3Dプリントでスイーツをつくる!? 今までにない味を実現するTopologyとは
Techable / 2021年1月18日 11時0分
3Dプリントによって「スイーツ」がつくられる時代がきた。ナショナルデパート株式会社は、スイーツ専用の食品3Dプリンティングシステム「Topology」(トポロジー)を開発し、今年のバレンタイン商品から一部運用をスタートすることを発表。
バター専門ブランド「カノーブル」を展開し、業界で先駆者として名を馳せる同社。これまでは、バターのモールドをつくる工程などで3Dプリンターを積極的に活用してきた。今回は食品プリントの総合的なシステム開発を目指し、「スイーツ自体」を3Dプリントするための技術開発に至ったという。
「Topology」(トポロジー)とは?トポロジーは、クリームやスポンジケーキなどの食材を格納する「ストレージ」(下画像右)と、食材をプリントする「4軸アーム」(下画像左)で構成される。まず、食材を容器内に密封した状態でセット。そこからチューブを通してアーム部分に送液された後、先端の口金から射出される、という仕組みだ。
これまでの食品3Dプリンターは食材をシリンダーに収め、ピストンで押し出す構造が主流だった。しかしこれでは、複数の種類の食材を継ぎ目のないようにプリントすることは不可能。「トポロジー」は、食材の種類ごとに独立したポンプで制御を行うことで、シームレスなプリントを可能にする。
私たちに馴染みのあるケーキは、スポンジとクリームが一方向に重なったものだろう。一方で、3Dプリントなら多数のフレーバーの食材を「立体的に造形」できる。これにより、今までにない複雑な味を実現することが可能だという。
テクスチャ剤の開発もさらに、ナショナルデパート社では3Dプリンターにとどまらず、3Dプリンティングに最適化するための「テクスチャ剤」もあわせて開発。「テクスチャ剤」とは、クリーミーさ、厚さ、粘度などの特性を与えることにより、食品の質感を変化させるためのものだ。
独自に開発したテクスチャ剤を使用することで、これまで3Dプリンターでは造形が不可能だった「スポンジケーキ」などの固形物も、粘体として送液が可能になった。これにより、機械耐性や耐冷凍性の向上を実現できるという。
トポロジープリンターの試作機は、すでに同社のバターケーキで一部テスト運用されている。今後、課題点などを検証しながら製品製造での活用を目指しているという。今年のバレンタインでは、3Dプリントされた新しいスイーツを口にできるのかもしれない。
PR TIMES
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