景気回復へ…中国が切り札にしたい「低空経済」 その最先端と課題
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月17日 16時44分
中国政府はきょう、去年のGDP=国内総生産の年間成長率はプラス5.0%だったと発表しました。景気回復のため、いま、中国が切り札にしたいのが空中を使うサービス。「低空経済」と言うらしいのですが、一体、何をするのでしょうか?
中国南部・広東省・深セン市。高層ビルが立ち並ぶこの街で、いま、あるサービスが注目されています。それは…
記者
「このケーキを注文してみます」
スマートフォンで決済し、待つこと15分。
記者
「荷物をのせたドローンがいま、こちらに飛んできています。このように、手元に到着しました」
4年前に始まった「宅配ドローン」サービス。すでに市民の日常となっています。
深セン市民
「(週に)2、3回使います。コーヒーの宅配はドローンです」
新たな成長産業として注目されるドローン。政府も後押ししています。
李強首相
「『低空経済』などの成長エンジンを積極的に作り上げていこう」
「低空経済」とは、1000メートル以下の空域をドローンなどを使った経済活動に活用しようという取り組みのこと。
中国のドローン産業は世界で7割のシェアを誇り、2021年から2023年にかけて、毎年30%の成長をみせています。
低迷する経済をこの「低空経済」で浮上させたい。そんな思惑があるのです。
記者
「こちらの展示場、実はすべてがドローンの関連企業だということなんです。そのドローンの種類の多さに驚かされます」
中でも、ひときわ注目されていたのが「空飛ぶ車」です。
記者
「空飛ぶ車なんですが、実際に乗ってみると、中にはiPadが1枚あるだけでハンドルも何もないんです」
来年までに深セン市内に1200か所の離着陸地点が設置される予定で、実用化に向けて秒読み段階に入っています。
広報担当者
「(10年後には)街中で空飛ぶ車が飛び回っていて、10分以内に街の中心部へ出勤できるようになるでしょう」
しかし、こんな問題も…
先月12日、ドローンが体育施設に落下し、炎上する事故が発生。また、宅配ドライバーやタクシー運転手の仕事がドローンに奪われるのではないかという懸念があります。
市民
「安全上のリスクはあるでしょうね。でも、技術が発展すれば問題は解決されるでしょう」
中国のドローンの市場規模は、2035年には75兆円に達する見込みです。
「低空経済」は中国経済が上昇するための切り札になるのでしょうか。
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