「人を刺したら面白いかもという妄想があった」“殺人願望”の男に懲役30年の判決 石川県白山市・ホテルの女性殺害事件【news23】

TBS NEWS DIG

「人を刺したら面白いかもという妄想があった」。去年9月、石川県白山市内のホテルで、20代の女性を刃物で刺して殺害したとして殺人などの罪に問われた男の裁判員裁判で、金沢地裁は求刑通り、懲役30年の判決を言い渡しました。

石川・白山市女性殺害事件　男に懲役30年の判決

裁判長
「主文、被告を懲役30年に処する」

中村信之被告（55）は、まっすぐ前を見て裁判長の言葉に何度もうなずくきました。

去年9月、白山市内のホテルの一室で20代の女性を殺害し、現金約1万9000円を奪ったとして、殺人や窃盗などの罪に問われているものです。

これまでの裁判で中村被告は「全て間違いありません」と起訴内容を認め、量刑が争点となっていました。犯行の動機について中村被告は。

中村信之被告
「“人を刺したら面白いんじゃないか”という妄想はありました」

検察
「初めて思ったのはいつですか？」

中村信之被告
「二十歳前後だと思います」

30年以上“人を殺したい”願望　「後悔というのはない」

30年以上抱いていたという“人を殺したい”という願望。

これまでの裁判によると、中村被告はホテルに女性を呼び出し、自作の刃物で胸などを何度も突き刺し、逃げようとする女性を出入口まで追いかけ殺害。その後、写真に残すため女性の姿を撮影しました。

当時の心情について中村信之被告は「殺したことによってすっきりさっぱりした。罪悪感と“はかり”にのせたらすっきりの方が大きいから、後悔というのはない」と述べ、裁判で中村被告から反省や謝罪の言葉が述べられることはありませんでした。

20日の判決で金沢地裁は「強固な殺意に基づく残虐な犯行で、被害者は強い肉体的・精神的苦痛の中、尊い命を奪われ結果は重大。また、犯行の経緯と動機はあまりに身勝手かつ理不尽なもので、正当化の余地は無い」として懲役30年を言い渡しました。

弁護側は控訴の意向について「本人と話し合って決める」としています。