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開発のポータブル光学センサーは植物の健康状態をリアルタイムで測定!

Techable / 2021年1月18日 8時0分

センシング技術やAIなどを駆使して環境状況を把握し制御することで、農作物の収量や品質を最大化、収穫を持続可能なものにする精密農業は、人口増加や気候変動による食料不足に対応するうえで重要な戦略だ。土壌センサーやフィールドセンサーなどがすでに多くの農場で取り入れられ、役立てられている。

こうしたなか、Singapore-MIT Alliance for Research and Technology(SMART)らの研究チームは、植物にかかったストレスを迅速に検出できるポータブル光学センサーを開発した。リアルタイムで農作物の健康状態が把握できれば、症状や収量の減少など、実際の悪影響が出る前に対応が可能になるだろう。

植物の窒素欠乏を早期診断

SMARTの研究チームによる光学センサーは、植物の窒素欠乏を早期診断できる。窒素は植物が成長するうえで欠かせない栄養で、欠乏すると葉や茎が十分育たないなどの悪影響が出る。収量の低下にもつながる可能性があり、密な追跡と調整が重要になる。

シンプルに葉をクリップすることで化学的性質を測定。ポータブルで利用できるのも特徴的だ。研究チームが全光条件下でセンサーをテストしたところ、最高水準のラマン分光計を用いた実験室条件下での測定結果と一致。精度の高さが示された。

幅広い種類のストレスレベル測定に利用可能

シンガポールは2030年までに食料自給率を30%にまで引き上げることを目指しており、同研究は「30 by 30イニシアティブ」の支援のもと取り組まれている。

今回の研究は植物の窒素レベルの測定を対象にしたものだが、センサーは干ばつや寒暖によるストレス、塩分ストレス、光ストレスなど、幅広い種類のストレスレベルを測定するために利用できるとのこと。

農作物の種類についてもさまざまなもので可用性が示され、今後はさらにその範囲を拡大していく計画。リアルタイム性とポータビリティ、シンプルな操作性から農場での使用に理想的な同センサーは、農作物の収量最大化や気候条件に対する耐性向上、肥料の使用量削減による環境負荷低減に貢献しそうだ。

参照元:Portable device can quickly detect plant stress/ MIT News

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