アフリカの遠隔地にも新型コロナワクチンを! 米Ziplineがガーナでドローン輸送を開始
Techable / 2021年3月11日 6時0分
世界各国で新型コロナウイルスワクチンの接種が本格化しつつある。とは言っても、中心となっているのは先進国であり、経済的に貧弱な国も公平にワクチンにアクセスできるよう、国連などがCOVAXという取り組みを展開している。
その活動を主導する機関の1つ、GAVIアライアンスはCOVAXを通じたワクチン250万回分の自動飛行ドローンを使った配達がガーナで始まったと発表した。
まずガーナで輸送を引き受けたのは、アフリカでドローンを使った医療物資運搬を行なっている米企業Zipline。ルワンダやタンザニアなどで、カスタムデザインのドローンを使って血液や医薬品などを運搬している。
そして今回扱ったのが新型コロナワクチンだ。COVAX合意に基づく初のアフリカへのワクチン配布として、オックスフォード大学とアストラゼネカ社が共同開発したワクチン60万回分がガーナの首都アクラに届いた。
そして3月2日にアシャンティ州でドローン輸送が行われた。GAVIによると世界初の新型コロナワクチンのドローン輸送となった。
パラシュートで落下1回目の輸送ではドローンは34分かけて70キロ離れた施設を目指して飛行し、温度管理されたボックスをパラシュートで落下させた。そして到着から5時間で250人にワクチンが提供され、同日はさらに35回ドローンでワクチンを輸送したという。
Ziplineの無人ドローンの航続飛行距離は160キロで、最大1.75キロの荷物を運搬できる。最高スピードは時速128キロ、巡航速度は101キロだ。飛行機などと違って滑走路など大掛かりなインフラ整備が不要なのが強みだ。
ガーナに限らず、アフリカには飛行場はおろか道路なども整備されていない地域が多く、陸上輸送が極めて困難な地域を多く抱える。そこを補えるのがドローンであり、実際ガーナでは今回約1000カ所のヘルスセンターにドローン配達を行う見込みという。
ワクチンを望む世界各地の人に平等なアクセスを提供するのにドローン輸送は必須であり、医療全般へのアクセスという観点でも重要な手段といえそうだ。
GAVIアライアンス
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