「使いものにならない」トランプ氏が「紙ストロー廃止」の大統領令に署名 脱“紙ストロー”でプラスチックストローが復活?【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月12日 21時0分
トランプ大統領が、政府機関への紙ストローの導入を取りやめる大統領令に署名しました。世界の流れとは正反対の動きとなりますが、アメリカでは、プラスチックストローが復活するのでしょうか?
世界の流れに逆行? プラスチック製ストローに戻す大統領令に署名
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熊崎風斗キャスター:
アメリカのトランプ大統領は、政府機関への紙ストロー導入を取りやめ、プラスチック製に戻すという大統領令に署名しました。
トランプ大統領
「(紙ストローは)使い物にならない。熱いものを入れると数分、時に数秒しかもたない。ばかげた状況だ」
そして、自身のXには、大好物のダイエットコーラに、プラスチック製のストローを刺した写真を投稿しました。
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そもそも、“脱プラスチック”の動きというのは、2018年ごろから世界中で加速してきました。
EUは使い捨てプラスチック製品の禁止などの提案をしたり、スターバックスはプラスチック製ストロー廃止を発表したり、日本ではレジ袋有料化を義務付ける方針となりました。
世界の流れに逆行して、アメリカ国内でプラスチックストローは広がるのでしょうか。
明海大学の小谷哲男教授は「トランプ大統領に反対してもメリットはない。多くの飲食店がプラスチックストローに戻すのではないか」と話しています。
井上貴博キャスター:
プラスチックごみ全体に占めるストローの割合は1%弱なので、ここを削減しても、そんなに力がないように感じます。
紙ストローの製造過程で、プラスチックよりもCO2排出が多いというデータがあったりするので、ここはいろんな考え方があっていいのではないかと思います。
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萩谷麻衣子 弁護士:
プラスチックストローの問題というのは、海洋プラスチックごみ問題ですよね。
ウミガメの鼻にプラスチックのストローが突き刺さっていたのは衝撃的でした。考え方によりますが、私は紙ストローの方にいくべきではないかと思います。
もうこうなってしまった以上、紙は燃えるごみで捨てるしかないですが、プラスチックは回収すれば再利用できます。なので、一緒に「回収して再利用しましょう」というところまで啓発してくれればいいと思います。
ただ、そこまで期待できるかどうかはわからないです。
ホラン千秋キャスター:
プラスチックの量で見ると、あまり多くないという議論もあって、こういうことを国が進めることによってプラスチック製品をもらうときに「減らした方がいい」という意識の芽生えにもつながると思います。
物理的な量だけではなく、その先の波及効果も考えていく必要もあると考えると、いまは過渡期なのかなと感じます。
“紙とプラスチックだけではないストロー”の導入進む
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熊崎キャスター:
紙とプラスチックだけではない“バイオマスプラスチックストロー”の導入も進んでいます。
三重大学の野中寛教授によると、植物由来のプラスチックで土壌や海水中で分解されるものもあるということです。
日本では、「スターバックス」で徐々に変わってきている最中だそうで、「セブン-イレブン」はすでに変わっているといいます。
バイオマスプラスチックストローを使ってみて、ほとんどプラスチックと変わらないような感じで、若干硬さがあって丈夫かなという印象でした。
このストローにもメリット・デメリットがあります。
メリットとしては、プラスチックよりも環境によく、紙よりも丈夫とされていることです。
一方デメリットとしては、製造コストです。ストローの製造メーカーによると、プラスチックの製造コストを「1」とすると、紙が「1.5」、バイオマスプラスチックが「2~5」です。
このあたりのコスト面がどうなっていくのか、今後のポイントの一つになるのではないでしょうか。
「1セント硬貨」の製造中止を指示
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熊崎キャスター:
さらに、トランプ大統領は「1セント硬貨」の製造を中止するように指示しました。
大きな理由は、製造コストです。1セント硬貨を作るため、2セント以上のお金がかかるといいます。
ちなみに、1セント硬貨を廃止した国もあります。
▼ニュージーランド:「1セント」「2セント」「5セント」を廃止
▼オーストラリア:「1セント」「2セント」を廃止
▼カナダ:「1セント」を廃止
日本で考えると、1円玉がなくなることと似た状況かもしれません。
井上キャスター:
1円玉を廃止することにより、端数をそのまま便乗して値上げするリスクがあるのではないかとか言われます。しかし、キャッシュレス決済に移行するなら、こういう考え方もいいのかなと思います。
萩谷麻衣子 弁護士:
私もほとんど現金で払わなくなってきたので、たまに現金で払って1円玉のお釣りがあったとき、募金箱の中に入れたりしています。
ホランキャスター:
電子決済の導入が難しい駄菓子屋など、単価が低いものを売っている店舗は1円玉がなくなると、大きな価格変更を余儀なくされることもあると思います。
やはり、1円玉がないと困る部分もありますよね。
井上キャスター:
本当に1円玉を廃止するのであれば、政府がお金を出して、キャッシュレス決済の機械などを広く導入しないといけないですよね。
萩谷麻衣子 弁護士:
小さい店舗でキャッシュレスを導入しても、あまり負担にならないような仕組みも必要ですよね。
“製造コストは3円” 1円玉がなくなる可能性は?
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熊崎キャスター:
製造コストですが、1円玉でも作るのに3円かかります。
コスト削減やキャッシュレス化を推進することができ、政府は1円玉を廃止したいという思いもあります。
しかし、経済評論家の加谷珪一氏は「1円玉の廃止は、かなり難しい」と話します。通貨の原則として「どこでも使える」というものがあり、どこかで1円玉がないと困る状況であれば、それは残すべきだというのが基本的な考えとしてあるということです。
井上キャスター:
日本で特に「キャッシュレスが進みすぎると、災害時にどうするのか」などの考え方があって、それは日本の良さなのかなとも思います。
萩谷麻衣子 弁護士:
10年前にカナダが1セントを廃止したときに、アメリカでは多くが反対しました。
その理由は愛着心が強いからだと言われています。日本人も1円玉に愛着心が強い人がいるなら廃止できないのかなと思います。
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<プロフィール>
萩谷麻衣子 弁護士
結婚・遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当
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