JAXA発ツインカプセラと魔法瓶のタイガー、宇宙開発で培った断熱保冷技術を地上でも活用へ
Techable / 2021年10月12日 18時0分
JAXA発ベンチャーの株式会社ツインカプセラとタイガー魔法瓶株式会社が業務提携。これにより両社は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が再突入カプセル開発において獲得した超高性能断熱保冷技術を地上に活用する事業を加速させる構えです。
業務提携の背景今回の業務提携の背景には、JAXAの「小型回収カプセルミッション」があります。これは、2018年に宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機が大気圏に再突入するにあたり行われた、国際宇宙ステーション(ISS)から宇宙実験サンプル(高品質タンパク質結晶など)を保冷状態で地球へと回収する技術実証において、大気圏再突入カプセル(HTV搭載小型回収カプセル)を開発し、実証を成功させるというミッションです。
このとき開発されたのが、大気圏再突入中も含めたミッション期間中にサンプルの温度を要求範囲(4℃±2℃)に維持するための再突入カプセル用の超高性能断熱保冷容器。地球帰還までの間の断熱性能や、海上着水時の40Gにも達する衝撃に耐える強度などを備えた小型回収カプセルは、無事に地球へと帰還しました。
タイガー魔法瓶は、この断熱保冷容器開発に参画した企業であり、ツインカプセラは、断熱保冷容器開発を担当したメンバーが設立したJAXA発ベンチャーです。このような背景で、このたび両社がタッグを組み、新たなチャレンジに向けて動き出しました。
断熱保冷容器の地上でのニーズこのたびの業務提携をきっかけに、両社は超高性能断熱保冷技術を地上でも活用する事業を加速させます。具体的には、「小型」と「高い保冷性能」を両立する超高性能断熱保冷・保温容器を開発し、検体・ワクチン・医薬品の保管・輸送など高度な温度管理が必要となる領域における課題解決に貢献するとのことです。また、バイオメディカル系の領域のみならず、宅配事業などへの展開も見込まれています。
両社は主に技術面において連携を図る方針。製品開発のフェーズにおいて、ツインカプセラは、事業全体のとりまとめ、製品企画、製品全体設計・解析、関連機器の設計・製造、検証試験などを担い、タイガー魔法瓶は、事業開発への協力、真空断熱容器(魔法瓶)に関する技術支援・性能向上策の実施、真空断熱容器の供給などを担うとのことです。
PR TIMES
タイガー魔法瓶株式会社
株式会社ツインカプセラ
(文・Higuchi)
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