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コーセーがお肌のメラニン色素を蛍光で可視化、美白テクノロジーの道を拓く

Techable / 2021年1月12日 8時0分

化粧品メーカのコーセーが、東北大学との共同研究により、肌の中にあるメラニン色素を蛍光で可視化することに成功した。

メラニン色素はシミの原因となる微細な顆粒状をした化学物質だが、その変化や分布の実態についてはまだわからない部分が多い。今回成功した蛍光での可視化は、そんなメラニン色素の謎の解明につながると期待される。

より効果的な美白アプローチのために

お肌のシミに対する有効な美白アプローチを開発するためには、当然、メラニン色素についてよく知る必要がある。ところが、橙赤色〜黒褐色のメラニン色素は肌そのものの色に紛れてしまい、光学顕微鏡での観察は困難だった。

そこに登場したのが、薬剤でメラニン色素のみを蛍光色に光らせるという手法。2017年に東北大学の福田光則教授によって開発された蛍光可視化試薬「M-INK (エム インク/Melanocore Interacting Kif1c-tail) 」がこれを可能にした。

ただ、このM-INKは、メラニン色素を生成する細胞、メラノサイトにはよく作用するが、シミが現れる表皮細胞(ケラチノサイト)には効果が薄かったようだ。そこでコーセーの研究者たちは、福田教授と共同でM-INKを発展させ、表皮のメラニン色素も鮮やかな蛍光色に染める薬剤「HA-M-INK」を開発した。これにより、美白に関わる皮膚内部のメラニン色素を全て蛍光で可視化できるようになった。

3次元的な観察も可能

コーセーのニュースリリースによれば、今回開発された「HA-M-INK」を共焦点レーザー顕微鏡と併用すると、皮膚内部の画像を3次元的に構築できるそうだ。つまり、研究者はメラニン色素やメラノサイトを立体的に観察しながら、さまざまな美白のアイディアを練ることができるようになる。

コーセー研究所のフランス分室で「HA-M-INK」を試したところ、「肌の(色の)明るさに応じてメラニン色素の量や分布が大きく異なること」が実証されたとのこと。

「今後、本技術を用いてシミ・色ムラ部位でのメラニン色素分布の解析を」進め、新しい「美白アプローチの開発などに繋げたい」と同社は言っている。

PR TIMES

東北大学 記者発表資料

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