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世界初のレベル4自動運転バスプラットフォームに搭載されたサーマルカメラとは?

Techable / 2021年6月9日 7時0分

公共交通機関の自動運転領域で躍進を遂げている米国・ADASTEC社は、世界初となるレベル4の自動運転バスプラットフォーム「flowride.ai」を発表しました。そして、同プラットフォームにeledyne FLIR社製のサーマルカメラを搭載。さまざまな状況下において、車両・自転車・歩行者などを検出し、安心・安全な自動運転車システムの確立を目指します。

なお、「flowride.ai」は、トルコに拠点を置く商用車メーカーKarsan社との提携で、全長8 メートルの電気バス「ATAK」に搭載。現在、ルーマニアとトルコでいくつかのプロジェクト向けに配備されており、2021年に予定されているプロジェクトの一環として、米国と欧州へ展開を拡大する計画が進行中とのことです。

悪条件下でも熱感知なら大丈夫

「flowride.ai」は、自動運転を実現する「flowride Drive」とデータを蓄積する「flowride Cloud」、遠隔操作などを可能にする「flowride Apps」で構成され、世界初のレベル4・フルサイズ・フルスピードの自動運転を可能にするプラットフォーム。

同プラットフォームは、24時間年中無休で稼働するように設計されており、夜間・雨天・降雪・霧・逆光などの悪条件下での運行も予想されることから、熱から画像を生成するサーマルカメラの搭載が不可欠なようです。

そこで、すべての道路利用者の検出と安全性の向上に焦点を当て、2つのTeledyne FLIR社製のサーマルカメラを採用。バスの前方とバスの右側の後部に取り付けられたサーマルカメラは、バス周辺のヒト・動物・物体を検出すると共に、悪条件の中でもしっかりと熱感知を行います。ちなみに、夜間にはヘッドライトよりも最大4倍遠くまで見えるとか。

サーマルセンサーのデータは、RGBカメラ・LiDAR・超音波センサー・レーダーからのデータと融合され、環境条件に最適な意思決定と安全な動作を行うための冗長性と柔軟性を提供するようです。

赤外線カメラ開発キット「FLIR ADK」

今回採用されたサーマルカメラには、先進運転支援システム(ADAS)および自律走行車(AV)向けの次世代自動車用サーマルビジョンの開発に費用対効果の高いカメラ開発キッド「FLIR ADK」を活用しています。

あらゆる天候での運転にも対応できるIP67規格の筐体には熱線入りのガラス(曇り止め・雪どけ用のヒーターおよび12μmセンサ)が組み込まれ、中には赤外線カメラモジュールであるBosonを搭載。解像度はVGAクラスの640×512、画角は24°、32°、50°、75°から選べます。インターフェースはUSB2.0、GMSL、イーサネットから選べ、USB出力の場合は専用のGUIをPCへインストールすることで、すぐに撮影画像を確認できるとのことです。

PR TIMES

(文・Higuchi)

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