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“仮想カメラ”で、角の向こうのモノをリアルタイムで映像化できるように!

Techable / 2021年11月19日 12時0分

ウィスコンシン大学マディソン校の研究チームが、ほぼリアルタイムでの見通し外(Non-line-of-sight:NLOS)イメージングに成功しています。自動運転、災害救助、医用画像処理など向けに実用化が期待される同技術ですが、これまで静止画の構築に数分を要していました。

研究者は光センサーとアルゴリズムを改善することで、5fpsの動画をわずか1秒の遅延で生成することに成功しています。

iPhoneにも搭載されている光センサーをカスタマイズ

NLOSイメージングでは、反射する光や音を検出し、これを元にシーンを再構築します。新しい手法でも光の反射を利用していますが、1次的な反射ではなく反射の反射を検出しているようです。

研究チームは、角の周辺からの非常に弱い光を検出するため、iPhoneにも搭載されている光センサー「単一光子アバランシェダイオード(SPAD)」を超高速・高感度化。50兆分の1秒の間隔で到達する光子の違いを区別できるようにしました。

28個のSPADからデータを収集することで、従来のNLOSイメージングに比べて大幅な時間短縮が実現しています。

数百メートル先の角の向こうも映し出せる

光センサーは死角となっている位置のぬいぐるみや人が、リアルタイムでモニタに映し出される様子はYouTube動画で確認できます。暗い中だけでなくライトを点けた状況でも、ハッキリとモノの輪郭や動きが見て取れ、壁に反射した光を区別しているのがうかがえます。

今回の実証では、反射壁から数メートルのオブジェクトを画像化していますが、同手法は数百メートル離れたオブジェクトにも展開可能とのことです。

またSPAD自体はありふれたものなので、NLOSイメージング向けの光センサーは手ごろな価格で構築できるとのこと。スマホで角の向こうが撮影できるようになる日がくるかもしれません。

参照元:Real-time video of scenes hidden around corners is now possible/ W News

(文・山田洋路)

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