オハイオ州立大はDNAを材料にしたナノロボットを数分で設計!
Techable / 2021年5月2日 13時0分
薬を体内に届けたり、病原体を検出したり……といった用途でのナノロボットの活躍が期待されています。オハイオ州立大学の研究者らが開発したソフトウェア「MagicDNA」が、そんな未来のナノロボット開発に一役買うかもしれません。
このソフトウェアを使えば、DNAを材料にした複雑なナノロボットがわずか数分で設計できるといいます。これまでこの手の作業には面倒な手順が含まれ、ナノロボットの設計には数日を要していたようです。
20以上のコンポーネントでナノロボットを構成できるMagicDNAは、蝶番やローター、ジョイント……といったパーツとDNAを組み合わせて、複雑な構造にする際に役立ちます。
従来、ナノロボットを構成するコンポーネントは、多くて6つほどでしたが、このソフトウェアを使用すれば20以上のコンポーネントでの構成も可能。ナノロボットは、より複雑なタスクがこなせるようになるようです。
DNA鎖の情報を取得してそこから構造を編成したり、反対に構造を決定してからDNA鎖のまとめ上げ方を自動で探ったりが可能。こうしたボトムアップ/トップダウンの手法を組み合わせることで、コンポーネントそれぞれのプロパティを細かく制御しつつ、全体として複雑な幾何学構造が設計できる可能性があります。
髪の毛の幅の1000分の1のサイズの飛行機を設計また、設計したナノロボットが、実世界でどう振る舞うかをシミュレーションすることもできるようです。
研究者らはMagicDNAを使用して、小さなモノを拾うことができるロボットアームや、人間の髪の毛の幅の1000分の1のサイズの飛行機を設計しています。
研究者らは「今後5~10年以内に、DNAナノデバイスの商用アプリケーションが見られるようになる」と見込んでいて、その際、MagicDNAが役立てられることに期待しています。
参照元:DNA robots designed in minutes instead of days/ OHIO State News
(文・山田洋路)
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