SNSで危険な写り込みは?「モザイクアプローチ」で住所特定 自宅の写真でも危険な“7つのポイント”【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月17日 22時0分
年末年始は帰省や旅行で自宅を空ける機会が増えてきますので、改めてSNSの投稿には気を付ける必要がありそうです。
“タピオカ写り込み”や“ピンボケ写真”で場所特定も
良原安美キャスター:
SNSの投稿で自宅が特定されてしまう危険性があります。
SNSなどに投稿された文章や画像から細かな情報を収集して、個人の住所などを特定する手法を「モザイクアプローチ」と呼びます。
国際大学GLOCOMの小木曽健客員研究員は「過去には実際に悪用された窃盗事件も起こっている」といいます。
例えば、自撮りとともに「天気が良いから家の近くをお散歩」という投稿です。一見、何も写り込んでいないように見えますが、マンホールが写り込んでいて、よく見てみると、「DOGENSAKA」と書かれています。
デザインや識別番号などが住所特定の要因になるそうです。「家の近くをお散歩」ということで、この辺りに住んでいるんだと特定されてしまう可能性があります。
さらに、タピオカドリンクで、場所が特定される可能性もあります。
表面に写り込んだ景色から撮影場所が絞り込めてしまいます。明るさなどを調整すると、複数のやしの木が見えてきました。
パッケージの情報などと組み合わせ、千葉県のある商業施設で撮影されたものと特定できたのです。
さらにピンボケの写真でも画像解析すると、ナンバーが読めてしまいます。ほぼ真横から写ったナンバープレートも補正すると、くっきりと数字が現れました。
「黒いものは、よく情報を写し込む」サングラスや黒いカラコンも注意
国際大学 GLOCOM 客員研究員 小木曽健さん:
まず黒いものは、よく情報を写し込みます。なので黒い車は、車を写したつもりが背景や自分を写していることもあります。
他にも、サングラスや黒いカラコンでも、結構な情報量が入っています。
ホラン千秋キャスター:
小さなヒントから悪用しようとする人がいるとすれば、それを糸口に自分に繋がってしまうかもしれないということですよね。
国際大学 GLOCOM 客員研究員 小木曽健さん:
普通に暮らしていれば、そんなリスクはないんですが、もしストーカーの被害にあっていたり、窃盗団が狙っていたりしたら、その情報は見逃さないはずですよね。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
うちの子どもはSNSをやっていませんが、僕はSNSをやっていて、できるだけ写り込む情報は少なくするようにしています。
載せたいと思った瞬間があったとしても、「大丈夫かな」と一旦落ち着くようにしていますね。
ホランキャスター:
よくアプリでぼかす加工があると思いますが、解析されるおそれがあるのでしょうか。
国際大学 GLOCOM 客員研究員 小木曽健さん:
ぼかした状態で保存されているので、元に戻すのはなかなかできないと思います。
ただ、AIの技術も進んでいるので、「これはどんな文字だったと思う?」みたいなことも今後できるようになるでしょう。過信しすぎないのと、ナンバーがばれても、実はそこまでのリスクはないなど、知識も必要かと思います。
自宅の写真 危険な7つのポイント
良原キャスター:
自宅で撮った写真をSNSに投稿する機会もあるかと思いますが、これも注意が必要です。
例えば▼ごみ出しのカレンダー、▼窓枠、▼処方薬の袋、▼レシートなどから住んでいるエリアが特定されてしまう可能性があります。
さらに▼レジ袋は、店名やロゴから居住地域が推測される可能性があります。
また、エアコンなどの▼備え付け家具は、不動産サイトの内覧写真と照合されて、マンション特定に繋がることもあります。
他にも▼宅配便の伝票は、住所が写っていなくても、バーコードで住所などを特定される可能性があるということです。
井上キャスター:
備え付けのエアコンは、型番がなくても照合できるものなんでしょうか。
国際大学 GLOCOM 客員研究員 小木曽健さん:
この部屋が空室だった時代の募集のサイト情報は残っていることがあったりします。「この位置にエアコンがあって、窓があって、同じ部屋だな」ということは可能かと思います。
文章だけでも自宅特定? 旅行を知らせる投稿はNG
良原キャスター:
さらに写真だけではなく、文章だけの投稿も危険が潜んでいます。
例えば、「突然の大雨で洗濯物がびしょびしょ」という投稿。その時間帯に突然大雨が降った場所を調べると、場所がわかることもあります。「洗濯物が」ということなので、自宅の可能性があると、住んでいるエリアが何となく割り出せてしまうかもしれません。
こういったことを調べる人のことを「特定屋」と呼ぶそうで、依頼に応じて、住所や電話番号など個人情報を特定します。報酬などはSNSのDMでやりとりをしているものと思われます。
Xなどで「特定屋」と調べるとたくさんアカウントが出てきました。
そして、年末年始で帰省や旅行の予定がある人もいると思いますが、旅行を知らせる投稿はNGです。
「今からハワイに行ってきます!」と、わくわくした写真を載せると、「自分は家にいませんよ」と知らせているようなものだそうです。
国際大学GLOCOMの小木曽健客員研究員によると、投稿する際は、「ハワイに行ってきました!」など、タイミングをずらすことで安全に繋がるということです。
井上キャスター:
特定屋は、探偵などに近いのかなと思いますけど、ここ何年くらいで出てきているのでしょうか。
国際大学 GLOCOM 客員研究員 小木曽健さん:
探偵みたいな人たちは昔からいますが、「特定屋」と名乗っているのは、ほとんど主婦や学生など小遣い稼ぎのレベルの人です。
専門じゃなくても、勘所が良くて「私、こういうの得意だからやってみよう」みたいな人が多いです。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
例えば、そういう人たちは自分が住んでいて、情報を獲得しやすいエリアなどで、小遣い稼ぎ目当てに行っているパターンもあるのでしょうか。
国際大学 GLOCOM 客員研究員 小木曽健さん:
いまはどこでも日本中の情報を得られるので、場所はあまり関係ありません。
==========
<プロフィール>
小木曽健さん
国際大学 GLOCOM 客員研究員
「ネットで絶対に失敗しない方法」や
情報リテラシーに関する発信を幅広く行う
松田丈志さん
元競泳日本代表
五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父
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