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パワードスーツが数秒で「自分用」にパーソナライズ可能に! ハーバード大学が発表

Techable / 2021年11月22日 12時0分

ハーバード大学ジョン・A・ポールソン工学応用科学部大学院の研究チームは、ほんの数秒で個人の歩行にパーソナライズ可能なパワードスーツ(エクソスーツ)を開発したと発表しました。

超音波で筋肉の動きを測定

パワードスーツを開発する技術者にとって難しいのは、「常に同じペースで歩く人間はいない」という点。歩くスピードは、環境や、性別・身長・年齢・筋力などによって人それぞれ異なるからです。これまで、パワードスーツを個人の歩行にカスタマイズするには、何時間も手動または自動での調整が必要でした。これは、健康な人にとっては面倒な作業であり、一方で高齢者や患者にとっては調整そのものが困難です。

同大学院の研究チームは、ロボット駆動のパワードスーツを数秒でパーソナライズし、「日常の歩行」に適応させる新しい技術を開発しました。独自の「バイオインスパイアードシステム」は、筋肉の動きを超音波で測定することで、パワードスーツの各ユーザーの動きに特化したデータを生成します。

1歩でパーソナライズも可能

従来のパワードスーツのテクノロジーは、「着用者の手足の動き」に着目したものが多かったようです。これに対して、同大学院の研究チームは異なったアプローチを採用。超音波画像処理とリアルタイム画像処理に強みを持つハーバードバイオロボティクス研究所、そして人間の動きを強化するためのウェアラブルロボットを開発するハーバードバイオデザイン研究所が共同で研究に着手しました。

「私たちは超音波を使用して皮膚の下を観察し、ユーザーが歩行作業中に筋肉がどのような動きをしているかを直接測定したのです。何故なら、私たちの手足の動きと、その動きを駆動する筋肉の動きの間には、直接的な関連性があるとは限らないからです」とハーバード大学ジョン・A・ポールソン工学応用科学部大学院のRichard Nuckols氏は話します。

研究チームは、実験用の子牛に携帯型超音波システムをストラップで固定し、一連の歩行タスクを実行する際の筋肉の画像を作成。これらの記録画像から、歩行サイクルで必要なふくらはぎの筋肉と、並行して加えられる補助力の推定に成功したといいます。この新しいシステムを活用すれば、歩行者の筋肉のデータをわずか数秒の歩行からキャプチャすることができます。1歩でも、データ収集に十分な場合もあるというから驚きです。

同大学院は、このアプローチをパワードスーツに応用することで、日常歩行へのウェアラブルロボティクスの採用をサポートしていきたいとしています。

A personalized exosuit for real-world walking

(文・Takeuchi)

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