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AIチャットでメンタルヘルスケアをサポートする「emol」の実証実験

Techable / 2021年7月6日 8時0分

emol株式会社は、早稲田大学人間科学部・大学院人間科学研究科 大月研究室と共に、メンタルヘルスケアアプリ「emol」を活用したデジタルプログラムの開発を行っています。

同プログラムは、認知行動療法もしくは臨床行動分析と言われる心理療法「ACT」をアプリ内で実践し、メンタルヘルスセルフケアをサポートしようというもの。現在、アプリでの心理介入による心理的影響の検証を進めているところです。

この取り組みが、千葉県市原市の活性化・地域課題解決に向けたオープンイノベーションプログラム「いちミラ」に採択されたことにより、2021年3月に同市での実証実験を行いました。

「emol」とは?

「emol」は、2020年12月に新機能「AIチャット」の提供を開始。AIロボの「ロク」がケア方法をレクチャーし簡易のカウンセリングを施すデジタルプログラムをスタートしました。

同アプリでは、「うれしい」「かなしい」「いらいら」などの感情を色分けし、ユーザーがそのときの気分を選ぶことで、感情を記録することが可能。記録した感情を振り返ることもでき、「いつどんな気持ちだったか」「最近多い感情」などを直感的に把握することができます。なお、感情の他、睡眠時間なども記録可能。

「ロク」とのチャットを通じて、自分の思いを話したり雑談したりすることで、自分の心を整理するきっかけを作れるようです。また、「ロク」はユーザーとの会話を踏まえ、ACTに基づいた簡易のカウンセリングやコーチングを実施します。現在はiOSのみの提供で、Android版は2021年秋にリリース予定です。

検証結果と今後の展開

そんな「emol」は、市原市職員を対象に2週間のemolプログラム利用と心理的尺度を測る各種質問表の回答による実証実験を実施しました。

プログラム利用を終え、同プログラムを実施した群としなかった群のアンケート結果を比較すると、プログラムを実施した群には、抑うつ・不安への軽減がみられたといいます。検証時期が3月という繁忙期に重なったため、全体的な抑うつ・不安のスコアは悪化傾向にあったようですが、プログラム実施による一定の効果は確認できたといえるでしょう。

今後は、自治体や企業、教育機関での「産後うつ予防」「小中学生のメンタルヘルス不調予防」など、ウェルビーイング・メンタルヘルスに関連する各種実証実験の実施を予定しているようです。

Savanta, Inc.が2020年7月16日~8月4日の期間、日本を含む世界11カ国12,347人を対象に実施した調査では、「メンタルヘルスのサポートを人よりもロボットに頼りたい」という回答が82%にも上っています。また、企業が従業員のメンタルヘルスを守る必要があると考えている割合も76%と高め。今後「emol」のようなメンタルヘルスケアアプリの需要は拡大していきそうです。

PR TIMES(実証実験)
PR TIMES(メンタルヘルスに関するアンケート)

(文・Higuchi)

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