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石川祐希「レセプションが大事」“世界最強クラブ”ペルージャでスタメン奪取へ 徹底されたデータで「(意識は)変わる」

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月12日 6時0分

TBS NEWS DIG

バレーボール男子日本代表の石川祐希(29)がイタリアで10季目を迎えている。今季から所属する世界最強クラブ、ペルージャは各国の代表選手が集い、スポンサー数は約300という強豪チーム。日本代表の絶対的エースも、ペルージャでは、試合にスタメン出場する機会が減っている。石川がスタメンを勝ち取るために超えるべき壁とは。普段は地元メディアにも公開されないというチームの練習を独占取材、強さの秘密に迫った。

ペルージャで人気絶大、愛される選手に

約16万人が暮らすイタリア中部の街、ペルージャ。かつてはサッカー元日本代表の中田英寿(1998年~2000年ペルージャ・カルチョ)が在籍し活躍した場所だ。今では、ペルージャで愛される二人目の日本人選手として、石川が街を歩けば視線が集まる。

石井大裕アナウンサー:素敵な街ですね。

石川祐希選手:そうですね、イタリアを感じるんじゃないかなと。

石井:こっちに来てどうですか?慣れました?

石川:だいぶ生活には慣れてますね。

石井:いやすごい写真を撮られてる…やっぱりすごい。

石川:僕のことを知ってるのか、(テレビ)カメラがあるからなのかわかんないけど(笑)

すでにファンからの人気は絶大。敵地の会場にも、「ユーキのファンなんだ」と石川の誕生日を直接祝福したいというファンがかけつけるほどだ。
ペルージャの街並みが一望できる場所へ行くと・・・

石川:いやーめちゃくちゃ綺麗です。びっくりしました。今日はマジでびっくりするくらい綺麗です。

石井:ペルージャ最高ですね。

石川:住めば住むほど良さを感じるのかなと思ってきたりはします。

“世界最強クラブ”の強さの秘密は徹底されたデータ

バレーボール漬けの日々を送る石川。所属するペルージャのチームメイトは世界のトップ選手ばかり。昨シーズンは出場した全ての大会で優勝し、まさに“世界最強クラブ”と言える。その練習は地元メディアにもほとんど公開されないというが、今回は特別に取材を許された。

午前中は様々な種目のウエイトトレーニング。メニューは選手ごとに変わり、内容は丁寧に写真も添えられ記されている。多くのトッププレイヤーを育ててきたチームのS.カロティトレーナー(41)は「祐希は鍛えなければならない、身体が丈夫な選手になる必要がある」と話す。

チームの目標は昨シーズン超えとなるセリアA、コッパイタリア、スーパーコッパ、世界クラブ選手権の4大会に欧州チャンピオンズリーグを加えた五冠。最大で10試合以上多いシーズンを戦い抜くために強い身体が求められるのだ。

午後は実戦形式の練習。バレーボールにおいてデータが不可欠となった今、スパイクを打つコースや攻撃パターンなど試合中も変動するデータを活かすことが世界のトレンドになっている。コートの外にいるスタッフは、試合のデータだけでなく練習のデータも徹底分析しサーブの速度も図っている。そのデータは選手の目の届くところにいつもあるという。

石川:毎日前日の練習を数字で張り出されるんすけど。

細かい数値は明かせないというが、ブロックやサーブなどあらゆるデータがそろう。ここまで徹底しているのは世界最強クラブ、ペルージャならではだ。

石井:数字が視覚化されてぱっと張りされたりすると、意識が変わりますか。

石川:変わりますね。良いときはグッド(マーク)とか良くなかったらこういう(怒った顔の)マークとか(がある)。

石井:顔が何か怒ってる。なんか面白い、通知表みたいな感じ。

石川:練習の成果とかも出るし数字として上がってれば練習がしっかりできてたりっていう意味にもなるので。

しかし今季、ここまで全試合に出場してはいるが、例年とは違いスタメンを勝ち取れていない石川。その大きな要因はチームが重視している一つのデータにあった。

石川:サイドアウト率が出てる数字とかをバーって見せられて、1位が確かポーランドのカミル・セメニウク(28)選手がの70%、ウクライナのプロトニツキ(27)選手が65%、(次が)僕で64%と・・・。

サイドアウト率とは自身のサーブレシーブからチームのポイントに繋がる確率のこと。石川の上にいる二人は同じポジションのスタメン。つまりこの二人を超えない限りスタメンに割って入ることができない。しかしデータの差はライバルの二人とそれほど大きいわけではない。

石川:プレー面で言うと、レセプションは一つ重要なところかなっていうふうには思ってて。セメニウク選手とプロトニツキ選手が非常にレセプションがいいので彼らと並ぶためにはやっぱりレセプションが大事だなっていうふうには思う。ほぼ時間があるときはやってますね。

“レセプション”いわゆるサーブレシーブが上達すれば、チームが重視するサイドアウト率も上がる。実はレシーブの動き方にも大きな変化があった。

石井:昔からのご自身がやってきたこととちょっと違う?

石川:違ったりしますよ。(昔のレセプションは)足を出していけ。(足から反応する動作)今は足を出すと、「足を出すなと言われる。今は腕からスタートしよう」って言われてますね。

以前の石川はまず足が反応していたが、サーブの速度が時速120㎞を超える今、足から動くと世界のトップレベルでは間に合わない。現在は動きの無駄をなくすため上半身だけで対応するレセプションがトレンドだという。

ペルージャを指揮するL.アンジェロ監督(60)は石川がイタリア1年目でモデナに所属していた時の監督でもある。そんなアンジェロ監督は石川の現状について次のように話す。

L.アンジェロ監督:良くなってはいるが、まだ成長が必要だ。バレーボールは年々変化する。どんどんスピードは上がるので時代に合わせて技術を身につけないといけない。

石川:(ペルージャは)強い強いって言われてますけど。自分たちの改善点、自分たちの弱点を克服しようっていうふうに練習しながら戦っているので、なかなか他のチームが勝つことは難しいのかなというふうには思います。もちろん気持ちとしてはスタメンからプレーしたいなっていうのはありますけど、今はそこをモチベーションにというか、後半戦からもっともっと詰められる。そして超えていけるようにしたいなというふうには思ってますね。
 

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