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エアロネクストら、上士幌町の「持続可能な未来のまちづくり」に向け包括連携

Techable / 2021年8月13日 9時0分

北海道上士幌町は、SDGs達成に向けた優れた取り組みを提案した自治体として内閣府の2021年度「SDGs未来都市」に選定されています。同町が「持続可能な未来のまちづくり」を推進する中で課題となっているのは、主力産業である観光のブラッシュアップ、農業の高齢化・後継者不足、カーボンニュートラルと利便性を両立させる移動や物流の確立などです。

こういった課題をドローンを含む次世代高度技術を活用して解決し、全国自治体のロールモデルとなるスマートでサステナブルな社会を実現することを目的に、株式会社エアロネクスト・セイノーホールディングス株式会社・株式会社電通・上士幌町が2021年8月11日に包括連携協定を締結しました。

具体的取り組みは?

協定内容は、「農業・観光・産業・経済の振興」「観光地域商社である株式会社karchと連携した新たな観光コンテンツ開発」など多岐に渡りますが、今回はすでに示唆されている具体的な取り組みについて紹介しましょう。

最も注目したいのが、エアロネクストとセイノーHDが共同で開発を進める、既存物流とドローン物流をつなげて空と地上のインフラを一体化させる物流の仕組み「SkyHub®」の社会実装に向けた検討。「SkyHub®」は山梨県小菅村での検証が進められていて、2021年7月にドローン配送回数が100回に達したところです。

この他、個人宅へのドローン配送実証や、日本一広い公共牧場「ナイタイ高原牧場」を一望できる「ナイタイテラス」におけるドローンを活用した観光商品開発なども予定されています。この計画を見る限り、ドローンを活用した取り組みに特に力を入れている印象です。

エアロネクストのドローンに期待

ドローンを活用するとなると、やはりエアロネクストの技術・ノウハウが活きてくるでしょう。同社の強みは、重心制御技術「4D GRAVITY」。これは、飛行部(プロペラ・モーター・アーム)と搭載部(カメラ・荷物など)を物理的に分離し、機体の向きに左右されない荷物の水平輸送を実現する技術です。

これにより、モーターにかかる負荷(回転数)を均一化し、飛行速度・飛行距離・配送可能重量・配送品質のレベルアップが実現するといいます。

エアロネクストは、2021年3月に株式会社⾃律制御システム研究所(ACSL)と共に、「4D GRAVITY」を搭載した物流用ドローンの最新試作機を発表。この機体は、神奈川県の横須賀市立市民病院屋上への牛丼配送や、山梨県小菅村での牛丼配送に使用されました。上士幌町での活躍にも期待したいところです。

国内のドローン産業活性化には、常時飛行が可能な環境の確保が必要であり、課題でもあります。上士幌町の人口約5,000人に対して行政面積約700平方キロメートルという環境はドローンに係るあらゆる取り組みを行えるフィールドとなり得るもので、同町をドローンの聖地とし、関係者を集積させることで国内のドローン産業の発展に大きく寄与することも同協定が目指すところのひとつのようです。

なおTechable(テッカブル)では、エアロネクスト代表取締役CEOの田路圭輔氏に「空の物流の可能性」について話を伺っているので、興味のある方はぜひこちらへどうぞ。

PR TIMES

(文・Higuchi)

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