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DMMと東京大学VRセンターの共著論文、MR・AR分野の国際会議「IEEE ISMAR」に採択

Techable / 2021年9月8日 12時0分

合同会社DMM.comと東京大学 連携研究機構 バーチャルリアリティ教育研究センター(以下、東京大学VRセンター)は、2020年より「VRシステムの評価及び最適化手法の提案」に関する共同研究を行っています。

そしてこのたび、同研究において著された共著論文が、MR・AR分野のトップカンファレンス「IEEE ISMAR」に採択。2021年10月4日~8日に開催される「IEEE ISMAR 2021」にて口頭発表されます。また、2021年9月12日~14日に開催される、第26回日本バーチャルリアリティ学会大会でも発表される予定です。

360°動画視聴時の課題

ヘッドマウントディスプレイを装着して360°動画を見る際、視聴者は任意の方向を見回して動画の見える範囲(Field of View、FOV)を自由に定めることができます。

しかし、視聴者が動画の一部分を見ているとき、必ず動画の別の部分を見逃すことになり、「何か重要なものや面白いものを見逃しているのではないか」という不安を感じることがあるようです。この不安は「Fear of Missing Out(FOMO)」と呼ばれ、360°動画視聴時の課題として認識されているといいます。

この課題を解決すべく、DMMと東京大学VRセンターは共同研究を進めてきました。その結果、DMM VR labの研究員 小川奈美氏らによる共著論文として「Now I’m Not Afraid: Reducing Fear of Missing Out in 360° Videos on a Head-Mounted Display Using a Panoramic Thumbnail」が完成。このたび、「IEEE ISMAR」に採択されました。

研究の概要

本共同研究では、DMM VR labが有するVRシューティングゲーム「BOW MAN」などのVRサービスのデータ解析を実施。その上で、インプット方式やアバタの表示などVR空間におけるユーザーインターフェースへの習熟・没入度などに着目し、科学的に定量解析・評価するための手法を確立することにより、VR空間のユーザインタフェースを最適化することを目指しています。

同論文では、360°動画のパノラマ全景(以下、全景)を手元に提示することで、視聴体験を損なうことなく「FOMO」を低減させる手法を提案。

また、提案手法での視聴体験と通常の視聴体験とを比較する実験も実施。その結果、提案手法がFOMOを有意に低下させること、提案手法により視聴体験の質は向上し、プレゼンスに関しては条件間に有意な違いは見られないことがわかったといいます。

加えて、提案手法で視聴しているユーザーのインタラクションを調べるため、視聴時のアイトラッキングデータおよびヘッドトラッキングデータを解析。結果、どのような場面でユーザーが全景を確認するかなど、ユーザーの全景の使い方に関する知見が得られたといいます。

こうした研究結果は、より使いやすい360°動画のユーザインタフェース制作、新たなVR体験の開発に生かされるようです。

PR TIMES
東京大学VRセンター

(文・Higuchi)

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