視覚障がい者の歩行をサポートするメガネ型機器「seeker」、早期実用化に向け開発加速
Techable / 2021年12月3日 13時0分
株式会社マリスcreative designと国立大学法人九州工業大学は、2018年よりAIを活用した視覚障がい者のための歩行アシスト機器「seeker」の開発に取り組んでいます。そしてこのたび、AIの精度・性能の向上を図るべく、株式会社マクニカのAI専門家組織である「AI Research & Innovation Hub(ARIH)」とも連携を開始。2024年3月の「seeker」実用化に向けて開発を加速する構えです。
「seeker」とは?「seeker」は、スタンドアローンで動く音声・振動を使った視覚障害者のための歩行アシスト機器。メガネ型のセンサーで駅のホームや音響式信号機のない横断歩道、街中の段差などにおける危険を検知し、視覚障がい者が持つ白杖に取り付けた振動装置で事前に危険を知らせることができます。
2020年には、東京都の「青山スタートアップアクセラレーションプログラム」に採択され、住友不動産賞を受賞。また、北九州市のスタートアップ支援事業「Iot Maker’s project」にも採択されています。
2021年3月には、株式会社ラックおよび北九州市と連携し、筑豊電気鉄道の穴生駅・黒崎駅前駅、北九州高速鉄道(モノレール)の平和通駅・小倉駅などでシステム検証のための実証実験を実施しました。
2024年の実用化を目指して国内の視覚障がい者は31万人を超えると言われ、今後高齢化が進むことでその数はさらに増えることが予想されています。また、非接触ニーズの高まりの中で、接触することや助けてもらうことが以前よりも難しくなり、外出が困難になる視覚障がい者もいるようです。
このような背景もあり、実用化が急がれる「seeker」。このたび「ARIH」が参画することで、AIの精度・性能のさらなる向上を図り、視覚障がい者に寄り添った最適な技術の調査・検証を2022年3月までに実施する見込みです。
具体的には、マリスおよび九州工業大学が実施してきた実証実験をもとに実用化に向けた課題の洗い出しを行い、視覚障がい者の方の実際の体験に沿ったデータを取得したうえで、マクニカが保有するAIライブラリを活用した検証を実施予定。このような検証・開発を経て、2024年3月の実用化を目指すとのことです。
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(文・Higuchi)
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