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石破総理「相性合う」トランプ大統領の心を掴んだ“3つの言葉” 初の日米首脳会談に入念な“攻略法”の準備も【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月10日 20時10分

TBS NEWS DIG

石破総理とアメリカ・トランプ大統領の初の日米首脳会談が行われました。その舞台裏などについてお伝えしていきます。

「本当にナイスガイ」「また会って話したい」初の首脳会談でお互いに好印象?

齋藤慎太郎キャスター:
現地時間7日に行われた日米首脳会談。「日米関係の新たな黄金時代を追求する決意を確認」などと明記した共同声明を発表しました。

アメリカへの投資について、石破総理から1兆ドル(150兆円規模)まで引き上げ、雇用創出に貢献をする考えを伝えています。

また、主に液化天然ガスなどのエネルギー面では、アメリカから日本への輸出を増やすことで合意。メリットとしては、アメリカ側は輸出を増やし、対日の貿易赤字を減らす。日本側は輸入を増やし、エネルギー安全保障を強化するという両国にメリットがあります。

今回の首脳会談で日本側の最も大きな成果は何だったのか。TBS政治部官邸キャップの中島哲平記者によると「日本側の最も大きな成果は、首脳同士の信頼関係を築けたこと」だといいます。

では、お互いのことをどう思っているのか。石破総理とトランプ大統領は、お互いの印象についてこのように発言しています。

トランプ大統領
「(石破総理は)タフガイだ。タフだ、タフだ、タフだ。でも本当にナイスガイだ」

石破総理
「恐ろしい方だという印象がなかったわけではありませんが、実際にお目にかかると、合衆国と世界に対する強い使命感を持たれた方だ」

お互いに良い印象を持っているような発言をしました。

帰国後、トランプ大統領との“相性”について問われた石破総理は、9日に出演した民放の報道番組でこのように発言しています。

石破総理
「また会って話したいねという人と、できたらご遠慮したいねという人がおられるが、トランプさんの場合は、また会って話したいなという感じ」

トランプ大統領の心を掴む“3つのワード”

TBS政治部の岩田夏弥部長によると、トランプ大統領の心を掴んだ“3つのワード”があるといいます。このワードが会談の序盤に多用されていました。

岩田夏弥 政治部長:
今回の会談は30分近くありましたが、政府を挙げて「何をどういう順番で話すか」を練りに練って話した様子がすごくうかがえました。

その中で、“3つのキーワード”があったと思いますが、いずれも3回ずつ出てきています。

1つは「安倍晋三元総理の名前」
トランプ大統領からすると、トランプ・安倍政権時代の日米関係がとても良かった。これが石破総理に代わりどうなるのかという不安があったと思います。あえて安倍元総理の名前を繰り返し出すことで、「安倍政権時代にやっていた日米関係を、しっかり引き継ぎ、さらに発展させるので心配しないでください」という安心感を与えるというのが1つのねらいです。

2つ目は「平和」
2019年にトランプ大統領が、突然会見で「当時の安倍総理が自分をノーベル平和賞に推薦してくれたことが分かった」と話し、まんざらでもなさそうな様子でした。そこで「トランプ大統領はノーベル平和賞を意識している」という話が広がりました。今回も「平和を大事にするトランプ大統領」というイメージを石破総理からも伝え、「平和を愛するトランプ大統領と一緒にやっていこう」という言葉も伝えた。

最後の「投資」
トランプ大統領はとにかく投資が大好きなので、日本もアメリカに投資をしてもらい、雇用や仕事を作ってもらう。そして中西部に多くいる自分の支持者に対し、ちゃんと仕事が持てるアメリカになることを伝えた。

「今の状況で何を言うとトランプ大統領の心に一番響くのか」を練りに練った会談だったと思います。

井上貴博キャスター:
首脳会談は一般的に冒頭の3分程度しかマスコミに公開しない。しかし、今回の会談は大半である25分程度を公開した。これが今回の会談は今までの会談と違い、トランプ大統領らしいと感じました。

岩田夏弥 政治部長:
日本では2~3分程度しか公開しませんが、アメリカではずっとカメラが入ってやり取りが公開されます。

そのなかで外国側の首脳の言葉が足りず、すぐに記者からの質問を受ける、ということがよくあります。しかし今回、石破総理が話す時間がたくさんありました。それだけ話すことを考えていたことが伺えます。

井上キャスター:
これは事務方同士が折衝して、お互い何を喋るかわかっている状態なのでしょうか。それとも、わからない状態で会談を行っているのでしょうか。

岩田 政治部長:
首脳会談で何を言うか日本側はかなり練っていて、政策については先に伝えることはあるかもしれませんが、今回は石破総理から語る言葉だったので、あえて先方には伝えてない可能性もあると思います。

ホランキャスター:
会談後の会見などを拝見していても、いい雰囲気・空気感が流れているなという印象はありました。

産婦人科医 宋美玄さん:
石破総理は表情がそんなに豊かな方ではないので、「うまくいくのかな?」と思っていた人も多いと思いますが、密かに笑いを取る場面もあって「結構やるやん!」という感じでしたね。

岩田 政治部長:
堅苦しくならずに、そして、石破総理はついつい話が長くなってしまうところを一番心配されていましたが、ご自身でもそれを自覚されてコンパクトに話をされていました。

宋美玄さん:
ただ、「恐ろしい方だと思っていた」などは「別に言わなくてもいいのでは?」と思ってしまいました。

岩田 政治部長:
そこは率直に、あえて堅苦しくならずに話したのではないでしょうか。

「否定はしない」「グダグダも言わない」会談を前に“トランプ氏対策勉強会”

齋藤キャスター:
「入念な準備があった」という話がありましたが、本当に対策を練っていたそうです。

出発当日まで財務省、経産省、防衛省など、関係省庁の官僚らが入れ替わり立ち替わりで参加した、トータル30時間ほどの“トランプ氏対策勉強会”があったそうです。

石破総理によると「トランプ氏は否定されることが大嫌い」ということで、否定せずにどう意見交換をしていくか、と表現方法を入念に勉強していたそう。さらに「石破構文風にグダグダも言わない」という話もしていましたので、様々な対策を練り、今回の会談に挑んだということです。

井上キャスター:
トランプ大統領から無理難題も特には来ませんでしたね。

岩田 政治部長:
そこが心配されていたのですが、今回は関税や防衛費の問題など強烈な要求は特にありませんでした。

ホランキャスター:
こういう細かいところまで入念に準備していた、ということをトランプ大統領は見ないかもしれませんが、「攻略されていた」というのが出てくると少し照れそうですね。

岩田政治部長:
それだけ一生懸命やっていたってことですね。「絶対に失敗できない」という緊張感があったのだと思います。

==========
<プロフィール>
岩田夏弥さん
TBS報道局政治部長 前ワシントン支局長
2020年 米大統領選を取材

宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信

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