小型ドローン「カイトプレーン」、横浜・千葉間の約50kmをレベル3で飛行する
Techable / 2021年6月18日 16時30分
現在、ドローン物流の社会実装への取り組みが活性化しています。これは、物流業界の人手不足や離島・山間部といった過疎地への物流課題などを背景とし、2022年にレベル4が実現予定ということが追い風となっているようです。
実際に、多くの実証実験が行われていますが、そのほとんどが離島や山間部などで実施され、都市部や市街地での検証はまだ少ないという状況。
そんな中、一般財団法人先端ロボティクス財団は、ドローン物流は都市部で実現してこそビジネス性が向上し「空の産業革命」が加速するという考えのもと、2021年6月21日に、横浜市と千葉市をつなぐ約50kmの「東京湾縦断飛行(レベル3)」を実施します。
耐空性の高い「カイトプレーン」同実験に使用される機体は、固定翼に凧が付加されたカイトプレーンという極めて耐空性の高い小型ドローン。30年近い飛行実績を有する無人航空機で、約50kmにもおよぶ東京湾縦断飛行を実現し得ると期待されているようです。
機体には自動操縦システム、気象データ表示機能、エンジン停止機能を搭載し、設置されたカメラにより機体の外の様子を監視します。万が一、通信機すべてが途絶した際は、フェールセーフとして自動帰還するとのことです。
離陸場所はESR株式会社が有するESR横浜幸浦ディストリビューションセンター、着陸場所は稲毛海浜公園第一駐車場を予定し、飛行経路を高度100mで約1時間飛行します。
同実験の先のビジネス戦略このたびの「東京湾横断飛行」は、首都圏における新たなビジネス創出の足がかりとなる可能性を含んでいるようです。例えば、湾岸道路・アクアラインという地上交通網とは別の第3の「空」のインフラを整備することで、BtoBまたはBtoCの便利で低価格なビジネス便として利用することが可能となり、ひいては慢性的な地上交通システムの渋滞回避に貢献することもできるといいます。
また、地震や台風などの災害発生時には、空からの被災地調査や救援物資の搬送を行うことも可能。そのためにも、平常時にドローン物流ハイウェイとして稼働していることが重要との見方を示しています。
将来的には、横浜市・川崎市などを中心とする京浜地区と千葉市・市原市などを中心とする京葉地区の各都市を結びながら、必要に応じて房総半島や三浦半島まで拡張する構想のようです。
PR TIMES
一般財団法人先端ロボティクス財団
(文・Higuchi)
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