今季“最強・最長”の大寒波 関東も氷点下の冷え込み続く、交通機関に影響は【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月4日 20時46分
今シーズン最強、そして最長の寒波が日本列島に襲来。北海道・帯広市で、観測史上最大の「ドカ雪」になるなど、広い範囲で災害級の大雪への警戒が続いています。
最強最長寒波 記録的大雪に 関東も氷点下の冷え込み続く
広瀬駿 気象予報士:
4日午後5時の天気の状況です。西日本では雪がかなり降っています。愛媛では山地で雪が積もるくらいの大雪になっています。
日本海では、すじ状の雲がびっしりと広がっています。この雲は冷たい空気や風が吹くときにできる雲です。いわゆるJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)といわれる発達した雪雲の帯です。
朝鮮半島あたりから日本海側に向かって現れることが多く、それがかかった先では一気に大雪になり、一度現れると大きな川の流れのようにエネルギーを持っているので、長引いてしまう危険もあります。
また北海道では低気圧の影響で雪がまとまって降っています。今回は1年に一度来るかどうかという寒気の強さとなっています。また海水温もかなり高くなっているので、それも雪雲が発達している原因だろうとみています。
ホラン千秋キャスター:
普通の“すじ状の雲”と“JPCZ”の違いは何でしょうか?
広瀬 気象予報士:
高さが違います。雪雲の高さは約2キロなのですが、JPCZは約5キロの高さがあるため、高い山を越え、太平洋側でも雪を降らせる存在なのです。
特に危険なのが“JPCZ付近”です。今週は5日(水)と8日(土)が大雪のピークになりそうです。北陸ではJPCZの影響で雪の降り方が強まり、除雪作業が間に合わないような危険な降り方になるかもしれません。
【予想降雪量(5日 夕方にかけ 多い所)】
・北陸:100センチ
・東北・東海:80センチ
・近畿:70センチ
・北海道・中国・九州北部:50センチ
・四国:40センチ
・九州南部:20センチ
5日は雪がいつも降る地域は"どっさり”積もって危険な状態になる雪の降り方になるでしょう。
四国の予報降雪量は40センチとなっていますが、過去にこれくらい雪が降ったときに集落が孤立しました。木が倒れ、停電といった被害に繋がる雪の降り方になるかもしれませんので警戒を強めるようにしてください。
警報が発表されているときは、なるべく不要不急の外出は控えるようにしてください。
一方、7日(土)は市街地や平野部に雪が降るとみられています。交通機関への影響に注意をしながら過ごしてください。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
7、8日の週末に用事がない方はできるだけ外出をしないようにしてほしいですね。あと雪かきはしないほうがいいかもしれませんが、そうはいかない場所もあると思いますので、十分注意をして行ってください。
記録的大雪か 交通機関に影響は 今季一番の最強・最長寒波
井上貴博キャスター:
4日時点の交通機関への影響です。
【大雪による交通機関への影響】
<空の便 / 4日>
・日本航空:81便欠航
・全日空:47便欠航
<空の便 / 5日>
新潟や福岡などを発着する一部の便で欠航・遅延の可能性
<高速道路>
関西や九州などでも通行止めになる可能性
・北陸道:丸岡IC~長浜IC
・松山道:大州北只IC~西予宇和IC
・東九州道:苅田北九州空港IC~中津IC
・名神高速、東海北陸道など
今後、情報が更新される可能性もありますので注意をしてください。
大雪での立ち往生 もしもの備えは? 大雪で信号機も見えなくなる?
井上キャスター:
今できる備えをまとめました。
【雪による車の立ち往生 備えは?】
・車の中にスコップ、軍手、長靴、毛布、懐中電灯などを用意
・マフラーの位置を確認→埋もれないように除雪(一酸化炭素中毒対策)
・緊急時JAF『#8139』に救援を依頼(会員でなくても有料で利用可)
広瀬駿 気象予報士・防災士によりますと「車から離れる時はカギはつけっぱなしで」ということです。
広瀬 気象予報士・防災士:
大規模な立ち往生が発生した際は車をどかさないと作業を進めることができません。車を移動できるような状況を作っておくために鍵はつけっぱなしにしてください。
不要不急の外出を控えるためにも、会社を休みにする、テレワークの活用といったことも一つの手段だと思います。
井上キャスター:
大雪になると、雪で信号機が見えにくくなることがあるそうです。今回の雪は湿った重い雪で(信号機に)つきやすいそうです。また雪の重みで電線が切れることもあり、暖房器具が使えなくなる恐れもあります。最近の信号機はLEDが使われていることも影響しているのでしょうか。
広瀬 気象予報士・防災士:
従来の信号機は白熱電球を使用していたので、その熱で雪がとけていたのですが、省エネ化でLEDを使用するようになり、積もった雪がなかなかとけず、くっつきやすくなっています。
もちろん融雪対策した信号機もあるのですが、全国にあるわけではありませんので、見えにくいといった危険もあります。
慣れない「雪かき」2人以上で スマホ着信音が鳴る状態に
井上キャスター:
また広瀬 気象予報士・防災士は「雪かきの際の事故に細心の注意を払ってください」といいます。
【雪かきの注意点】
・声を掛けて2人以上で
・スマートフォンの着信音が鳴る状態に
→何か起きた場合に周囲に知らせることができる
・作業は何回かに分けて
広瀬 気象予報士・防災士:
除雪作業した雪は消えてなくなるわけではなく、どこかに寄せられています。道路の横に雪山のように雪があったら、歩行者の存在がわかりづらくなります。また吹雪で見通しが悪くなると交通事故が発生しやすくなります。車の運転は慎重にしてください。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
雪が多く降るエリアでは地域で協力して(雪かきなどを)行う体制も必要だと思います。さらに万が一の停電に備えて、電気以外で暖を取れるものを用意しておくことも大事ですね。
大雪で路面凍結にも注意 橋の上・トンネルの出入り口
井上キャスター:
大雪による路面の凍結にも注意をしてください。
【路面の凍結に注意(日本気象協会より)】
・橋や歩道橋の上
・トンネルの出入り口
・交差点、カーブ
・日陰
広瀬 気象予報士・防災士:
道路に雪が積もっていなくても濡れていたら凍ってしまいます。『ブラックアイスバーン』というのですが、目で見てわかりにくいので注意が必要です。
4日から「さっぽろ雪まつり」が始まりました。旅行に行かれる方も多いと思いますが、北海道はかなり路面状況が変わりやすくなっています。滑らない靴を用意するなどの備えも忘れないようにしてください。
==========
<プロフィール>
広瀬駿 気象予報士
1989年愛媛県生まれ
気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー
横浜国立大学大学院で台風を研究
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身3児の父
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