「安倍氏に相談」自民“裏金議員”が国会で新証言 真相解明は…【サンデーモーニング】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月22日 14時38分
会期末が迫る師走の国会。“駆け込み”で始まったのは、いわゆる“裏金議員”たちの「政治倫理審査会」です。
「気持ち悪かった」 裏金議員らが国会で証言
不記載1817万円 平沢勝栄 元復興大臣
「じつに喜んで私はこの会に出席しました」
不記載2403万円 山谷えり子 元拉致問題担当大臣
「この機会に私が承知していることを話したい」
先の国会では、出席を拒んでいた自民党・安倍派や二階派の議員らが衆院選での自民党大敗を受け、続々と出席。
裏金問題の発覚前から、派閥の対応に不信感を抱いていたという議員も…
不記載896万円 柴山昌彦 元文科大臣
「一般の民間企業からはなかなか理解されない(会計)処理かなと。率直に言って、気分悪かったです。気持ち悪かったです」
安倍派では、議員ごとにパーティー券の販売ノルマを課し、ノルマを超えた分をキックバック。
そのカネを収支報告書に記載しないことで、 “裏金”となっていました。
柴山氏は当初、キックバックを収支報告書に記載していましたが、安倍派からの指示でやめたといいます。
安倍派の事務局に何度問い合わせても、「合法」だと押し切られた
柴山昌彦 元文科大臣
「(安倍派では)収支報告書に計上しないので同様の対応をとって欲しい。計上しない形に従って欲しい(と要請された)」
安倍派の事務局に何度問い合わせても、「合法」だと押し切られたといいます。
違法性を疑い、派閥の会長だった安倍氏に直接相談したという議員もいました。
不記載836万円 関芳弘 議員
「安倍会長に対して、法的に問題がないのか、その運用は改めるべきではないかと相談したこともありました。そして、安倍会長からも『賛同します』と」
こうした経緯から安倍派では、いったんは裏金作りにつながるキックバックをやめる方針が決まったとみられ、稲田元防衛大臣も、こう証言しました。
不記載196万円 稲田朋美 元防衛大臣
「不記載が違法であると、だから安倍さんが止めようとしたんだなと」
廃止の方針が決まったにも関わらず、安倍氏の死後には再び始まっていた裏金作り。なぜ、再開されたのでしょうか。
萩生田氏「意思決定に関与する立場になかった」
安倍派の幹部「5人衆」の1人、萩生田元政調会長も政倫審に初めて出席しましたが…
国民民主党 石井智恵 議員
「安倍元総理はキックバックについて『もう止めよう』と言ったのでは?」
不記載2728万円 萩生田光一 元政調会長
「私は安倍会長とこの件について話したことは一度もなかった」
日本維新の会 守島正 議員
「当時の幹部として自発的に真実解明するのが筋では?」
萩生田光一 元政調会長
「今のところ新しいことはわからない。わからないことは正直わからない。過去に遡って、わかる人たちがもう少し説明する必要があるのでは」
萩生田氏は「意思決定に関与する立場になかった」と説明。裏金作りが続いた責任の所在は、依然、闇の中です。
いつ、誰の指示で、何のために始まったのかすら明らかにされない裏金問題。
一方、国会では、その裏金問題で大きな変化も…
野党案“丸のみ” 少数与党で国会に変化?
17日(火)、“政治とカネ”の改革をめぐる法案が衆議院を通過。
カネの使い道を明らかにしなくてもよい「政策活動費」の廃止をめぐっては、野党側の案に自民党が賛成せざるを得ない事態となったのです。
当初、自民党は「政策活動費」の廃止に代わり「公開方法工夫支出」を提案。
新たな“抜け穴”ではないかと批判されていました。
立憲民主党 後藤祐一 議員
「(非公開枠に)何でも入ってしまうじゃないか。ブラックボックスめっちゃ大きいじゃないか」
自民党政治改革本部 小泉進次郎 事務局長
「何でもかんでも『公開方法工夫支出』に入るというのは、それは違う」
自民党は、国益やプライバシーに配慮が必要な支出は公開しなくてもよい、と主張。
では、現在の支出の中で該当するものを具体的に問われると...
小泉進次郎 事務局長
「2023年の自民党の支出に『公開方法工夫支出』に当たるものがあるか。正直、我々、提案者では具体的な運用についてはわからない」
後藤祐一 議員
「(法案の)提出者が『公開方法工夫支出』、具体的にどう使っているか分からない。どこに立法事実(法律を作る根拠)があるのかを聞いたのに答えられないのはいかがなものか」
結局、自民党に数の力で押し切る議席はなく、断念に追い込まれたのです。
石破茂 総理大臣
「私ども少数与党なので、自分たちが言ってきたことが、そのまま通る状況にないことも承知している」
少数与党の国会では、今後もさまざまな課題の行方が予断を許しません。
「政治改革関連法案」が成立へ 政倫審での安倍派の発言は?
立憲民主など野党7党が共同提案した政策活動費を完全に廃止する法案は、自民・公明も賛成にまわり、衆院を通過しました。
自民党が新たに作ろうとした「公開方法工夫支出」は、抜け穴との批判を受けて断念せざるを得なかった形です。
一方で、野党からは企業団体献金を禁止する法案や、世襲議員が政治資金をそのまま継承することを禁止する法案を提出されていましたが、先送りとなっています。
こうした中、政治改革の発端となった自民党の裏金事件をめぐっては、安倍派の議員らが政治倫理審査会に出席しました。
柴山元文科大臣は「“収支報告書への不記載”を不審に思い、何度も派閥に問い合わせた」。
関芳弘議員は「法的に問題がないか、改めるべきではないか安倍会長に相談をした」と証言。
裏金問題の発覚前から安倍派内でも疑問の声が上がっていたことが明るみに出ました。
幹部らの責任が明らかになっていない中、“安倍派幹部5人衆”の1人、萩生田議員も出席しました。
キックバックのシステムについては、「2003年の初当選のときに安倍派の事務総長から説明された」と明かしましたが、一連の裏金作りをめぐる意思決定については、「幹部になったのが2023年8月なので関わっていない。実態解明のためには、過去に遡ってわかる人たちが説明する必要がある」などと話しています。
この記事に関連するニュース
-
萩生田氏が政倫審で初証言 安倍派の裏金づくりは20年以上前から 議員が呈した疑問に派閥側「法的に問題ない処理」【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月19日 11時31分
-
“旧安倍派5人衆”萩生田氏、政倫審に出席 自民党“裏金事件”めぐり
日テレNEWS NNN / 2024年12月18日 20時23分
-
柴山元文部科学大臣“派閥の事務局からキックバックを収支報告書に記載しないよう指示”明らかに 政治倫理審査会
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月18日 18時26分
-
自民・裏金問題 政倫審で柴山元文部科学大臣「14年ごろに派閥事務局から指示」と証言
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月18日 9時40分
-
今年度補正予算が成立 自民・28年ぶりに修正に応じる 政治改革では野党案を丸呑み “自民一強”時代の終わりを印象づける
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月17日 18時17分
ランキング
-
1千葉県内の民家で強盗致傷事件相次ぐ 刺された住人も、容疑者は逃走
毎日新聞 / 2024年12月22日 17時4分
-
2トランプ氏、来日時の炉端焼き店で「自分とシンゾーなら戦争は起こらなかった」…安倍昭恵さん明かす
読売新聞 / 2024年12月22日 19時3分
-
3マンション建設現場でクレーン車がつり上げたベニヤ板50枚落下、作業中の男性が下敷きになり死亡
読売新聞 / 2024年12月22日 12時9分
-
4北九州の中学生殺傷事件、平原容疑者は駐車場から襲撃機会うかがっていたか…店内が見える位置に駐車
読売新聞 / 2024年12月22日 11時30分
-
5〈北九州・中学生2人死傷〉「被害者と同じくらいの娘がいた」”ボンボン“で”バツイチの平原容疑者(43)の“奇行”は、「今年に入ってから目立つようになった」
集英社オンライン / 2024年12月22日 16時28分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください