パナマ大統領「大切なのはアメリカとの関係で、中国ではありません」対立する米中の“最前線”でもトランプ大統領が強気な外交
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月4日 18時22分
さきほど中国に対して10%の追加関税を発動したアメリカのトランプ政権。中国はすかさず報復関税を発表しました。そのトランプ氏は、アメリカにつくのか中国につくのか中米パナマにも圧力をかけています。その最前線を取材しました。
大西洋と太平洋を結ぶパナマ運河。
記者
「コンテナ船がゆっくりと狭い水路を進んでいます」
世界の海上貿易の5%を支え、日本も世界で3位の使用国となるなど経済を支えています。この大動脈をめぐって今、大きな問題が…
記者
「あちらに見えるのが、パナマ運河の太平洋側の港・バルボア港です。香港に拠点を置く企業が管理していて、トランプ大統領が問題視をしています」
アメリカのトランプ政権は、有事の際に中国がこのバルボア港を含む運河の両端の港を封鎖するおそれがあるなどと、強い警戒と不満を示しています。
トランプ大統領
「中国が運河を運営している。我々は運河を取り戻す。さもないと、大変なことが起こる」
初の外遊先として、きょう未明までパナマを訪問していたルビオ国務長官は、運河の現状を正さなければ「必要な措置を講じる」と迫りました。
これにパナマ側は…
パナマ市民
「トランプ大統領はうそを言っていて、国民はみな怒っています」
パナマ ムリーノ大統領
「運河の管理はいまも、これからもパナマが行う」
パナマの独立と運河の開通を支援し、歴史的にパナマで強い影響力を誇ってきたアメリカ。運河の管理も1999年まで行ってきました。
トランプ大統領は今、なぜ運河問題を繰り返し主張するのか。その背景には、パナマで存在感を増す中国への警戒があるとの見方があります。
パナマは2017年に台湾との外交関係を絶ち、中国と国交を樹立。前後して、中国国有企業などがパナマ運河周辺の港湾事業に応札したほか、文化交流にも力を入れています。
パナマ市民
「中国文化はパナマに貢献しているので、国交樹立は良かったです」
地元の中国系テレビレポーター
「両国は見ての通り、この7年あまりでより関係が深まりました」
専門家は、こうした中国の動きとアメリカの反応について…
パナマ大学 タピア教授
「中国は様々な方法を駆使してパナマ社会に浸透してきました。中国はパナマを中南米全体の要所としています。アメリカはパナマに中国との関係を絶ち切らせたいのです」
対立する米中の最前線となっているパナマ。JNNがムリーノ大統領にアメリカと中国、どちらとの関係が大切か直接問うと…
パナマ ムリーノ大統領
「アメリカとは歴史的に特別な関係があります。一方、中国とは互いにどう向き合うべきか分かっていません。ですから、大切なのはアメリカとの関係で、中国ではありません」
パナマ政府は2日、中国の巨大圏構想「一帯一路」から離脱する方針を表明しました。
トランプ大統領
「交渉中だが、パナマの政権とは良い話し合いができた」
トランプ大統領は強気な外交で、米中の覇権争いの地図を塗り替えていくのでしょうか。
この記事に関連するニュース
-
パナマ大統領「大切なのはアメリカとの関係」 トランプ政権と中国の間で揺れるパナマの選択
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月4日 12時8分
-
パナマの「一帯一路」離脱、中国には痛手…パナマ運河が米中対立の新たな火種に
読売新聞 / 2025年2月4日 8時15分
-
パナマ大統領「一帯一路の覚書更新せず」 米国務長官「中国は運河への脅威」の指摘に
産経ニュース / 2025年2月3日 18時13分
-
パナマ大統領、米長官と会談へ=運河巡る対立で立場説明
時事通信 / 2025年2月2日 14時39分
-
トランプの「領土奪取」は暴論にあらず。グリーンランドとパナマ運河はなぜ放置できないのか
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月15日 18時19分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください