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コロナ禍でのインターネット・SNSからの情報に対する意識と旅行に関する調査

Techable / 2021年4月16日 17時0分

株式会社JTBは、「コロナ禍の生活におけるインターネットやSNSからの“情報”に対する意識と旅行」に関する意識調査を実施した。

同調査は、1都3県が緊急事態宣言中であった2021年3月1日~4日の期間に、インターネットアンケート調査にて実施。事前調査で回答した全国18歳以上69歳までの男女10,000名のうち、2019年以降2021年2月までの旅行経験者(国内外不問)かつスマートフォンを保持している人2,025名と、そのなかでも国内旅行をしたという2,001名に対して本調査を行った。

事前調査より

まず、10,000名を対象とした事前調査では、人々の意識の変化や情報通信機器の保有状況、過去2年間の旅行経験を調査している。

考え方の変化……女性が高い傾向に

「新型コロナ影響前と比較した、自分の考え方の変化(複数回答)」では、「変化はない」という回答は29.1%にとどまった。変化の内容としては、上位から「対面や直接のコミュニケーションは大切だ(28.4%)」、「国内旅行したいという意識が高まった(26.7%)」、「買い物はネットショッピングなどで済ますことが増えた(22.9%)」という結果に。

変化を感じていると回答した人を性年代別で見ると、「女性」「若い世代」が高く、「男性」「シニア世代」が低い傾向にあるという。これは、働く世代および子育て世代の女性が雇用の影響を強く受けていることや、家族の在宅時間増加により家事の負担が増えたことなどが要因となっていると考えられている。

なお、若い年代の「働き方」「暮らし」に関しての意識は、デジタルツールによる不便性の補完という点で共通していた。例えば、「買い物はネットショッピングで済ますことが増えた」「働く場所にこだわらなくてもよい」などがその一例だ。

デバイスはスマートフォン、SNSは?

使用している情報通信機器の調査では、どの年代も「スマートフォン」が最も高い(全体86.8%)。とはいえ、その利用率は年代が上るほど減少傾向にある。逆に「ノートパソコン」は年代の上昇とともに利用率が上っていた。

また、利用しているSNSを調査したところ、全体で最も多いのは「LINE(73.8%)」で、性年代別にみても大きな開きはない。しかし、「Instagram(全体36.9%)」を見ると、20代の女性が80%以上なのに対して60代の女性は約17%と大きく差が出た。

シニア層は、旅行への意識が両極化!?

旅行に関する「旅行をしたいという意識が以前より高まった」という質問に対してポジティブな回答をしたのは20代・30代が多く、次いで60~69歳のシニア層が多かったようだ。一方で、国内海外とも「旅行に対する関心が薄れた」という回答はシニア層がトップとなった。

旅行経験(国内海外問わず、帰省を含め、出張は除く1泊以上の旅行)を尋ねたところ、2019年は全体で58.6%、2020年に旅行した人は42.9%という結果に。2020年は1月~3月にはまだ行動制限がなく27.5%が旅行をしていたが、その後自粛ムードとなり、GoToトラベルキャンペーンが展開された10~12月に旅行実施率が高くなったようだ。ちなみに、2021年1~2月の旅行経験者は10.7%。

本調査より

本調査では、事前調査で2019年以降2021年2月まで旅行を実施したと回答した2,025名に、日常生活でのニュースや生活情報への触れ方・SNSへの意識を聞いた。また、上記2,025名のうち、国内旅行を実施した2,001名に直近の国内旅行と旅行情報についての調査を行っている。

SNSの影響力は?

対象者(N=2,025)に、ニュースの取得手段を聞いたところ、上位から「無料のインターネットニュース(87.7%)」「テレビ放送(リアルタイム視聴)(64.2%)」「紙の新聞の定期購読(31.5%)」となった。次に、インターネット上でのニュースや情報の取得手段を聞くと、上位から「Yahooニュース(71.1%)」「YouTube(37.7%)」「LINEニュース(35.9%)」となり、SNSからの情報取得は最も高い「友人知人などによるSNSの投稿」が11.2%という結果となっている。

ここで、情報に対する参考度について発信元別に聞いた結果を見ると、「大いに参考にする、参考にする」の合計が最も高かったのが「テレビのニュース番組・報道番組(73.1%)」で、次いで「(紙媒体・ネットを含む)通信社、新聞社など報道機関の記事(61.0%)」「テレビのワイドショー(41.7%)」、そして「企業の公式SNSの投稿内容(31.0%)」となった。ちなみに、友人知人によるSNS投稿は2割程度の参考度。

それでも、20代男性だけを見ると「企業のSNSの投稿内容(41.1%)」や「通信社、新聞社など報道機関の公式SNSの投稿内容(37.3%)」の参考度が高く、20代女性では「有名人・著名人・インフルエンサーなどによるSNSなどへの投稿内容(42.7%)」の参考度が高くなっているため、SNSの参考率はSNSの利用率に関係すると考えられている。

SNSにおける行動変化とフォローの現状

同調査ではSNSに関する経験や行動の変化についても尋ね、JTB総合研究所の「スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査」の2018年度・2019年度のデータと比較した。

今回の調査では「SNSは見るだけで投稿はしなくなってきた(24.4%)」「SNSの投稿を見て行ってみたいと思った場所にでかけた(17.2%)」「SNSで知った情報でいいと思ったものを購入した(16.2%)」という割合が高い結果に。過去のデータと比べると、SNSをきっかけとした「でかける」「人に会う」などのリアルな行動の割合が減っていることが分かったようだ。

しかし、対象者(N=2,025)のうち女性・若い世代を中心に66.2%がSNSで何かしらフォロー・登録していることが分かっている。内容は「芸能人・タレント・有名人・投稿内容に興味を惹かれた人(24.2%)」「友人・知人(23.6%)」「飲食店(20.7%)」「旅行・観光(20.6%)」「料理・レシピ(19.2%)」の順。

旅行・観光・交通機関関連のSNSでは、Facebook・Instagram・Twitterのいずれも「ANA」「JAL」「じゃらん」「楽天トラベル」のフォロー数が多いことが明らかとなった。

直近で旅行をした人への調査

2019年~2021年2月に国内旅行をした2,001名への調査では、旅行の「同行者」に変化が見られたようだ。「夫婦・パートナーのみ」という回答は2019年度から変わらずトップなのだが、割合は4.4ポイントと高くなっている。なお、「一人」も17.1%と+3.9ポイント、「友人・知人」については-3.8ポイントとなった。

また、行先を決めるきっかけになった情報としては、全体では「オンライン専門の宿泊予約サイト(OTA)(28.6%)」、「友人知人からのおすすめ・体験談など(18.4%)」、「旅行会社のサイト(10.2%)」が多い結果となり、2019年よりもOTA、宿泊・交通の直販サイトの利用率が高まっている。ちなみに、旅行会社のサイトは同率だったが、パンフレットは減少したようだ。

そして、行き先が決まったあと、予約や購入とは別に旅行中の行動を決めるための情報収集についても聞いている。情報収集する項目の上位にある「宿泊施設(設備・アクセス・周辺観光など)」や「観光名所」の情報収集先は「OTAの観光情報」「旅行口コミサイト」「観光協会のサイト」などが多いようだ。

さまざまな準備をして旅行へ行ったものの、やはりコロナ禍ということもあり、直近の旅行でのSNS投稿に何らかの配慮があったという。例えば「同行者について個人が特定されないようにした(26.5%)」「位置情報を紐づけないようにした(23.3%)」「旅行に行った時期が具体的にわかるような内容を避けた(19.4%)」などが挙げられる。

まとめ

今回の調査から、旅行関連の情報は「旅行会社やOTAサイトの旅行情報」「旅行口コミサイト」「観光協会のサイト」の参考度が比較的高いことがうかがえる。これら3サイトの支持理由は、旅行者が知りたい情報をバランスよく掲載している点にあるといえるだろう。

しかし、SNSにまったくの影響力がないかというとそうでもなく、登録やフォローしているSNSのなかでは「旅行・観光」が全体の中で高い傾向にあったのも事実。SNSは、細かい旅の計画に役立つというよりは、即時性と拡散において機能を発揮しているのかもしれない。今後、SNS利用率が高い層へのアプローチとしてSNSをうまく活用した観光振興を進めることも重要になってきそうだ。

PR TIMES

(文・Higuchi)

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