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宇宙データで圃場を探し、IoT機器で水を管理する「宇宙ビッグデータ米」栽培へ

Techable / 2021年4月7日 7時0分

日本の農業には、生産者の高齢化・減少という人的課題がある。そのうえ、米作りにおいては、米の外観品質の劣化と食味の低下が懸念される地球温暖化による「高温障害」という環境課題も看過できない状況のようだ。

そんななか、JAXA認定の宇宙ベンチャー 株式会社天地人は、株式会社神明および株式会社笑農和と協業し、「宇宙ビッグデータ米」の栽培に着手すると発表した。

「宇宙ビッグデータ米」の栽培と販売

「宇宙ビッグデータ米」の栽培はまず、地球観測衛星のデータを活用した天地人の土地評価エンジン「天地人コンパス」を活用し、美味しい米の収穫や多くの収穫量が見込める圃場を探すことからはじまる。

そして見つけた最適な圃場において、笑農和が提供するスマート水田サービス「paditch(パディッチ)」による適正な水温・水量の管理を行い、より美味しい米をより多く生産しようというのだ。

「宇宙ビッグデータ米」は、2021年5月の田植え、9月の収穫を経て、年内には神明の直営店「米処 穂」での販売を見込んでいるとのこと。ちなみに、天地人と神明は、2019年12月に宇宙技術を活用した農業の確立を目的とする業務提携契約を締結しており、そのときすでに「宇宙ビッグデータ米」の構想はあったようだ。

宇宙データとIoT機器

このたび活用される「天地人コンパス」は、衛星から得られる降雨や地表面温度などの気象情報と、地形の3Dマップなどから得られる地形情報を複合的に分析し、より美味しい作物をより多く収穫できる可能性のある場所(ポテンシャル名産地)を発掘することが可能だという。

過去に活用された例としては、天地人がゼスプリフレッシュプロデュースジャパン株式会社とタッグを組み、内閣府宇宙開発戦略推進事務局が主催する「課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」に公募、採択された「衛星データで地域活力を創造する ~キウイフルーツ ポテンシャル名産地発掘プロジェクト~」が挙げられる。同プロジェクトでは、休耕地・耕作放棄地とされていた土地に新たな価値を見出し、地域活力の創造につながることを目指していた。

一方、「paditch」は、スマートフォンやPCから水位水温を把握でき、遠隔操作で水門や給水栓の開閉ができるシステム「paditch gate02+」などを使い、水温・水量を維持することが可能となるサービス。「paditch gate02+」には、一括開閉や個別開閉、エリア開閉、減水・詰まりのアラートといった機能も搭載されている。また、あらかじめ水位や時間を設定できる便利な機能もあるという。

「宇宙ビッグデータ米」は、これら2つを掛けあわせ「気候変動に対応したブランド米をつくる」ことを目的のひとつに掲げている。そのため、同タイミング同地域で「宇宙ビッグデータ米」と従来どおりの方式で育てた米を収穫し、食味や収量などの比較を行う予定とのことだ。

PR TIMES

(文・Higuchi)

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