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ストラドビジョンとLGが提携。安全運転をサポートするARコックピット計器の開発へ

Techable / 2021年12月21日 10時0分

現在、多くの自動車メーカーが注目しているのが、AR-HUD(Augmented Reality Head-Up Display)をはじめとするARソリューション。例えば、ナビゲーションや危険情報などをドライバーの視界に投影し、ドライバーが道路から目を離すことなくリアルタイムに進路状況を確認できるなど、安全運転支援への優位性が認められ、幅広い車種に採用しようとしているようです。

そんな中、韓国ソウル市に本社を置くStradVision, Inc.(ストラドビジョン)とLGエレクトロニクスが、2021年12月20日に提携を発表。両社は、世界の自動車業界向けにARソリューションをベースとした先進的なコックピット計器プラットフォームを開発していく構えです。

カギを握る「SVNet」

両社が目指す、ARコックピットプラットフォームの開発において注目したいのは、ストラドビジョンの物体認識AIソフトウェア「SVNet」が提供するARアプリケーションのための技術でしょう。

「SVNet」は、カメラ映像からディープラーニングによって検知する自動運転車両向けの物体認識AIソフトウェア。現時点で、自動運転レベル2・3の先進運転支援システム(ADAS)機能およびレベル4の自律走行をサポート可能です。

具体的には、LiDAR機器の代わりにカメラによって3次元空間を認識し、対象物までの距離を高精度に測定する「デプスマップソリューション」、カメラ画像をディープラーニング技術によりピクセル単位で解析し、対象物を分類する「セマンティックセグメンテーション」、道路上のラインを認識する「レーン検知」といった認識機能によって、自動車のヘッドアップディスプレイなどの視覚を向上させます。なお、LiDARなどの複数センサーと統合させれば、サラウンドビジョンシステムを構築し、自動駐車の支援も可能です。

また、14種類以上のハードウェアプラットフォームに対応し、必要とする演算量やメモリ使用量を低減しつつ、高精度の物体検出・認識を実現できることや、製品特性に応じたチップ(SoC)への組み込みなどができることも特徴。カメラ映像を活用する点も含め、低コストでの提供を可能にする特徴を有しています。

世界で採用される「SVNet」

ストラドビジョンは、現代自動車やLGエレクトロニクスなどからの出資を受け、デトロイトや東京などにも拠点を展開。日本市場においては、2020年8月に株式会社ソシオネクストと協業契約を締結し、「SVNet」の日本市場への供給拡大に乗り出しました。

2021年4月には、ドイツの高級自動車メーカーおよび世界的なティア1(一次サプライヤー)との提携を発表。自動車メーカーへは、「SVNet」を応用した、ナビゲーションおよび車線維持支援システム向けのAR技術を提供し、2022年から世界で量産予定の40車種以上に搭載される見込みです。一方ティア1へは、自動駐車支援機能をサポートするサラウンドビューモニタリングアルゴリズムのOEM提供をするとのことでした。

さらに12月には、LGの最新ADASフロントカメラシステムに「SVnet」を提供することを発表。物体検出と自由空間検出のフルカスタマイズを実行し、同システムの安全性向上に寄与するとしています。これ以前にもストラドビジョンは、LGのソフトウェア・ソリューション・プロバイダーとしてさまざまなADAS機能を実装するアルゴリズムの開発をサポートしてきました。今回の提携により、両社がより深く連携することで、自動車の安全性の新時代を切り開くことができるかもしれません。

PR TIMES(1)(2)(3)

(文・Higuchi)

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