南カリフォルニア大、遺伝子のつながりを高速で分析するツール「iLASH」を発表!
Techable / 2021年6月17日 7時0分
23AndMeなどは個人を対象に遺伝子検査を実施していますが、より広い集団で共通する遺伝情報がわかれば、健康および疾患に関する理解が進むでしょう。
南カリフォルニア大学ビタビ工学部(USC Viterbi)らの研究チームは、「iLASH(IBD by LocAlity-Sensitive Hashing)」と呼ばれる手法により、遺伝子のなつながりを見つけるプロセスを効率化しています。
研究チームが進めるのは遺伝子疾患に焦点を当てたプロジェクトですが、iLASHは遠い親戚を見つけるといった目的にも使用できるようです。
これまでにないスケーラビリティと精度を実現iLASHは、遺伝子データセット内で個人間のDNAの共通部分とその量を調べる「IDB推定」がベースになっています。「局所性鋭敏型ハッシュ(LSH)」と呼ばれる確率的処理により分析を高速化。関連しない遺伝子のペアを排除し、関連の可能性が高いペアのみを残します。
また、複数のプロセスを同時に実行できる並列コンピューティングを用いて、IBD推定を効率的に実行。これらを組み合わせることで、従来1週間かかっていた5万人ぶんのデータセットを1時間で分析できるようです。
iLASHの突出したスケーラビリティと精度のおかげで、これまでは見つけられなかった遺伝子のつながりが示せる可能性があります。
集団遺伝学と個別化医療どちらにも貢献集団遺伝学の分野では、すでにiLASHが世界の研究者によって実装されていて、たとえばマウントサイナイ医科大学の研究者は、iLASHを用いてイギリス人50万人の遺伝子データセット、UKバイオバンクの分析を実施しました。
個別化医療の分野では、希少疾患遺伝子の起源の研究や、遺伝学の多様性についての理解を深めるためのツールとしてiLASHが有望視されています。
今後研究チームは、スケーラビリティ増大に備えてiLASHの分散バージョンを開発していく計画。iLASHのクラウドサービスの構築も検討していますが、機密性の高い遺伝子データを扱うことになるため、倫理上/セキュリティ上の課題を解決する必要があるようです。
参照元:Find Your Genetic Relatives Quickly and Accurately with USC ISI’s iLASH Algorithm/ USC Viterbi
(文・山田洋路)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【人事革命】パーソナリティ遺伝子検査サービスを提供開始 ! 法科学鑑定研究所
PR TIMES / 2024年7月18日 16時15分
-
阪大、心の動きと全身の代謝や炎症応答などを結びつける因子の同定に成功
マイナビニュース / 2024年7月18日 6時20分
-
筑波大、普段は眠っている骨格筋細胞が活動を開始するスイッチ分子を解明
マイナビニュース / 2024年7月16日 14時19分
-
パーキンソン病患者に特異的な皮脂RNA情報の同定に成功
PR TIMES / 2024年6月28日 13時15分
-
アレルギー疾患に関連するゲノム領域の重要性を解明~気管支ぜんそくの新規治療法の開発に期待~
PR TIMES / 2024年6月27日 10時45分
ランキング
-
1札幌市イオンモールの駐車場が子育て世代に優しいと話題 気遣いの“言葉”に「これ素敵すぎる」「涙が出ちゃった」と称賛の声
ねとらぼ / 2024年7月18日 8時0分
-
2サイバー攻撃による流出情報元に「突撃取材するのはやめて」 ニコニコ運営代表が新聞社に警告、記者名も把握
J-CASTニュース / 2024年7月18日 19時35分
-
3「会社のWindows PCが突如ブルースクリーンに……」 世界中で報告相次ぐ 「仕事ができない」
ITmedia NEWS / 2024年7月19日 14時49分
-
4Type-Cケーブル1本で、4K映像を2画面出力できる!ドッキングステーション
ITライフハック / 2024年7月19日 11時0分
-
5コンテンツサービスで相次ぐ突然のクレカ決済停止の問題点 今後どう対応できるのか、議員と弁護士に聞いた
ねとらぼ / 2024年7月19日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください