、「もう皆さんも疲れ切ってます」というお話で、未だに何とか希望を繋いでいる状況なんです。

今回被災した地域では投票所が減ったり、投票時間も短縮したりして行われた選挙でした。

前回・2021年の衆議院選挙の投票率は、全国平均が約55%と言われる中で輪島市の投票率は70.87%と非常に高かった。しかし、今回の衆議院選挙では58.92%と11.95ポイント以上も減りました。

小川彩佳キャスター:
今政局に突入していますけれども、今待ったなしで支えが必要という方がいらっしゃるわけですよね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
元々は非常に投票率の高い地域ですから、今回はおそらく投票に行きたくても行けない人が相当多かったのだろうと思います。そうすると、やはり声を届けなくてはいけない人たちの声が届かないという状態ですから、非常に問題だと思います。

とにかくこの人たちの声をきちんと聞いて、補正予算を上げるときはもう速やかに政治を再開して、最優先でやってもらいたいと思います。

藤森キャスター:
坂口さんは豪雨災害に自分は遭っていない。豪雨災害に遭っている人はもっと絶望的。だからこそ「自分は弱音を吐けないんだ」と、またそこで我慢が生まれているんです。

だから政治の形がどのように変わったとしても、とにかく早く最優先で被災地の声を聞いてほしいと思います。

========
<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください