栽培データ×科学的知見で、産地に最適化した農業を提案するAGRI SMILE
Techable / 2021年9月28日 15時0分
2018年に創業した株式会社AGRI SMILEは、産地の栽培技術を可視化・数値化、共有するなど栽培領域におけるDXをサポートするプロダクトを提供してきました。しかし、持続可能な農業の実現に向けたマクロな課題解決には至らなかったといいます。
そこで、2021年より研究領域の取り組みを本格化。DXの意義を「業務のデジタル化とデータ集積を進め、研究結果に基づき改善を行うこと」と定め、栽培領域から得たデータと生命科学の知見を組み合わせることによって、産地への科学的なフィードバックを実現していく構えです。今回はそんなAGRI SMILEにフォーカスしてみましょう。
AGRI SMILEの2大プラットフォーム同社は、栽培領域に向けた「AGRI Suite」と、研究領域に向けた「ACADEMIC Suite」という2つのプラットフォームを展開中。
「AGRI Suite」は、栽培に関わる定性・定量データを集積し、産地の発展に活かすことを目的としたもので、JA蒲郡市やJA晴れの国岡山などで採用されています。「AGRI Suite」では、生産者側での日々の作業記録と、JA側での栽培履歴のチェックを省力化するサービス「KOYOMIRU」や、栽培技術を2DやVRの短編動画にまとめて共有できるサービス「AGRIs」といったアプリケーションを提供中です。
一方「ACADEMIC Suite」は、現場に寄り添った生命科学の発展と人材育成を支援しようというもの。その中で提供しているのが、ポスター・オーラル学会発表を完全オンラインあるいはオンライン&オンサイト形式で開催できるサービス「ONLINE CONF」です。
今後の展開同社のミッションは「テクノロジーによって、産地とともに持続可能な農業と地域をつくる」。サービスの大きな特徴は、「産地」にフォーカスしていることです。これには、近しい気象条件で集積された複数の圃場の栽培管理データから栽培管理方法による差異のメカニズムを実験室レベルで明らかにでき、科学的根拠に立脚し産地に最適化したフィードバックができるという理由があるといいます。
今後は、業務の効率化、技術の集積・継承を実現するツールとしての「ソフトウェア」と、集積されたデータをもとに新技術を生み出す「Science」の相互作用によって農業界の発展を支援していく構えです。
そしてこのたび、事業および組織の拡大にあたり、個人投資家の梅田裕真氏、鈴木達哉氏および既存投資家であるマネックスベンチャーズ、THE SEEDを引受先とする第三者割当増資を実施し、総額約1.7億円を調達。これにより、累計調達額は2.1億円となりました。
PR TIMES
株式会社AGRI SMILE
(文・Higuchi)
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