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空海の『立体曼荼羅』を紐解くVR作品、オンライン・オフラインで同時公開

Techable / 2021年10月9日 7時0分

独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館、独立行政法人国立文化財機構文化財活用センター、凸版印刷株式会社は、真言宗総本山 教王護国寺(東寺)が所蔵する、弘法大師空海が構想した密教彫刻『立体曼荼羅』を再現したVR作品『空海 祈りの形』を制作しました。

2021年10月13日~12月25日の期間、東京国立博物館東洋館内の「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」と、ニコニコチャンネル内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアターチャンネル」にて同時公開します。

なお、同作品は2019年に初上演され、「VRで俯瞰してみることで全体像がよく分かった」「現地では薄暗くてよく見えなかったところまで近づいてはっきり見えたのが良かった」などの反響があり、このたび再上演が決定したということです。

現地ではできない鑑賞体験

『立体曼荼羅』は、言葉では伝えにくい密教の教えを視覚的に表す、21体の仏像で構成される平安時代前期の密教彫刻の最高傑作。最上位の仏とされる大日如来を中心として四方に4体の如来を配した五智如来(重要文化財)と、その右側に金剛波羅蜜菩薩を中心にした五大菩薩(国宝)、左側に不動明王を中心にした五大明王(国宝)、四方には四天王と梵天、帝釈天(いずれも国宝)が諸尊を守るように配置されています。

VR作品『空海 祈りの形』は、この『立体曼荼羅』の21体の仏像を凸版印刷のVR技術で高精細に再現。また、仏像の位置も正確に再現し、現地の講堂内部にある柱をVR上で取り除くことで、より仏像の位置関係を認識しやすくしています。現地では見ることが困難な角度や位置から複雑な形状の仏像や配置などを鑑賞できるのは、VRならではといったところでしょう。

この『立体曼荼羅』を再現したVR映像と、重要文化財『紙本著色弘法大師行状絵詞』を用いて空海の軌跡をたどり、真言密教の歴史に触れるパートをあわせたものが、『空海 祈りの形』です。

鑑賞方法

『空海 祈りの形』は、オンライン・オフラインで同時公開されます。

オンラインでの公開にあたり、動画配信プラットフォーム「ニコニコチャンネル」に「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」公式チャンネルを開設。今回の作品が配信第1作目です。料金は300円(税込)で、視聴にはニコニコサービスへの会員登録・ログイン、事前のニコニコポイント(1ポイント=1円相当)購入が必要です。

オフラインでの公開は、東京国立博物館東洋館地下1階の「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」にて実施。ここは、「バーチャルリアリティで時空を超える」をコンセプトに、東京国立博物館の収蔵品を中心とする文化財のデジタルアーカイブを、VR技術で可視化するシアターです。4K高精細映像を投影できる300インチのスクリーンが没入感の高い体験を創出するでしょう。2021年になってからは、国宝『鳥獣戯画』や法隆寺の国宝「金堂」などのVR作品を公開しています。

なお、オフライン鑑賞の料金は高校生以上600円、中学生・小学生は300円となっており、チケットはシアター前チケット売場で購入可能(当日券のみ)。ただし、博物館の入館にはオンラインでの事前予約が必要なので注意してください。

PR TIMES

(文・Higuchi)

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