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オリラジ中田敦彦が語る「話を聞いてほしい」欲求の根源 YouTube前は「テレビもラジオもXもインスタも…全部うまくいかなかった」【報道の日2024】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月21日 17時20分

TBS NEWS DIG

「何時間でも自分の話ができる。YouTubeはうってつけ」と話すお笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦さん。「中田敦彦のYouTube大学」が注目を集める中田さんが、12月29日、「報道の日2024」でMCを務めます。その前に、TBSラジオ「井上貴博 土曜日の『あ』」に出演し、アナウンサーの井上貴博さんとコラムニストの犬山紙子さんと、中田さん自身の欲求の根源と今後の生き方などについて話しました。

YouTubeで立ち位置を見つけたいっていう気持ち それが腹落ちした

井上貴博さん(以下、井上):
9月に中田さんが日本に来たときに食事しました。以前とちょっと変わったなって。中田さんってとがって、周りと戦って、切り開いてきた「赤い炎」というイメージだったんですが、9月に会った時は「青い炎」じゃないけど、角が取れた感じがしたんです。あれはなんだったんでしょう。

中田敦彦さん(以下、中田):
お互いにシンプルに年をとったんではないですかね笑

(井上さんと)ほぼ同じ年で、若き日のもっと頑張りたいというフラストレーションを共有してるから余計に。お互いにそれぞれの道でやってる感じが、風通しとして良い感じです。

井上:
中田さんは今まで、人が踏み切れなかったようなところで、ある意味実験をし続けてる人なのかなってずっと思っていました。でもその感じが、今はどう進んでいますか。

中田:
実験をしている途中なのかなとは思うんですけれど。特に、YouTubeやテレビ、ラジオも含めて自分の仕事でどうあるべきなのかというのが、思い込みすぎず、風に任せようっていう気になっています。

井上:
今まではどう思っていたんですか。

中田:
自分はテレビやラジオに選ばれなかった、活躍しきれなかったっていうコンプレックスがあったので、YouTubeで自分の立ち位置を見つけたいっていう気持ちがあったと思うんです。でも、その執着って、人からするとちょっと面倒な執着なんです。それが自分の中で腹落ちしたのかなと思います。

井上:
腹落ちしたきっかけは何かあるんですか。

中田:
1回、YouTubeを止めようともしたんです。ほんと今年の(今から)数か月前ですかね。今年の頭に第3子が生まれて、育休に入って1回離れて、もう1回戻ってみて。それで今年、選挙が盛り上がってたので対談させてもらって、楽しかったものの、このまま続けていいのかなみたいな。YouTubeって、止めてもいいし、いっぱいあげてもいいしっていう中で、どれぐらいモチベーション保ってやっていくんだろうという中で、ふと立ち止まって、それで距離を取ったのが、違う自分になったきっかけかもしれないですね。

実は全く合理的でなく感情的な中田敦彦 だからびっくりさせてしまう

犬山紙子さん(以下、犬山):
YouTubeで番組を作るっていうのはハードルが違いますよね。私はもう、Xに上げるのは日本酒が美味しいとかそういうことだけで、作品を書いてアップするっていうのはあまりやっていません。

中田:
逆に私は、Xとかにものすごい苦手意識があります。文字を投稿するのがとにかく苦手なんです。写真も苦手で、インスタグラムも全くうまくいかなくて。初めてこれならできるかもと思ったのがYouTubeだったんですよ。

井上:
Xとインスタグラムもやった?

中田:
やったんですよ。一生懸命頑張ったんです。何とか頑張りたくて、(Xの前身の)Twitterの頃から早めにやっていて。でも苦手でうまくいかないな、短文の投稿っていう才能がないんだ、文章では勝てないって思って。写真は、インスタグラムで1ミリも才能の欠片もなくて。

テレビも、私がやっていた頃はひな壇が多くて、集団プレーというか全体のパス回しが上手いとか、先輩にいじられて返しがうまいとか、そういうのが下手だったので、全然うまくいかなくて。

ラジオも、リスナーとの距離感や心をつかむ属性のパーソナリティではなかったんですよ。全メディアでうまくいかない中で、色々やったっていう感覚ですね。

井上:
中田さんはYouTubeでも最近、自分の葛藤を率直に吐露してる部分が増えてきていますね。あれに救われてる方が多くいらっしゃるんじゃないかなと思っていて。

確かに人の物差しで見ると、あっちゃんすごいね、テレビから戦力外通告を受けたってご本人は言うけれど周りが見てると、その枠を飛び越えて、YouTubeであれだけ突き抜けて、すごいよねっていう物差しと本人の物差しが違っていて、自分を苦しめませんでしたか?

中田:
やっぱり不安だったり惨めだったりっていうのって人からすると見えないですよね。特に私なんか、全部計算づくでやってる雰囲気じゃないですか。なんかいけ好かないんですよ。

井上:
感情が表情に出ないですよね。

中田:
実はギャップがあって、私って全く合理的じゃないんですよ。めちゃくちゃ感情的な人間。元々も今も。だから感情的で、非合理的な選択をいっぱいしてるんですよ。なんか計算づくでやってそうな雰囲気なのに、変なことをやるからみんなをびっくりさせちゃうんです。

犬山:
でも開拓者ってそうですよね。合理的に行くと、リスクを考えた時に開拓の方向に行かないですもんね。

喋りたがりだけれど…人の話を聞いてみたい 人間に一番興味がある

中田:
基本的に気が使えず、嘘をつけないので、思ってること全部言っちゃうんすよ。でもその全部言っちゃうっていうのが悪いことだって思ってるんですけれど、相方とか妻とかは逆にそれがあるから、信用できるって言ってくれるんですよ。結局、怒って全部ぶちまけてるけど、腹に抱えてるものはないので。

犬山:
本当だ、プチ爆発で。

井上:
パブリックイメージと全然違う中田敦彦がそこにあるんですね。

中田:
何時間でも自分の話ができる。YouTubeはうってつけ。やっぱりテレビの世界だと、話を聞く人のニーズが高いじゃないすか。黒柳徹子さんもゲストの話を聞きまくる。やっぱり聞き上手で、私は聞き上手じゃないから絶対にテレビで出世できないと思ったんですよ。自分が喋りたがりなので。

明石家さんまさんだって聞いているじゃないすか。さんまさんばっかり話してないじゃないですか。けれど、YouTubeはもう、2時間喋ったら2時間ノーカットで流せるんですよ。

私はとにかく編集でカットされるのがつらくて。でもカットする気持ちもわかるし、尺もあるし。とにかくあのカンペを読むことと、カットされることが嫌だった、という人間ですね。

井上:
今後ってどう考えているんですか。40歳を超えてきて。

中田:
でも、話を聞きたいですよ。(聞くのが)下手だって思うし、才能ないなって思いながらも、それ以上にすごい人に会いたい。結局、人間って一番人間に興味があるから、どんな人がいるんだろうっていう。

井上:
中田さんはエゴサーチとかするタイプなんですか?

中田:
たまにします。他には、自分のコミュニティで、Xのようなアプリを自分で作って、自分が管理してるんです。私はイーロン・マスクとは全く違う考え方で、(SNSは)綺麗な方がいいと思ってるので、ネガティブな書き込みは、あらかじめ「非表示にしますよ」って言ってます。

私が全部見て、私が非表示にしています。愚痴と誹謗中傷が増えると荒れるので、それだけはカット。だからすごい平和なんですよ。

井上:
ポジティブなつぶやきだけですと、あんまり盛り上がらなくなるのではないでしょうか。

中田:
ポジティブな盛り上がりをした方がいいでしょう。ネガティブな盛り上がりをするぐらいだったら、盛り上がらない方がマシだって思っているので。

YouTubeの「自由の孤独」のフィールドがあれば、不自由を楽しめるようになる

井上:
中田さんはこの先、YouTubeを軸にやっていくか、それともオールドメディアのテレビなどにももう1回出るのでしょうか。

中田:
テレビやラジオの良さは、こうやって人に会えるし、スタッフと一緒に作れる。誰かと何か作りたいって気持ちを満たしたいから、それもやっていきたいんですよね。

YouTubeの「自由の孤独」に耐えきれませんでしたが、「自由の孤独」のフィールドがあれば、不自由を楽しめるようになる。何か駄目出しされても、カットされても、指示を受けても、今なら楽しめるんですよ。もうカンペを読みたいし、VTRも見たい。

YouTuberやテレビの世界でもう潮時だなと思ったら、私はもうしっかりとお茶をたてに行きますし、その後はもうお坊さんになろうと思ってるんで。私はね、話さえ聞いてくれれば、相手が誰でもいいので。

井上:
言い方が良くないなあ笑

中田:
私はなぜか人に話を聞いてもらうのがとっても嬉しいんです。

     ◇

「報道の日2024」でMCを務める中田さん。久しぶりのテレビ出演についてはこう話しました。

「アーカイブがこれだけ残ってるという、テレビにしかできないニュースとして伝えてきたものの厚み、これは単純に知的好奇心を満たします。それをエッジの効いた制作陣が攻めて、新しい解釈をしながら、皆さんに見せる…こんな攻めた番組、私はないと思います」

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