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“LA史上最悪”大規模山火事で約15万人に避難命令 被害拡大の要因は「破壊的な組み合わせ」【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月13日 21時10分

TBS NEWS DIG

“史上最悪”と言われるアメリカ・ロサンゼルスの大規模な山火事。高級住宅街も被害にあっていますが、現場では、火災に乗じた空き巣事件も発生しているということです。

“LA史上最悪”大規模山火事 ハリウッドセレブも被害に…

山内あゆキャスター:
アメリカ・ロサンゼルスの大規模な山火事。今月7日に火災が発生し、被害が今も拡大しています。

▼避難命令:約15万人
▼死者:24人確認
▼焼失面積:160平方キロメートル(神奈川・川崎市、沖縄・宮古島とほぼ同じ)
▼建物被害:住宅など1万2000棟以上
▼被害総額(推定):最大23兆円超の見込み
(米・気象予報会社「アキュウェザー」調べ)

最初に火の手が上がったのは、海に近い高級住宅地の山側にある「パシフィック・パリセーズ」という場所です。

地理的にはドジャー・スタジアム、バスケットボールのレイカーズ本拠地まで約30キロの場所で、その間にはハリウッドがあります。

各所で同時多発的に火事が起こっており、ハリウッドも山側の方でも火災の被害が出ています。

アカデミー賞の授賞式が行われる「ドルビーシアター」や、スターの名前が刻まれている「ウォーク・オブ・フェーム」などの“ハリウッドの観光名所”も避難命令の対象地域になっており、1月17日に予定されていたアカデミー賞候補の発表も延期されます。

ハリウッドスターが多く住んでいる地域でもあり、たくさんの方が被害に遭っています。

パリス・ヒルトンさんは自宅が全焼し「言葉にできない悲しみに襲われている」とSNSに投稿。名優のアンソニー・ホプキンスさんや、メル・ギブソンさんの自宅も全焼したことが伝えられています。

約15万人に避難命令 避難所の様子は?

ロサンゼルスには10か所の避難所が開設されています。「パサデナ展示場」という避難所には1200人が避難しています。

避難所では、水や食事などの物資が配られており、ペットを預かりサービスも始まっているそうです。

井上貴博キャスター:
今回の山火事やハリケーンなど自然災害が多発していて、災害リスクが高い地域から保険会社が撤退する動きもあるようです。今回の被災者で、保険に入ることができていない方も多いのではないでしょうか。

やはり復旧・復興に向けてお金が必要ですが、そういったところもままならず、かなり複合的に大変な状況に見舞われているように見えます。

ホラン千秋キャスター:
ロサンゼルスで山火事は珍しいものではないと思います。ただ、報道される映像を見ていると、「こんなふうに町がなくなってしまうんだ」という驚きがあります。

ここから復旧・復興していくよりも前に、家だけでなく自分たちが慣れ親しんだ町が全部なくなってしまうというところに、まず向き合うことすら難しい状況なのではないかと推察します。

支援の輪が広がる一方…相次ぐ「空き巣」

山内キャスター:
そんな中、支援の輪は徐々に広がってきています。

【ドジャース】
同地域の他のスポーツクラブなどとともに、チャリティーTシャツの販売を決定。収益はロサンゼルス消防局財団やアメリカの赤十字社に寄付

【ドジャース・フリーマン選手夫妻】
約4700万円を寄付。

【NBA選手会】
約1億5800万円の寄付を発表。八村塁選手が所属するレイカーズは試合で支援物資を募るなどイベントの実施を予定。

【ウォルト・ディズニー・カンパニー】
約23億7000万円の寄付を発表。

一方で、高級住宅街が留守になっているということで空き巣被害が多数発生しており、約30人が逮捕されています。

地元当局によると、消防士の格好をし田人物が消火活動のふりをして空き巣を働くケースもあったということです。

なぜ被害拡大? 市長「破壊的な組み合わせ」

山内キャスター:
今回の山火事は「乾燥した気候」と「強風」で被害が拡大したとみられます。

8日、ロサンゼルス市長は「過去8か月続く雨不足と、過去14年間に見たこともないような強風の結果。これは壊滅的な組み合わせだ」と発言しています。

この発言の通り、ロサンゼルスはほとんど雨が降っていません。

【ロサンゼルス降水量】※気象庁HPより
▼7月 平年1.3mm 去年0mm
▼8月 平年0.2mm 去年0mm
▼9月 平年2.9mm 去年0mm
▼10月 平年12.3mm 去年0mm
▼11月 平年20.8mm 去年1mm

平年では10~11月に10~20ミリの雨が降っていましたが、2024年はほとんど降っておらず、“記録的な乾燥状態”となっています。

さらに、内陸部の砂漠地帯から吹きつける強風「サンタアナの風」が火災発生当時は風速35メートルを観測していました。風速35メートルは台風の暴風域に相当するような強風です。

これらが組み合わさったことにより、甚大な被害が出てしまったということです。

井上キャスター:
現地では、くみ上げた海水の散布も始まったようです。塩水を使ってしまうとインフラなどが壊滅的なダメージを受けてしまうためアメリカではあまりしないそうですが、もう打つ手がないというような状況になってきています。

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