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イヤホン型脳波計「VIE ZONE」を活用した麻酔鎮静深度を測るシステムの共同研究

Techable / 2021年7月29日 10時0分

現在の医療現場では、麻酔科医が立ち会わない中等度レベルの鎮静で行う内視鏡処置において、簡便かつ信頼に足る鎮静モニタリング手法がなく、医師や看護師によるバイタルサインの確認で鎮静深度確認が行われているといいます。

そんな中、VIE STYLE株式会社と国立研究開発法人国立がん研究センター東病院は、イヤホン型ワイヤレス脳波計「VIE ZONE(ヴィー ゾーン)」を活用した麻酔鎮静深度モニタリングシステムの共同研究を開始しました。

適切な鎮静深度確保をサポート

「VIE ZONE」は、イヤーチップが電極となり、耳(外耳道や耳たぶ)から脳波・心拍・呼吸といった生体情報を取得できるウェアラブルデバイス。2020年2月に実施したFUNDINNOでのクラウドファンディングでは目標額を大きく上回る23,900,000円を調達しました。

同研究では、この「VIE ZONE」を用いて内視鏡処置下の患者の鎮静深度を簡易かつ正確に評価し、患者が過鎮静や覚醒を起こさないよう術者が適切な鎮静深度を確保することを支援するシステムを開発します。

消化器がんに対する内視鏡治療が急速に普及している中、同病院の消化管内視鏡科長 矢野友規氏はこの研究に対し「患者さんの安全を確保し、我々医療従事者が安心して内視鏡治療に集中できる新しい鎮静モニタリング方法が実現することを期待しています」とコメントしました。

「VIE ZONE」の可能性

「VIE ZONE」は、脳波をはじめとする生体情報をAIで解析し、ストレスや感性、眠気・疲労などを測定することができます。これは医療の他、集中力向上や睡眠関係、スポーツなど幅広い領域での活用が期待できる技術といえるでしょう。

実際に、VIE STYLEと東京大学は「VIE ZONE」を活用して、脳波・生体情報から生産性を上げる方法を導き出すAIの共同研究を2020年10月より開始しました。そして2021年7月に「VIE ZONE」で取得した信号からハイパフォーマンスな「フロー状態」の推定に成功しています。

VIE STYLEと東京大学は今後、フロー状態の他、感情・疲労・眠気など人間の内的な状態推定技術の研究を進めると共に、映像・音声などの刺激により人の能力を向上するシステムの開発も検討中。ゆくゆくは、働くヒトの生産性支援とメンタルヘルスケアを行うAIサービスの開発など、toBへの展開も視野に入れているようです。

PR TIMES

(文・Higuchi)

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