“限界寸前”のインフラ 2040年には34%の下水道が耐用年数を「超過」【サンデーモーニング】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月9日 13時22分
埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けて、インフラの在り方が再び注目される中、下水道のみならず、トンネルや橋など「インフラの老朽化」が懸念されています。
1か所の破損で被害拡大 東京の場合は200万人規模の可能性
下水道管網はほかの地域でも同じような構造になっていて、いくつもの自治体にまたがっています。
例えば東京23区の下水処理は10か所に区分けされています。
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23区の東側の区分で今回と同様に、下水処理場に近い所で下水道の破損が起きた場合、世田谷区・目黒区・品川区・太田区の大部分が含まれ、200万人規模に影響が及ぶ可能性があるといいます。
点検急務も...長すぎる下水道管 迫る耐用年数
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改めて下水設備の点検や改修の重要性が浮き彫りになりましたが、いまや日本全国に張り巡らされた下水道管の総延長は約49万キロと、地球12周分の長さに達しています。
耐用年数は約50年とされていますが、高度経済成長期に敷設されたものも多いため、すでに50年が経過しながら、改修できていない下水道管が8%もあり、2040年には34%にもなります。
インフラの老朽化 トンネルや橋も課題
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こうしたインフラの老朽化は、下水道に限った話ではありません。2040年には、トンネルは52%、橋は75%が耐用年数を超えます。
東洋大学大学院・根本祐二教授は「試算では、こうしたインフラを更新時期に全て改修するには毎年6.6兆円必要で、全ての維持を続けるのは不可能」と指摘します。
対策として「省インフラ」を提唱しています。最大限コストを削減しながら、公共サービスの質を出来るだけ維持しようという考え方です。
下水道管、どう「省インフラ」する?
生活に欠かすことの出来ない下水道は、どのように「省インフラ」すればよいのでしょうか。
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人口が集中している地域には将来的にも下水道が必要ですが、人口の少ない地域では、下水道ではなく、それぞれの家などにトイレの水やその他の生活排水を処理する「合併処理浄化槽」を設置し、自然放流するように転換するのが一つの選択肢だといいます。
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そうすることで、こうした(人口の少ない)地域まで長く張り巡らされていた下水道管網の維持・更新をなくすことができ、格段にコストを抑えることができるというのです。
「トリアージ=選別」で730億円程度縮減?
また、下水道よりも耐用年数を超えている割合の高い「橋」についても、新たな「省インフラ」の動きが始まっています。
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「トリアージ=選別」を行い、重要な橋は優先的に改修や更新を進める一方、利用者が少なく、必要性が低下した橋は撤去するというものです。
富山市では2016年から「橋のトリアージ」が行われていて、今後50年間で必要なコストを約730億円程度縮減できるとしています。
私たちの生活の基礎となるインフラが限界に近づく今、限られた資源の中での工夫が求められています。
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