キヤノンの超高感度CMOSセンサー採用! 新観測システム「TriCCS」が本格稼働
Techable / 2021年5月21日 8時0分
キヤノン株式会社(以下、キヤノン)の超高感度CMOSセンサーを採用した、京都大学岡山天文台の「せいめい望遠鏡」による新観測システム「TriCCS(トリックス)」が、2021年8月2日より本格的に稼働開始します。
新観測システム「TriCCS」とは京都大学岡山天文台は、2018年に開設。2019年2月から可視光から近赤外領域を観測するせいめい望遠鏡の稼働を開始し、国内外の天文学者が研究活動に活用しています。
今回本格始動をする新観測システム「TriCCS」は、高速で複数の波長の光を検出することが可能。遠く離れた宇宙空間で発生した暗い天体や、光度が急激に変化する天体を観測することを目的としています。
「TriCCS」では、キヤノンの35mmフルサイズ超高感度CMOSセンサー「LI3030SAM」(2020年10月発売)などを採用。一辺19?m(マイクロメートル)の大きな画素により、0.0005lux(ルクス)の低照度環境下でも撮影可能な超高感度を実現しながら、画素が大型化すると増える傾向のあるノイズを低減しています。また、最大98fpsの高速での撮影が可能です。
キヤノンの超高感度CMOSセンサーを採用している東京大学木曽観測所の観測システム「トモエゴゼン」との連携により、発見された超新星に対して、数日以内に追究観測を行うこともできます。
宇宙と生命の起源の解明を目指す宇宙の様々な現象を高速かつ複数の波長で同時に動画撮影できる「TriCCS」。科学的に重要な天体の観測が可能になることで、宇宙と生命の起源の解明に貢献することが期待されています。
ちなみに、せいめい望遠鏡の名前の由来は、安倍晴明にあるそう。京都大学岡山天文台の北西約2.3キロメートルの阿部山の山頂付近には、彼が天体観測のために居を構えたとされる阿部神社があります。このように京都と岡山の両方にゆかりのある天文研究の大先達にちなんで、せいめい望遠鏡と名付けられました。そして、この望遠鏡は、宇宙における生命(せいめい)の探査・研究にもつながっています。
PR TIMES
京都大学 岡山天文台
(文・和泉ゆかり)
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