音響機器のBoseが初の補聴器「SoundControl」発表、米FDAの承認取得
Techable / 2021年5月13日 8時0分
音響機器メーカーのBoseが、同社初となる補聴器「SoundControl」を発表しました。FDA(米食品医薬品局)から医療機器としての承認を得ていて、しかもウェブサイトを通じて消費者に直接販売します。
聴こえは人によってさまざまで、補聴器の調整は専門家の手を借りるというのが常識ですが、SoundControlはユーザー自身がスマホのアプリを使って聞こえを調整するという、これまでの概念を覆すものとなっています。
聞こえをパーソナライズ軽度〜中度の成人難聴者向けに開発されたSoundControlは耳掛けデザインで、従来の補聴器と外観は大きく変わりません。肝となるのは、専用のBose Hearアプリです。アプリを使って個人の聞こえに合わせて調整するようになっています。
使うには、ユーザーはまずペアリングしたスマホに専用アプリをダウンロードし、アプリ内のCustomTune機能で30分ほどかけて音量レベルやトーンなどをパーソナライズします。
Boseによると2つのコントロールを使って何百ものチューニングオプションから選ぶことができ、聞こえが快適になるよう大きな音より静かな音を増幅させたり、人の話し声がはっきり聞こえるようにしたりといったことができます。音の深みや明確さなども自分好みに設定することが可能です。
活動に合わせたプリセットもまた、シーンに応じて設定を変えることもでき、周囲が賑やかな環境で前にいる人の話し声をよく拾えるようにする、ということもできます。外を歩く、家の中で過ごすなど、活動に合わせて聞こえをプリセットできるようにもなっているのも便利そうです。
こうした調整を専門家の手を借りることなく自分でできるというのがSoundControlの最大の売りで、チュートリアルが用意されているほか、必要に応じてビデオでサポートを受けることもできます。
SoundControl はバッテリーで駆動し、1日14時間使用した場合、4日間もつとのことです。価格は849.95ドル(約9万2000円)。5月18日にまずはマサチューセッツ、モンタナなど米国5州で発売します。
医療機器としての展開であり、現在のところ米国外での販売は予定されていないようですが、専門家の手を借りることなく手軽に聴こえ調整できる補聴器の需要は世界中にありそうです。
Bose
(文・Mizoguchi)
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