JR西日本とソフトバンク、「自動運転・隊列走行BRT」の実証実験へ
Techable / 2021年9月30日 9時0分
西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)とソフトバンク株式会社は、自動運転と隊列走行技術を用いたBRT(バス高速輸送システム)の開発プロジェクト「みんな(MI-NNA)の自動運転BRTプロジェクト」を2020年3月に始動。これまで、車両発注・改造やテストコースの設置などの準備を進め、ついに2021年10月より滋賀県野洲市の専用テストコースにて実証実験を開始します。
実証実験の概要BRTとは、連節バスや専用道を組み合わせて作るバス高速輸送システム。スマートフォンへの情報発信や電子決済、車両のバリアフリー化などでスマートな移動体験を提供することができます。
今回のプロジェクトの目標は、日本初となる連節バスの自動運転化と、異なる自動運転車両が隊列走行する「自動運転・隊列走行BRT」の実用化。この目標に向け、3種類の自動運転車両(連節バス・大型バス・小型バス)を用いて、車種が異なる自動運転車両が合流して隊列走行などを行う実証実験を開始します。
使用する車両には、LiDARセンサやミリ波レーダをはじめ、GNSSアンテナ、各種カメラなど自動運転と隊列走行に必要な機能を搭載。走行時には、協調型車間距離維持支援システム(CACC)を活用し、先頭車両(有人)を後続車両(無人)が追随する形となるようです。この追随関係を異なる車両間で組合わせたり解除したりしながら、ニーズに応じた隊列で走行するといいます。ちなみに、最大4台までの隊列走行ができるとか。
両社は同実験を通じ、車両技術の検証と走行環境・地上設備、運用面、事業性の検討を進め、2020年代半ばをめどに次世代モビリティサービスとして社会実装を進めていきたいとのことです。
「自動運転・隊列走行BRT」がある未来「自動運転・隊列走行BRT」は、安全で持続可能な次世代モビリティサービスと位置づけられています。先述の通り、BRTは乗客の移動体験をスマートにすることができますが、これを自動運転化し、隊列走行させることでより多くの社会課題解決に貢献するものと期待されているようです。例えば、運転手の担い手不足の解消、需要に応じた柔軟な輸送力の確保、シンプルな設備によるローコストなモビリティサービスの実現などが挙げられるでしょう。
また、病院や市役所など乗客の行き先に応じてルートを変更したり、ヘルスケア機関と連携して乗客の安全を見守ったりと、新しい価値を提供することも可能。さらには、既存の鉄道や移動販売、二次交通などと連携したサービスで駅前などの発展に貢献できると言われています。
ソフトバンク株式会社
(文・Higuchi)
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