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2025年の日経平均株価の行方は?プロ4人が予想 巳年の相場の格言は「辰巳天井」…史上最高値の更新なるか【Bizスクエア】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月16日 6時0分

TBS NEWS DIG

今年の株式市場とドル円相場を占う新年恒例の相場大予想会。2025年の日経平均株価がどうなるのか、相場のプロたちが株価を占う。

2025年日経平均株価は? 2024年は34年ぶり最高値更新

去年2024年の日経平均株価は、記録ずくめの1年となった。2月にはバブル期の3万8915円を超え、34年ぶりに史上最高値を更新し、翌3月には初めて4万円を突破。7月には4万2000円台まで上昇した。

ところが8月には…1987年の「ブラックマンデー」を超える過去最大の下げ幅を記録、翌日には一転、3000円以上値を上げ、過去最大の上げ幅となった。

年明け早々、不安定な値動きをみせる日経平均株価。2025年も史上最高値の更新はあるのか。予想するのは、番組おなじみの相場のプロたち。ニッセイ基礎研究所・井出真吾氏、りそなアセットマネジメント・黒瀬浩一氏、野村証券・小髙貴久氏、SMBC信託銀行・山口真弘氏。4人が2025年の株価の行方を占う。

2025年日経平均株価は? アナリストが大胆予想

今年で10回目を迎えた「相場大予想会」。番組でおなじみのアナリスト4名に予想をしてもらうが、毎年なかなか当たらないぐらいにピンポイントで当てるのは難しい。

2025年の予想をする前に、まず2024年の答え合わせをする。年始の日経平均株価は3万3288円で調子良くスタートした。2月22日には、もう抜けないかと思っていたバブルの最高値を抜いて最高値更新となった。それにとどまらず、3月には4万円台を超え、7月には4万2000円までいったが、この後は調子悪くなり、株価の暴落もあった。年の後半は3万8000円ぐらいでずっと推移。4万円をわずかに乗せる場面が何度かあったが、結局4万円台割れで、2024年を終えた。アナリスト各氏には、4月に一度予想修正してもらった。2024年前半の数字が良かった時、4月時点の予想と実際の終値を見てみる。

――終値3万9894円という結果に対して、「ピタリ賞」がある。3万9500円と予想した井出氏だ。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
ありがとうございます。でも個人的には全然満足していない。私の見通しよりも実際の株価の方が高いというケースが多い。

――慎重派。慎重に見るから結果外しているというケースが数多くあった。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
2024年に関して、数字的には近いが、株価自体は少し出遅れ感があり、実態は山口氏の予想である4万1000円ぐらいではないか。そういう意味では2024年も自分の見通しより、株価の実力はもう少し上だったと思っている。

――井出氏は最高値4万2000円というのも、ほぼぴったり当てた。一方で、高い方で外してしまったのが黒瀬氏。年末4万3000円ぐらいまでいくだろうと見ていた。確かに、春先夏ぐらいの調子でいくと、4万5000円、5万円という気分にもなりたかった。

りそなアセットマネジメント チーフ・マーケットストラテジスト 黒瀬浩一氏:
夏場に日本は少し景気が緩んだ。原因ははっきりしている。自動車の不正、南海トラフ警報が出たことでのイベント中止、かつ米の値段が上がった。ここだけで景気が緩んだが、その後対策を取ったので、2025年以降、今年度は楽観で見ていいと思う。ただ、2024年後半はボックス圏から抜けられなかった。

――井出氏が「実力ベースだったら、正しかったのではないか」というのが山口氏。年末は4万1000円の予想だった。年末もう一押しあれば4万1000円だった。

SMBC信託銀行 投資調査部長 山口真弘氏:
その一押しがなかったという印象。2024年前半、日本株の評価が結構切り上がっていて、「プチ日本株ブーム」みたいなことがあったが、8月の大幅調整でドル円の先高感で、上昇の期待が落ちたことがあり、年末にかけて上値が重たくなったという印象だ。

――野村証券の小髙氏。年末4万2000円の予想だったが、実際は少し低かった。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小髙貴久氏:
2024年も今もそうだが、4万円を超える実力はあると思っている。2024年は後半からアメリカ株について行けなかったという部分がある。

――アメリカ株はどんどん伸びるのに、日本株だけ置いてきぼりで、しかも円安が進んでるのに、株高にならないという現象が出始めた。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小髙貴久氏:
2024年、アメリカ株は大手テクノロジー企業の人工知能や、その半導体といったものが押し上げていた。日本市場でも前半はその効果で最高値などを取れていたと思うが、後半はその選別が始まって、半導体でも人工知能に属するものとそうでないもの、その部分の評価が高過ぎたというものの調整で、なかなか上がりにくい、横ばい圏に入ったというのが日本株市場だったと思う。

――その辺が2025年の株価はどう影響してくるかが焦点か。

2025年日経平均株価は?今年の「相場の格言」は?

2025年1月11日時点という、過去10回やった中で一番遅い「大予想会」の開催。既に1週間相場が開いている中での予想。まず「相場の格言」から見てみる。

井出氏の相場の格言は「辰巳天井」となっている。辰年の2024年は見事に株価が天井を突き抜けた歴史的な年だった。そして巳年の2025年も大きく期待できそうな年となっている。

過去の巳年を見ると、2013年は56.7%も上がった。アベノミクスの初動の年だった。89年の29%は文字通りバブルのピークをつけた年。それぐらいまで夢が実現するかどうかということだが、アナリスト各氏に「天井はどこまでいくのか」予想をグラフも含めて出してもらった。

――全員4万2000円で揃えてきた。この予想結果は初めてだ。黒瀬氏がいつも強気なのに、一番弱気だ。最高値でも4万2000円。つまり今年は抜けないということか。

りそなアセットマネジメント チーフ・マーケットストラテジスト 黒瀬浩一氏:
楽観で見ていいと思うが、慎重な面も持たないといけない。これは今年入って既に1週間がそうだが、ちょっとした材料で、ざっと1000円上がったり、急落したりということを繰り返すと思う。トランプ大統領になるとSNS1本(の発信)でも、急変することがあると思う。そういう投資家のその心理の萎縮を考えると、慎重な面は残した方がいいかというふうに思う。

――そうすると、天井は「辰巳天井」ではなく、辰で天井を付けてしまったということになる。最高値で見ると、一番強くて、高いところまで行くと思ってるのが山口氏。4万5000円ぐらいまでは考えてもいいのではないかということか。

SMBC信託銀行 投資調査部長 山口真弘氏:
実力ベースでいくと、年末4万2000円ぐらいだと思っている。ただ後半にかけてアメリカで減税効果が出てきて、一旦、上振れがあると思っている。ただその過程はかなり上下ボラティリティがあると思う。

――いつ上がって、下がってきたのかわからないぐらい変動率は大きそうだ。

――そして、証券最大手・野村証券の小髙氏の予想は、4万2000円で、最高値も4万4000円。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小髙貴久氏:
穏当な株価上昇という感じだと。2010年以降の平均的な年間の日経平均株価の騰落が、大体プラスの10%ぐらい。2024年年末を大体4万円得と1割で4万4000円。最後は気が早いが、2026年の中間選挙を目指して政治的なアメリカの動きがいろいろ出てくるとなれば、少し最後下げてしまうのではないのかというような予想になっている。

――ピークは秋ぐらいではないかと。つまり、トランプ氏の政策がスタートダッシュで出て、その後はもう選挙を意識したスタック状態にアメリカが入るということか。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小髙貴久氏:
はい。そうです。

――そして、慎重な井出氏。安値は3万5000円ぐらいまで覚悟した方がいいというのと、最高値もほとんど2025年は抜けないかもしれないということか。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
年間の騰落率で言うと、一昨年2023年が28%、去年2024年が20%弱と、かなり勢いよく上がったが、今年2025年はいわゆる、いわば巡航速度に戻るかなと思っている。

というのも、去年、一昨年は日本株の出遅れというか、割安が見直されて、バフェット氏効果などもあって大きく上がったが、その時期は済んだ。今の日本株は決して割安というほどではないと思う。となると、ファンダメンタルズ通り、すなわち日本企業の業績が改善する分しか株価も上がらないだろう。おそらくそれは5%程度ではないかと見ている。だから2024年の年末がざっと4万円とすると、5%上がって4万2000円ぐらい。ただし、その過程では乱高下は激しいことが起こりうると思う。

――バブル崩壊後、ずっと割安に放置されてきた日本株が去年2024年に、とにかく見直されて、最高値を更新した。その後の成長のシナリオは必ずしもうまく描けてないという意味か。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
成長は成長だが、かなり緩やかな成長。例えば、日本企業もガバナンス改革や、東証の要請に応えるなど、いろいろな取り組みをしているが、まだまだスピード感としては相変わらず日本流というところは否めないので、アメリカのような急成長は期待しない方がいいのではないかと思っている。

――日本経済は、賃金と物価の好循環が実現するのではないかという期待があるのに、そんなに予想が控えめだというのが、好循環はうまくいっていないということなのか。

りそなアセットマネジメント チーフ・マーケットストラテジスト 黒瀬浩一氏:
端的にそう言っていいと思う。というのも、去年2024年は6、7月頃の定額減税から年末にも補正予算という政策効果で支えられてる部分が大きい。これを取っ払ったら自立的な成長はまだ難しい。まだ距離があると思う。

――去年は実質賃金がずっとマイナスが続いて、財布の紐が固くなって、景気が悪くなるという、そういう印象もあった。今年2025年は、それが達せられるかどうかは、大きな焦点だ。

2025年 今年のキーワードは!?

さて今年、何に注目すればいいのか。アナリスト各氏に「今年のキーワード」を書いてもらった。

――やはりトランプ氏をイメージした言葉が多いという感じだが、井出さんの「胸先三寸」。これはトランプ氏の「胸先三寸」ということか。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
それもそうだが、習近平氏であったり、プーチン氏であったり、いろんな国の首脳陣の「胸先三寸」でいろんなことが決まり、その結果、政治は左右に揺さぶられ、マーケットは上下に揺さぶられるというイメージ。

――専制国家が割拠している世界になってきたということか。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
その中で日本がどう立ち回るか、特に中国との付き合い方、アメリカとの関係も含めてどうやっていくのかというのは、非常に難しいかじ取りを迫られている。

――一番株価に影響があるのはトランプ氏だと思うが、一番のリスクは何だと思うか。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
貿易摩擦、関税の引き上げ。最近もいろんな報道が相次いでいるが、実際にトランプ政権が発動するのかどうか、いつどのタイミングで、どのぐらいの規模で実施するのか、これが一番の鍵だが、こればかりは読めない、読み切れない。トランプ氏が発動した政策に対して中国側がどう対応するのか、これも大きな鍵になると思う。

――その一方で「いやいや、そんなにトランプ氏怖がることはないのではないか」というのが小髙氏の「トランプ政権を怖がるな」。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小髙貴久氏:
はい、そう思います。2017年の第一次トランプ政権のときは、スタートダッシュの前半部分では、減税などの政策が出てくるので、実際に当時の株価は上がっていた。2024年は日本もアメリカの政治体制がどうなるかわからなかったが、政治体制は2025年に関して、既にわかっているという点では怖がる必要はないと思っている。

――トランプ氏もアメリカ経済が弱くなることをしようとしてるわけではないと思う。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小髙貴久氏:
そうですね。ビジネス第一と考えているから、企業の業績を悪化させて、これから自分の勢力図である政党・共和党などが弱くなるような政策を、国内経済ですることはないと思っている。その部分では怖がる必要はない。

――黒瀬氏は「新世界秩序」。これはトランプ氏が作っていこうとしている新世界秩序が、株式市場にとってはフェイバブル(好ましい)ということか。

りそなアセットマネジメント チーフ・マーケットストラテジスト 黒瀬浩一氏:
そうですね。トランプ氏の政策に関して非常に悪く言う人がいるが、格差とか社会の分断で動くグローバル化の悪い側面を修正するという意味で、方向性は間違っていないと思う。そういう意味では新しい秩序を作ろうとしている。我々日本が考えないといけないのは、アメリカはもう方向性を切った。アメリカ国民の総意である「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」。日本もそこに貢献する形で一緒にもう1回、世界経済を修正することが向かうべき方向性と思う。

――逆らうのではなく、トランプ氏と一緒にやっていくという舵を切ることが大事ということか。

りそなアセットマネジメント チーフ・マーケットストラテジスト 黒瀬浩一氏:
そう思う。それができる国は良い国になって、経済も良くなる。逆に対立する国は経済も市場も悪くなると見ていい。

――その一方、アメリカ経済の悪い部分にも目を向けた方がいいのではないかというのが山口氏の「米経済二極化加速」。

SMBC信託銀行 投資調査部長 山口真弘氏:
いいところはいいと思うが、悪いところはすごく悪くなってきていると、アメリカ経済を捉えている。金利が高止まりしている影響が低所得者層に出てきているのは明確。

――アメリカのクレジットカードや住宅ローンの新規延滞率が上昇してるというグラフを用意してもらった。

SMBC信託銀行 投資調査部長 山口真弘氏:
アメリカ人は住宅ローンに関しては、9割ぐらい固定金利で借りるので、金利が上がっても影響があまりないことは確か。ただクレジットカードは変動金利になるので、金利が上がった影響がもろに出る。しかも富裕層だけではなく、低所得者層も合わせてということになるので、ここが上がってくるということは日々の生活が苦しくなってきている層があると思っている。

――つまり、こういう(新規延滞率)部分に光が当たると、相場は崩れることがあり得るということか。

SMBC信託銀行 投資調査部長 山口真弘氏:
全体としては、まだ良いということになるが、その良いところが悪くなっていくとなった時には、危ないということだ。

――アメリカ経済の先行きが良いのか悪いのかということが、アメリカの株価、ひいては日本の株価に直結してくるが、2025年のアメリカ経済は、基本的には順調にいくと見ていいのか。

りそなアセットマネジメント チーフ・マーケットストラテジスト 黒瀬浩一氏:
順調にいくと見ていい。悩ましいのは景気が良いから、金利が下がらない。だから株が下がるという解釈は難しい。逆に、景気がいいから金利を下げる必要がない、株が上がっていいと、どこかの時点で解釈が変わってくると思う。

――5%ぐらいまで、長期金利が上がろうとしてるのに、株高だけが進行していることは整合性が取れているのか。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
そこが、今一番の心配の種だ。簡単に言うと、今アメリカ株は、アメリカ国債よりも利回りが低い。リスクは明らかに株の方が高いのに、利回りは低い株を持つ理由を見いだしにくい。

なぜみんな株を持ち続けるか、さらに買うかというと「アメリカの景気がいい、今後もよさそうだ。アメリカ企業の業績はもっと良くなる、表面上はアメリカ株割高に見えるけれども実態はそんな割高じゃない」というのが株式市場の見方だと思う。それが正しいかどうかは今後次第。

――アメリカの中でもバフェット氏は今「株売って、現金化した方がいい」と言っている。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
最近、債券投資家になっている。バフェット氏の見方が正しいのかもしれないし、今現在の株式市場の見方が正しいのかもしれない。これはトランプ政策にも依存するし、地政学リスクにも依存するということだと思う。

――アメリカ株にバブルの部分があって、ここが崩壊する心配はないのか。

SMBC信託銀行 投資調査部長 山口真弘氏:
そこのバブルを生み出しているのはAIになると思う。去年2024年もあったが、半導体大手の決算をどう評価するか、それによって株価が大きく上下するという面はあると思う。

――一方の日本経済。新しい成長分野は、日本には見つかってきていると言えるか。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小髙貴久氏:
いや、新しい成長分野はなかなか難しいと思うが、従来の企業が、再び復活してくるというのは大きなキーワードだと思っている。去年2024年は自動車や、機械の部分が業績でも手こずっていた面がある。

――操業停止などもあった。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小髙貴久氏:
はい。一方でインバウンドなどの国内需要も大きく成長している。そういう分野では「継続して良い」という業態・セクターなどはあると思う。

――セクターごとに、どれだけ業績上積みできるかということが焦点だということか。果たして2025年どうなるのか。また来年に答え合わせすることを楽しみにしている。

(BS-TBS『Bizスクエア』 1月11日放送より)

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